豚と化したマシュー
#8
「もう5時だ。そろそろ帰ろうか。」
「そうね。」
街に行ったのは、2時ごろだったがもう3時間もたっていた。青く透き通った空も赤く染まり、夕日が美しく輝いていた。
〜帰宅後〜
「あいつ、帰ってこないわね。」
もう6時だと言うのに帰ってこない。
「何かあったのかなぁ?」
俺が行くか。
「俺、探しに行ってくる。」
「私も行くわよ。」
オリビアが少し怒りながら言った。
「じゃあ、私たちも、、、。」
「あんたたちは夜ご飯の準備しておいて。私たちで探しに行くから。」
〜捜索開始から20分後〜
「見つけた。まだ食ってやがる。」
激安と書かれたレストラン。予測通り奥の席に小太りのそれがいた。
「マシューくん。」
「おう。君は、、、。」
「ユリアスだ。」
「そうそう、ユリアスくんどうして君がここに?」
「それはね、こっちのセリフなんだよ。君が帰ってこないから心配して探しに来たんだ。君はと言うとこんなところで呑気に食事している。とりあえず帰ろうか。」
こいつ死んだな。あのオリビアの顔を見れば、死刑宣告されたも同然だ。
「オリビア、いたぞ!レストランで食事してやがった。」
オリビアの顔が鬼の形相えと変化した。
「君は、自分勝手すぎないか。ユリアスが好意であげたお金を何の遠慮もなく使い、挙げ句の果てにはチームを無視して食事とは。いい度胸じゃないか。一発殴らないと気が済まない。」
「ひぃー。」
腹にパンチをネジ噛まれたマシューは凄まじい音とともに地に伏せた。両手両足をつき、うぉえ、うぉえと鳴き声をあげ、ついに豚となったのである。
今後一切1人での外出が禁止となった。
「ただいま。」
「いたの?」
「マシューはエサを貪り食う豚と化していたよ。」
「あらあら。」
はははははは。
その後、夕食を済まし、みんな疲れていたのかすぐに眠りについた。初日から楽しい1日だった。
〜翌朝〜
「おはよう、ジョン。」
「おはよう、早いね。」
前世で朝ごはんは自分でつくっていたから、6時までには目が覚める。
「マシュー、起きろー。」
「んーーーん。」
一向に起きる気配がない。お腹やほっぺたを叩いても起きない。後回しにしよう。レディーたちを起こすか。
コンコン。失礼します。2人ともすやすや可愛らしい姿で寝ていた。ミアは胸元が見えている。まずいまずい。
「おはようございます。オリビア、ミア。起きてください。」
「もー朝?」
「うん、ご飯できてるから早く起きて。」
みんなぞろぞろ眠そうな顔して起きて来た。
1人を除いては。
「あれ?マシューは?」
「あいつ、起きないだよ。」
「待って、私が起こしてくる。」
嫌な予感が、、、。
「ぎゃーーー!」
だろうね。
「じゃあ、朝ごはんにしようか。」
「これから朝ごはんは俺がつくるから。」
「それは助かるー。私ら朝弱いし。」
みんな頷いた。
「「頂きまーす。」」
「すごく美味しいよ。」
「うま!」
「料理やってたの?」
「ちょっとね。」
お袋がなくなってから、2年間料理を作り続けてきたため腕は相当のものになった。兎に角、満足してもらえてよかった。
「行こうか。」
そうして俺たちはヒゲオヤジとの集合場所へと向かった。