第25話
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一日の仕事が終わり、作ったデータを保存してパソコンを閉じた。そして食事を作る。料理と言っても簡単なものだ。慣れていて、抵抗はない。すぐに出来上がり、皿に盛り付けて食べながら寛ぐ。入浴して髪や体を洗い、冷たいシャワーで洗い流した。ミネラルウオーターで水分補給した後、リビングのテーブルで本を開いて読む。
午後十一時にはベッドに潜り込み、眠った。寝苦しかったが、しばらくすると寝付く。夜間に何度か目が覚めることもあった。また眠り直し、最終的には午前七時に目が覚めて起き出す。
起きてから、洗面所へと歩いていく。水道の蛇口を捻り、水を出して顔を洗った。眠気はない。八時間の睡眠で十分だ。今日は仕事が休みなので、ゆっくりする。コーヒーとヨーグルトで朝食を済ませてパソコンを立ち上げ、開いてからネットニュースを見始めた。
確かに疲労は溜まっている。だが、日曜は基本的にゆっくりする時間だ。ニュースを読みながら、普段チェックできない社会情勢をチェックする。
時折トイレに立つ。部屋の中はBGMのクラシック音楽だけが響いていて静かだった。ゆっくりし続ける。普段この時間は仕事に回すのだが、休日は自分のために充てていた。
コーヒーを淹れて飲み、午前九時前までニュースを読んだ後、読みかけの本を開いて読み進める。活字には全く抵抗がない。むしろ映像などより、字の方に馴染んでいた。いつも文字や数字ばかり相手にしているから、自ずとそうなるのだ。
休みの時が過ぎていく。まあ、別にこれと言ってやることもなく、部屋にいるだけで、外出などはほとんどしない。
午前十一時前に玄関口をノックする音が聞こえて、誰かと思い、開けると、瑞子が立っていた。
「こんにちは」
「ああ、こんにちは。……どうしたの?」
「お昼ご飯買ってきたから、一緒に食べようって思って」
彼女がそう言い、いきなり部屋に入ってくる。そして買っていた二人分の弁当を取り出し、キッチンでアイスコーヒーを二杯淹れた。
「佐村君も座って」
その場に立ち尽くす俺を促し、テーブルで食事を取る準備をする。どうして瑞子が着たのか分からなかったが、別に俺の方もとがめだてすることはない。テーブルに座り、食事を取り始めた。食事時なので、空腹は覚えていたのである。弁当は唐揚げなどが入っていて、スタミナが付きそうな代物だった。
食事後、彼女が傍にいて共に過ごす。何かしら違和感があったが、この際構わない。そう思い、寄り添い合う。瑞子の体からは濃いデオドラントの香りが漂ってきた。いつの間にか、ベッドの中で裸体同士をぶつけ合い、快を感じる。ゆっくりと……。(以下次号)