16話
「大変ってどういうことだよ!」
「あの子は男キラーなんだよ!」
「男キラー?」
「男を食いまくってるってこと!」
「男を食うってそっちの意味だよな?」
「そうだよ! なんでイベント担当が急に居なくなったと思う?」
「まさか…」
「そういう事! 気を付けて!」
「そんなこと言われても、もう決まっちゃったんだけど!」
「これは…会議だね!」
~翌日の土曜日、この前集まった学校から一駅の喫茶店~
「おいおいおい、よりにもよって田中 里沙かよ!」昇が叫ぶ
「まぁ、そういう事なんだよ」
「あいつが何と呼ばれているか知らないだろ?」
「そりゃそうだ」
「”首から下女”」
「首から下女?」※俺、ユイ
「見ればわかるだろ? 顔はアレだが、体付きは良い、それで男を食いまくってるんだよ。やつもそれをステータスにしてるって話だ」
「前の学校にはいなかったな…」
「そこらじゅうにいられたらたまったもんじゃねぇよ…」
「でも、どうするの?」
「断るしかないだろう。デカけりゃいいってもんじゃないんだから」
「断って”はい、そうですか”って引いてくれたら良いんだけどな」
「僕もうまくいくとは思えないよ」
「でももう来週から仕事が始まるんだ。とりあえずなんとかやってみる」
「おう、やばくなったら言えよ」
「わかった」
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そして月曜日の放課後、俺は生徒会室に向かい会長から説明を受ける。文化祭二日間のスケジュールと、現在申請されているイベント参加の書類を持ってこられた。
「これが今申請している団体ね。内容を確認して、スケジュールと合わせて学園祭が盛り上がるように組んでって欲しいかな~」会長が軽快な口調で話す
「わ、わかりました」
「この部屋も色々と忙しいから、隣の準備室で作業お願いね!場所が無いからさー、何か私の確認が必要な所があれば遠慮なく持ってきて良いからね!」
「は、は~」
こっちは初めてなんだよー!と思いながら田中 里沙と隣の部屋に移動する。
「けっこうあるなー」用紙が2cmくらい厚くなっている
「じゃあ、手分けして中を見ていきましょ」田中が半分くらいを持ち上げて持っていく
「う、うん」
あれ、思ったより静かだ、警戒しすぎたのかな?
そんな事を思いながら申請用紙を確認していく。
ダンス、演劇、吹奏楽演奏、バンド演奏、お笑いライブ、日本舞踊、ほう…ライブペインティングもあるのか
まずは被っている種目が多いものから内容を見る。人数、規模を見て準備時間や片付ける時間も簡単に推測したりする。
ちらっと横を見ると田中が俺の3倍くらいのスピードで捌いている。
「すごっ…。どうやってるんだ?」
「え? テキトー」
「適当ってなんだよ、、みんな思い出を作りたいと思ってるんじゃないのか?」
「そうかもしんないけど、この量は絶対無理じゃん」
「じゃあ何を残すつもりなんだよ…」
「それは君が残したやつからでいいよ」
「おいおい…」
この女、やっぱ性格も相当やばいな…。
とりあえず俺だけでなんとかしないと