21話
文化祭を翌日に控えた生徒会室
「やっほー」
「里沙…」※会長
「田中…!」
「決まりました?」
「…まだ決まってないわ。それに、北山先生が邪魔してくるんでしょ?」
「そんな訳ないじゃないですか~。みんな楽しみにしてますよ、2日目のビッグイベント」
「こっちはお前の顔なんて見たくないんだ。さっさとどっか行けよ」
「口わるーい。 でも、まさか君が朝日 昇とつるんでるとは、予想外だったわ」
「昇がどうかしたのか?」
「知らないの? あの子、昔は有名な不良だったんだよ。うちの学校の男どもじゃちょっと厳しいかな~」
「へぇ~」
すごい奴だったんだな。今のあいつからは想像できないけど。
「文化祭を好き勝手して、どうするつもりなの?」
「私、イベント担当ですよ? 盛り上げたいじゃないですか~。なのに2人も私の言う事を聞いてくれないから、先生にお願いしたんですよ~」
その女々しい声やめろ、、
「色んな意味ですごい文化祭にはなるでしょうね」
「そうですよね~、私って天才かも♪ それじゃあ、本番楽しみにしてまーす」
そういうと田中は出ていった。
「いやー、相変わらず腹立ちますね」
「そうね。でも、これ以上あの子を刺激しないで、他の生徒に矛先が向くのだけは避けたいから」
書記の1年生が気まずそうにこっちを見る
「わ、わかりました。すいません」
「それで小山くん、イベントの件はどうなったかな?」
「どうやら大丈夫みたいです。…たぶん、とんでもないことになります」
「どういう事!? 怖いんだけど!」
「大丈夫です、大丈夫です! 良い意味でなんで。2日目のイベント、ステージに誰も登れないようにして欲しいんです」
「どういう事?」
「会長は信用しているので、教えます。耳を貸してください」
「…うん」
コソコソコソ
「……冗談でしょ?」
「本当です」
「え! ウソ! ウソ!! やっばー!!!」
会長が飛び跳ねる、そりゃそうか。
「あの! 絶対秘密にしてくださいよ!!」
「あ、ゲフンゲフン! ごめんなさい、取り乱しちゃったわ。知り合いの大学に連絡してラグビー部を呼んでおくわね。 それじゃあ、生徒会としてやることはやったし、小山くんも本番までクラスの手伝いに行くと良いわ」
「わかりました。本番、頑張りましょうね」
「ええ、とんでもないことやってやりましょ!」
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翌日、俺は久しぶり…というか初めて? クラスの執事喫茶に顔を出すことにした。
「新くん! こっちこっち!」
ユイが俺を引っ張る
「おいおい、どうしたんだ!」
「まだコス着てないの、新くんだけだよ!」
「いやいや、俺は参加できないんだ」
「だからだよ! さ、着替えて着替えて!」
あれよあれよとユイに服を脱がされ、執事の格好をさせられた。
「あらた、イベントの方は大丈夫なのか?」
昇はすでに着替えている、まんざらでもなさそうな顔しやがって
「まぁ、たぶんな。あとは本番を待つだけだ」
「そうか、田中の犬共は?」
「特に」
「ほら!」
ユイが俺と昇の腕を掴む。
「佐々木くん、写真撮って♪」
「うむ、いいだろう」
ユイが佐々木にスマホを渡す
「は、はい。いっせーの」
パシャ
「いっせーのはねぇだろ」昇が半笑いで突っ込む
「苦手なんだ!」
「ありがとうね~」
「ま、まぁ、やぶさかでないな」
ユイは佐々木を召使いのようにパパっと使った後、俺の方に来る
「新くんは文化祭期間中はずっとイベントの方でしょ?」
「たぶん」
「2日目のイベントは大丈夫なのか?」昇
「あぁ、とんでもないことやるから楽しみにしててくれ。絶対来た方が良い」
「何それ~♪ 楽しみだね!」
「あらたがこんな自信満々なの初めてみたぞ!」
「だから、こっちは頼んだ」
「お前に比べたらこんなんよゆーだぜ」
「がんばってね♪」
「おう。」
「小山君イベントがんばってね!」
「がんばれよ!」
「あ、ありがとう」
クラスメイトが激励してくれる。 見てろよ田中
そして文化祭本番が始まる。