第67話
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読書しながら、寛ぐ。午後五時を回る頃に、キッチンで夕食を作った。食べながら、一日が終わっていくのを感じる。休日はどうしてもだるい。まだ休みはあるのだが、忙しい日常に戻った方が返ってよかった。まあ、普段味わえないぐらい、たくさんの活字を追っているのだけれど……。
入浴し、汗を流した後、また本を開いて読み進める。午後十一時になり、安定剤を一錠飲んでベッドに潜り込んだ。眠る。朝までに何度か目が覚め、トイレで用を足して二度寝した。夏の夜は長時間眠れない。どうしても、暑さで中途覚醒してしまう。
翌朝、午前七時に起き出して、洗面所へと歩いていく。蛇口を捻って、水を出した。無色透明の普通の水が出る。洗顔して歯を磨き、髭を剃って、髪を軽く整える。そしてキッチンへと入っていった。コーヒーとヨーグルトで朝食を済ませ、リビングでパソコンを立ち上げる。ネットに繋ぎ、ニュースを読んだ。午前九時前にはマシーンをシャットダウンし、読書し始める。
目で字を追う。実に素朴な行為なのだけれど、これが好きだった。いつもはなかなか読書に手が回らないのだが、休日だと大丈夫だ。仕事の予定は入ってないのだし……。
ゆっくりし続けた。幾分休み疲れしていたのだが、昼食を挟んで、午後からも本を読む。何もないまま、一日が終わればいいと思っていて……。本棚にはたくさんの未読本があり、端末には電子書籍もある。いくらでも読むものがあった。困ることなく……。(以下次号)




