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近づく影におびえる少女

 「何よ!あれはなんなのよ」


 女子高生の静香は焦っていた。部活が遅くなって真っ暗になってしまったのに、近道だからと言って暗い山道を帰宅していたことを後悔していた。


 さっきから変なものが付いている気配がしていたのだ。


 「はやく、ここを抜け出さないと!」


 とにかく静香は走っていた。しかしその気配に追いつかれてしまった! 静香はカバンを投げつけて撃退しようとしたけど無駄だった。そいつに静香の身体はまきつけられてしまった。


 「なによ、あんたは、人間じゃないよね?」


 得体の知れない物体に巻きつけられた静香は恐怖に支配されつつあった。


 「やめてよ、やめてよ。でもなんか気持ち良いわね・・・」


 そんな言葉を残したようであったが、その後はよく判らなかった。悲鳴を聞いて駆けつけた近所の住民がみたのは、静香のカバンと主を失った得体のしれない液体で汚れた制服だけだった。


 直前まで普通に歩いていた女子高生なのに悲鳴と共に消失したのだ、着ていたはずの制服を残して。 そのうえ持っていたスマホも財布も家の鍵も全てその場で発見された。しかも下着までも・・・要は静香の身体だけが消えてしまったのだ。


 科学的根拠もないのに、「某国のプラズマ兵器の犠牲になった」とか「新型の拉致工作」であるといった事を主張する者もいたほどだった。


 彼女が失踪してから現場周辺では不可解な現象が起きていた。畑の農作物が食い荒らされていたりしていた。そういった事なら畑泥棒ぐらいにしか思われなかったが、人が虐殺されるという恐ろしい事が起きてしまった。


 証言したのは外国人で意識が混濁していたのではっきりとしないことも多かったが、こういったものだったという。


 被害者は町でも悪評高い連中で「外国人排斥」などとヘイトスピーチのような事を言いながら襲ってきたという。もっとも、被害者は襲う相手は誰でもよかったのではないかとも言えるが。


 それはさておき、被害者五人は買い物に来ていた外国人労働者に因縁をつけ、殴る蹴るの暴行をくわえていた。そのとき、ひとりは気を失いもうひとりも気絶寸前だった。


 この時、五人は酒が入っていたようだが、体格も大きく強靭な体力を持て遊んで暴力行為を楽しんでいた。そのとき得体の知れぬ影がさーと五人にまとわり付いた。


 ノックアウト寸前の外国人が見たとき、五人の姿はなかった。否、あったがそれは人の形を無くしていた。バラバラになっていたのだ身体が!


 次の瞬間、血の海を目前にして襲われていた外国人のこの世のものとは思えない叫び声で、五人の悪行を見て見ぬふりをしていた近隣住民が駆けつけたが、同様に叫んでしまった。


 ほんの直前まで暴虐の限りをしていた五人をこの世から一瞬にして文字通り抹殺した光景を目の前にして呆然としてしまった。このとき、わずかに得られた証言は。得体の知れぬ影が一瞬かかったと思ったら何もかもが血の池に沈んでいったんだということだった。



 彼女はどうなったのか? その謎は解けなかったが、彼女の失踪後付近では謎の影の目撃証言が頻発するようになった。そかしその正体をはっきりと見たものはいなかった。


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