第17話
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その日も午後五時には仕事を終えて、作ったデータを保存し、パソコンを閉じた。そして先に夕食を取り、シャワーを浴びてから、ゆっくりし始める。毎日蒸し暑く、疲れが溜まっていた。夜間は本を読んだ後、しっかり睡眠を取る。午後十一時過ぎには眠りに就いていた。
また翌日も午前七時には起き、洗面所で歯を磨いて洗顔し、髪を整える。コーヒーを一杯淹れて飲み、ヨーグルトを食べてから、仕事を始めた。パソコンを立ち上げて、キーを叩き出す。相変わらず体は重たいのだが、休むわけにもいかない。苦労は多かった。何せ、データ入力の仕事もかなりの労力を伴うのだし……。
ただ、会社で仕事をするわけじゃないので、まだいい。人中に入ることは、俺にとって厳しい。いろんな制約があって、疲れきってしまうからだ。在宅の仕事のメリットは、煩瑣な人間関係を経ないことにある。
昼過ぎになると、自ずと空腹を覚えた。胃の中にはコーヒーとヨーグルトしか入ってないからだ。そうめんはまだ買い置きがあった。茹でてから、冷やして笊に上げ、取る。そして食事後、歯を磨き、また仕事を始めた。
ゆっくりする間もなく、作業が続く。だが、思う。これはこれで充実していると。キーを叩き、データを作っていく。腱鞘炎で手や腕が痛い。湿布を貼るか、エアーサロンパスを振るかで、特に治療してない。職業病だ。慣れてくれば、苦痛も感じなくなる。そう思い、あえて放置しておいた。病院に行くだけの時間とお金もないので……。
だが、俺自身、生活は規則正しかった。きちんと時間通りにやることをやる。それが続いていた。まあ、いろいろときついことも抱え込んではいるのだが……。(以下次号)