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ウオーター  作者: 竹仲法順
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第7話

     7

 寝苦しい夜が明けると、また一日が始まる。午前七時に起き出して、まず洗面していた。だるいのだが、そう言ってられないぐらい仕事はある。この部屋は一応マンションなのだが、室内が幾分黴臭くなっていて、衛生面で気を遣う。

 蛇口を捻ると、普通の水が出る。洗顔フォームのチューブを捻って適量手に取った。塗ってから顔を丹念に洗う。水分をタオルで拭き取り、タオル掛けに掛けた。そして髭を剃る。洗面を済ませてから、キッチンへ行き、コーヒーを一杯淹れた。飲みながら、ヨーグルトを食べる。

 朝食後、歯を磨き、リビングのデスクでパソコンを立ち上げた。ネットに繋ぎ、メールをチェックしてから、必要な分には返信する。そしてニュースなどを一通り見てから、仕事を始めた。ゆっくりする間はない。朝からハイスピードでキーを叩き、データを作っていく。パソコンには慣れていた。長年使っているからだ。機械は慣れが大事である。大抵使っていればやり方を覚える。家で全部の仕事を受発注するから、ネットは使いこなせていた。あくまで自分なりに、だが……。

 それにしても、あの赤黒い血のようなものは一体何だったのか?未だに頭をよぎる。気に掛けていた。作業しながらも、だ。まあ、おそらく偶然そういったものが水道管の中に詰まっていて、出てきたのだろう。気にすることもないとは思うものの、実に後味が悪い。

 昼になり、そうめんを茹でる。昼食はなるだけ多く取っていた。朝食べない分、昼夜の量を増やすのだ。活動している時間帯は、カロリーを多く消費する。ましてや梅雨に入っていても、六月は蒸し暑い。暑い時食べる量が減ると、体調にも影響が出る。

 茹でて冷やした麺を食べながら、一息つく。午前中は三時間半ほど作業したが、成果はそれなりに上がっている。毎日メールでデータ作成の仕事をもらう。報酬は安かったが、今のこの部屋に住めて、金銭面での余裕もあった。これはこれで俺の人生だ。そう思い、日々過ごしていた。ほとんどの時間を独りの場所で……。(以下次号)
















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