14話
「おーい、あらた~」
「あらた?」
「あらた!?」
「うわっ!」
「なにスマホ見ながらボーっとしてんだよ! エロ画像でも見てんのか~?」
「ち、ちげぇよ…」
エロ画像の方がましだ…。なんせ今俺のスマホの中には雛菊 鞠の連絡先が入ってるんだから!
「明日の模試が終わったら文化祭だぞー! 今年は何やろっかなー」
「執事喫茶が良いな~♪」
「それはお前の趣味だろ? ユイ」
「えー、だって新くんの執事コス見たいんだもーん」
「なんで俺なんだよ! えー、なんかありきたりなやつでいいんじゃないのか? お化け屋敷とか」
「飲食店の方が良くね? 余ったら食えるし!」
「お前はほんと食い意地が張ってるよな」
「文化祭の醍醐味だろ!」
「えー、とりあえずコスプレするのが文化祭の醍醐味なんじゃないの~」
「それも偏ってないか…?」
「やぁ、諸君」
「どうした佐々木?」
「今日は模試前の勉強会の日だろ? よろしく頼むよ」
「佐々木君は文化祭何やりたい?♪」
「え、ぼ、ぼくかい? そうだなー、プラネタリウムとかいいんじゃないかな? 宇宙の神秘に触れながら~あーだこーだ…」
「まぁ、結局多数決次第だな」
「だな~」
「まぁ、別にいいや♪ たぶん大丈夫だし!」ユイが意味深な発言をする。
そんな話をしながら勉強会、模試が過ぎていった。勉強会に四谷は来なかったし、模試もまぁまぁやれた。
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飛んで模試後の放課後、ホームルームにて
先生「じゃあ、今から文化祭でうちのクラスの出し物について話し合ってもらうぞ~。
あ、でもその前にだな、急遽文化祭実行委員の1人が転校してしまって、欠員が出ているそうだ。
誰かやってもいいぞって奴はいないか? ちなみにイベント担当だ」
ガヤガヤ
いきなりの問いかけに教室もざわつく
「突然言われてもなぁ、俺には家のことがあるし」昇が腕を後ろに組みながら言う
「じゃあ、俺やろうかな…」
「お、あらた行くのか!?」
「まぁ、文化祭の間だけだし」
「お前がやるんだったらおもしろくなりそうだな! かましてやれ!」
「なんでお前がテンション上がってんだよ。
あの~、俺やります!」
視線が俺の方に集まる
「おぉ、小山やってくれるか。じゃあそう報告しておくなー。ちなみにイベント担当は2人だ、このまま決まれば明日には顔合わせだ、追って連絡する。 よし、次はクラスの出し物だ。あとはクラス委員長の和田、頼んだぞ」
「はい」
先生から呼ばれたクラス委員長の和田 和也が前に出てきて話し始める。
出し物の案としては
・たこ焼き
・メイド喫茶
・執事喫茶
・プラネタリウム
・焼きとうもろこし
・お化け屋敷
・映像作品を作って上映
などなどたくさん出され、そして選ばれたのは執事喫茶だった。
なぜなら、和田 和也はユイのファンだったのだ!
奴がクラス委員長だった時点で、ユイは1人勝ちを悟っていたのか…。
俺が実行委員に立候補したのは、やっぱり何か残しておきたかったからだ。前の学校ではただのモブ生徒の1人だった。でも、この学校に来てから俺の中で何かが変わっている。
まだ数ヶ月しか経ってないけれど、仲間、環境に恵まれて楽しい事がたくさんできた。たった数ヶ月でだ。
このままなんとなくでこの学校生活を終わらせたくない、どうなるか分からないけどがんばってみよう。
決意を新たに俺はもう一人のイベント担当との邂逅を迎える。