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ウオーター  作者: 竹仲法順
78/83

第78話

     78

 午後からも落ち着かないまま、仕事した。キーを叩き、データを打ち込みながら、時折休憩を入れる。思う。夏の終わりにとんでもないもの見たなと。

 その日も夕方になり、午後五時には作っていたデータを保存してパソコンを閉じた。そして夕食を作り、取りながらゆっくりする。一日が終わると、一安心した。だが、水道に対する恐怖感は途切れない。また、洗面所であの赤黒い血の水が出るのかと。入浴時は普通の水が出たのだが、怯える気持ちは変わらなかった。

 一晩蒸し暑い夜を送り、また朝になる。昨夜は覚醒が一回程度で、大したことはなかった。洗面所に行き、恐る恐る蛇口を捻って水を出すと、普通の水が出てくる。顔を洗いながら、思った。昨日のトラブルは、そう気にすることでもなかったんだなと。

 洗面を済ませ、コーヒーとヨーグルトで朝食を取ってパソコンを立ち上げる。キーを叩き、データを作っていった。明日は日曜で仕事が休みだから、今日までしっかりやっておく。疲れていたのだが、背筋を伸ばし、マシーンに向かった。

 昼まで作業し、昼食後も通常通り仕事に打ち込む。いろいろあっても、淡々とこなす。人間だから、考えることは山ほどある。そう思うと、心の中の絶えない葛藤や心労も落ち着いてくるのだ。

 だが、さすがに恐怖心理の類はある。人間は感覚の動物だ。何も考えないことはない。日頃からいろいろ思うことがある。日常生活の中で起こることは全てが必然だ。無駄なことなど、何一つとしてなく。(以下次号)

 


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