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ウオーター  作者: 竹仲法順
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第77話

     77

 昼食後も軽く休憩した後、夕方まで仕事を続け、午後五時には一日の業務を終えた。作ったデータを保存し、パソコンを閉じる。そしてキッチンで夕食を作り、取ってから、バスルームで汗を流した。疲れていたのだが、入浴が済めば一段落だ。読みかけの本を開き、読み始める。就寝時間まで。

 夏も終わりが近いと思えた。朝晩だいぶ涼しい。夜間、眠りが浅いのが気になるのだが、特に日常に支障は来たさない。日々淡々と過ごしていく。秋も間近だ。仕事の合間にネットを見ることがあったのだが、洋服なども秋冬物の商品が出てきている。季節の変わり目だ。

 一晩眠った。明け方覚醒する。起きてトイレに行き、用を足してから、ベッドに潜り込んだ。やはり不眠症の治療は必要だろう。疲労やストレスが溜まっていた。慢性的に、である。前に進むことしか考えてなくて、きついのだが……。

 朝、午前七時に起き出し、だるい体を引き摺って洗面所へ行く。蛇口を捻り、水を出して顔を洗う。冷たい水が顔に撥ねた。ベトッとした感触があり、一瞬の後、目を開けると、手に血が付いている。

「ワッ!」

 のけ反り、水道を直視すると、赤黒い血が出てきていた。こうなることも予測出来ていたのだが、血の水は徐々に溜まっていく。一度停め、また出すと、水は無色透明だった。やはり訳の分からない都市伝説的恐怖が、未だに震撼と俺を襲う。

 溢れ返った血をタオルで拭き取り、タオルごとゴミ箱に放り込む。そして軽く息をついた。また水で歯を磨く。キッチンで朝食を済ませ、パソコンを立ち上げてから、仕事を始めた。何かしら落ち着かない。まあ、考えても意味のないことなのだが……。

 キーを叩き、データを打ち込んでいく。仕事内容は変わらない。いつもと同じだ。だが、気持ちはダウンする。恐怖と戦慄が心を襲ってくる。努めて気を静めた。静めようとすればするほど、焦りは出てくるのだが……。

 昼になり、キッチンで昼食を作って取る。一際疲れていた。食事しながらも、尋常じゃいられない。またあの血の水を見たことが……。(以下次号)


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