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ウオーター  作者: 竹仲法順
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第6話

     6

 その日もずっと独りの部屋で過ごした。仕事は一応休みだから、ゆっくりする。夕食を自炊して取ってから入浴し、冷たいシャワーで汗や脂を洗い落とす。蒸し暑い。夜は寝苦しく、エアコンを付けて、タイマーを一時間セットしてから、眠った。

 一夜明けると、朝方、室内に置いているゴミ箱から燃えるゴミの袋にゴミを移して、外に出しに行く。収集車が回ってきて、持っていってくれるのだ。軽く息をつき、コーヒーを一杯淹れて飲んで、その後、ヨーグルトを食べた。洗顔し、髪を整えてから髭を剃り、支度を済ませる。

 在宅で仕事をこなすから、ほとんど人と会わないのだが、メールで受発注が来る。疲れていたのだが、ずっとパソコンのキーを叩き続けた。合間にコーヒーを淹れる。飲みながら、眠気を振り払った。

 頭の中にはいろんなことが思い浮かぶ。夏場は暑い分、恐怖譚やホラーなどが流行る。いろんな怖い話を知っているのだが、どれも人間社会での作り物だ。妄想の産物だと思っている。だから、別にそう気にしてなかった。いろんな物事なり噂なりに尾ひれが付いて、絶えず行き交うのがシャバというものである。

 キーを叩き、データを作っていく。在宅ワークは自由な時間配分が出来る分、逆に難しい。思う。きっといろんな人間がいて、回しているのだろうと。長年この仕事をしているのだし、今更何かが変わるわけじゃない。そう思い、目の前の仕事を淡々とこなしていく。

 蒸し暑さが続く。昼間汗が迸り出て、肌がベタ付く。そんな時はデオドラントを振るのだ。爽やかな制汗剤が汗を押さえてくれる。

 合間に食事を取り、仮眠することもあった。この季節は体調を壊しやすいから、あくまで気を付ける。若くないのだし、体が健康なことが唯一の取柄だ。日常が退屈でも絶えず仕事は回ってくる。夜間は睡眠に充てていて、八時間ぐらい眠っていた。暇はない。日中はずっと仕事だ。疲労が溜まる。合間に休息する時間もきちんと確保しているのだが……。(以下次号)


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