トレーニング2
#4
正直舐めていた、これほどまでとは。父さんは俺とともにトレーニングをこなし常につきっきりだったのだ。サボれない。
「なにぼさっとしてる。始めるぞ」
「わかってるよ。」
現在12時50分、場所は町外れの草原。
「前にも話したが、組手は非常に重要になってくる。剣を持っていようといくつか隙ができることがある。そこを埋めるのが体術であり組み手だ。」
父さんはかなり強い。一度もヒットさせたことがない。ましてやトレーニングで息を上げているところを見たことがない。いつも平然としているのだ。バケモンか。
「がはっ。」
「もう終わりか。大したことないな。これじゃあハンターにはなれんぞ。」
「父さんが強すぎるんだよ。おらー。」
向かって行ったが腹にパンチをねじ込まれ、ダウンした。
「はぁはぁ、ゔぇ」
「ここまでだ。休憩しておけ。」
限界はとうの昔に超えていた。
「剣術の稽古を始めるぞ。」
俺が唯一まともにやれるのはこれだけだった。この時間だけは辛くなかった。剣術は好きだからだ。
「今日は父さんと一対一をしてもらう。ルールは先に相手の体に木刀を当てた方の勝ちだ。いいな?」
「うん。」
今まで、素振りしかやらしてもらえなかった、やっとか対人戦は。
「始め!」
「前々から思っていたが剣の筋はいいな。構えが様になっている。」
剣道をやっていたからな。
「まあね。いくよ。」
勢いよく斬りかかった。父さんは軽くそれを受け止めた。即座に距離をとる。
このとき、力負けしない程度の絶妙な力加減で斬りかかり、素早く距離をとる。そうすることで油断させ、隙をつくらせる。
「その程度か、ユリアス。」
計算どうり、突進してきた。
幾度となく敵を倒してきた俺の技で勝つ。
寸分も狂わず、ギリギリでかわし、背後を取る。勝った。そう思った。
「まずい!!!」
気づけば、天を仰いでいた。何が起こった?父さんの背後を取ったと思ったのだが、仰向けの状態で寝ている。
「痛っ!」
どうやら頭にたんこぶができているようだ。
「つい、本気を出してしまった。大人気なかった。すまない。」
それからというもの、父さんは一切油断しなくなった。そうして3年の月日が流れた。