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ウオーター  作者: 竹仲法順
19/83

第19話

     19

 その日も仕事を終えてから、夕食を作って取る。そしてシャワーを浴びた。Tシャツの下は汗だくだったが、洗い流し、疲れを取ってから、ゆっくりし始める。明日は仕事が休みなので、丸一日読書でもしようと思っていた。さすがに普段はずっとパソコンに向かっていて、何かと忙しい。休日は寛ぐ。

 午後十一時にはベッドに潜り込み、目を閉じた。だが、なかなか寝付けない。仕方ないので、夜食に野菜スープを作り、食べてからまたベッドに入った。すぐに眠りに落ちる。夜間は睡眠だ。夏は寝付きが悪くなるので、いずれ不眠症の治療もしようと思っていた。頓用の睡眠導入剤など、一般の内科でも出せる時代だ。

 翌朝午前七時過ぎには目が覚め、起きてから、洗面所へと歩き出す。蛇口を捻り、水を出した。通常の水が出たので安心し、洗顔フォームを使って顔を洗う。歯を磨き、口の中を濯いでから、キッチンへ行く。コーヒーを一杯淹れ、ヨーグルトで朝食を取った。朝はだるい。コーヒーはエスプレッソだった。濃くしないと、眠気が差す。

 一日の支度をし、リビングの椅子に座って本を手に取る。そしてページを開き、読み始めた。ネットで本を買うのだし、名作の類はほとんど読み尽くしている。基本的に活字が好きだった。本来なら文学や創作などで身を立てたかったが、そこまでの才能はない。だから、せめてやれるのはデータ入力の仕事程度で、文芸の方は趣味にしておいた。

 午前中本を読み、昼になって昼食を作る。そうめんを啜ってから、また本に向かう。瑞子からはメールが着ていた。まあ、彼女もよく分からない人間だ。いくら大学の同じゼミの仲間でも、卒業してかなり経っているのだし、今更友達ということもないだろうに。俺とあの日性交したこともいずれ忘れるだろう。単にメル友ぐらいで十分だった。俺の方は瑞子とその気など全くないのだし……。

 暑さを部屋の中では冷房で凌ぐ。暑気で何かと体調が悪化しそうな毎日が続く。ここ数日間ずっと。(以下次号)


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