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ウオーター  作者: 竹仲法順
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第2話

     2

 翌朝、午前七時に目が覚めた。枕元のアラームが鳴る前に、である。起き出し、バスルームの横にある洗面所へと向かった。蛇口を捻ると、冷たい水が出てきた。洗顔フォームを使い、掌で泡立てて塗ってから顔を洗った後、充電済みの電動髭剃り機で髭を剃る。だるい。

 水を停めると、排水溝に赤黒いものが付いている。何だ?手で触ると、どろっとした感じだった。慌てて水で洗い流そうと、蛇口をもう一度捻ると、赤黒いものが続けて出てきた。

「わっ!」

 のけ反る。恐る恐る洗面台を見ると、水は元の無色透明だ。そして出っ放しになっている。停めてから、軽く息をついた。何かホラー映画の冒頭シーンでも見ているような……。赤黒いもの?血?じゃないだろう。そう思い、見なかったことにして、キッチンへと向かった。

 コーヒーを淹れるため、水を出すと、普通のものが出てくる。安心し、コーヒーを一杯作って、トーストを焼き、簡単な朝食を取った。

 食事後、歯を磨き、髪をスタイリング剤でセットしてから、パソコンを起動させる。立ち上げてからキーを叩き始めた。洗面所の蛇口からは、ポタポタと水が落ちてくるのが聞こえる。最初気にはなったが、しばらくBGMの方に耳を研ぎ澄ませていると、それも聞こえなくなった。

 扇風機を稼働させ、暑さを何とか凌ぐ。エアコンを付けることもあるが、電気代の節約は常に心がけていた。入ってくるお金が少ないと、自然とそうなるのだ。普通に在宅ワーカーは皆そんな感じである。

 昼食を取った後、近くの公園に散歩に出かけ、帰宅してから、また仕事した。作成したデータ類は期日までにきちんと納品する。サラリーマンをやる勇気は全くない。社会性などかけらもない身なのだから……。(以下次号)






























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