表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウオーター  作者: 竹仲法順
22/83

第22話

     22

 やると決めていた分の仕事が終わってから、データを保存し、パソコンを閉じてゆっくりする。疲れはあった。夜は出来る限り休む。読書などをしながら、心を落ち着けていた。毎日午後十一時には眠る。そして朝は午前七時に目が覚めていた。

 木曜の朝も起きてから、洗面所で水を使って顔を洗う。目覚めた直後はだるかったのだが、一度起きれば、後は案外すんなりいく。タオルで顔を拭き、キッチンに入ってコーヒーを一杯淹れた。飲みながら、ヨーグルトを口にする。乳製品特有の酸味が舌に残った。食後歯を磨き、パソコンを立ち上げて、キーを叩き出す。

 一日が始まると、そのまま快調に飛ばしていく。データを打ち込んでいった。在宅でやれるからいい。昔から何かと対人関係が苦手で、人中に溶け込むのが難しかった。だから、今やってることがベストだ。それ以上はない。

 確かに実社会での生存競争は厳しい。大学まで同級だった人間も、だいぶ転職などを繰り返している。それは個人のSNSなどを通じて知っていた。俺もツイッターをやるので分かる。

 案外、今の仕事の方がいい。そう思い、やっていた。特定の場所で勤めれば、拘束がきついのだし……。報酬も、今の生活を維持するぐらいなら十分だった。合間に休憩などを上手に入れながらやる。日中はずっと。

 昼になり、そうめんを切らしていたので、代わりにラーメンの麺を茹でて、冷やしたスープに浮かべて食べた。イケるのだ。冷やしラーメンも独り暮らしを始めてから考え付いた料理である。

 午後からも仕事する。キーを叩き、データを作っていく。単調なのだが、徐々に作業効率を上げていった。トイレに立てば、必ず水分補給する。

 時間が流れていく。途切れることなくずっと。そして部屋の水道にある怪異も、いつしか俺の頭から離れていった。記憶の彼方へと飛ぶように。(以下次号)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ