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ウオーター  作者: 竹仲法順
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第9話

     9

 一日の仕事が終わると、パソコンを閉じて、バスルームでシャワーを浴びる。疲れていたのだが、ゆっくりし始めた。汗や脂を洗い流し、髪や体を綺麗にする。まあ、いろいろ考えることがあって大変だ。葛藤の類もある。だが、それにも慣れていった。

 夜間はひたすら眠る。午後十一時まで起きていても、それから先の時間帯は寝ていた。蒸し暑い夜が続く。エアコンを付け、部屋を冷やしてから、ベッドに潜り込んだ。昼間はずっとパソコンに向かう生活だ。まあ、IT化の時代だと、何でもネットで出来てしまうから、便利なのだが……。

 稀に自転車に乗って買い物などに行く。何か食べたいものを買いに行くことがあった。昔は眠れない夜にコンビニなどに行き、缶ビールなどを買って飲むことがあったのだが、今はもうそんなことはしない。今と昔じゃ全く違う。そう言えば、深夜番組なども見なくなった。振り返れば、あれは若者の特権だ。今となると、午前零時とか一時は寝ている時間である。

 朝は普通に起き出し、支度をしてから、パソコンを立ち上げた。作業が続く。コーヒーは胃を痛めることがあるので、飲み過ぎないようにしていた。今の季節だとアイスで淹れるのだが、一日に三杯ぐらいまでに止めておく。

 データ入力の作業は進む。ストレスは溜まるのだが、対処の仕方はある。考えることは山ほどあるのだし、合間に時間を取って休むこともあった。その繰り返しが結局人生だと思う。だから、むやみやたらにいろんな場所に電話したりなどしない。そんなことを考えながら、日々送っていた。いろんな悩みや苦しみもいずれ時が解決する。そう思えば、気が楽だ。確かに人生の苦は多いのだけれど……。

 昼になり、そうめんを茹でて昼食を取る。その後、また仕事を続けた。単調な毎日だ。部屋にはクラシック音楽を掛けていて、静かである。外の騒音もあるのだが、室内にいれば余計な音は聞こえてこない。そして思い出す。水道から出てきた、あの赤黒い血のことを。(以下次号)


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