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ウオーター  作者: 竹仲法順
14/83

第14話

     14

 その日も午後五時に一日の仕事を終えると、ゆっくりし始めた。疲れていたので、夕食を取って、シャワーを浴びてから、汗を流す。部屋の中は静かだった。自分以外に誰もいないから、当然だ。入浴後、ミネラルウオーターを飲んで水分補給する。

 夜眠る時も蒸し暑く、寝苦しい。エアコンを付けて、室内を冷やしながら、ベッドに潜り込む。午後十一時にベッドに入ったのだが、なかなか寝付けない。考え事をしていると、やっと午前零時前に眠りに落ちた。

 翌朝、午前七時に起き出す。洗面所で洗顔して歯を磨き、朝食を取った。朝はだるかったが、コーヒーを飲んで目を覚まし、仕事するための手順を整える。

 パソコンを立ち上げて、キーを叩き始めた。別に変わったことなく、いつも通りにやる。データ入力しながらも、考えることはあった。瑞子のことも腑に落ちない面がある。

 だが、いろいろあって人間だ。苦労した過去があるから、今こうやって自宅で仕事が出来る。昔は不本意だったから、不満が多かった。特に家族とのことだ。思い出したくもないことがあってこそ、今という時がある。そう思うと、少しは気が楽になった。いろいろあって一筋縄じゃいかなかったのだ。

 昼になって昼食を取り、コーヒーを飲んだ後、しばらく休憩して、またパソコンに向かう。キーを叩き、データを打ち込んでいく。オヤジが最低の人間だと思う理由は、極度のアル中の症状もあったのだが、他人様の不幸をまるで美談のように語っていたことが多かったからである。人の不幸はと言うが、そういった人間はいくら金儲けしようが、社会的ステイタスとやらが高かろうが、最低最悪なのである。もうあの人間とのことは懲りた。会いたくもないし、話など到底したくもない。勝手に堕ちろということである。関係ない。親子の縁などとうに切れたのである。

 午後三時過ぎまで作業し、その後、またコーヒーを一杯淹れた。部屋の外も中も暑く、体はきつい。軽い休憩後、またパソコンを相手する。キーを叩く。腱鞘炎は悪化していたのだが、鎮痛剤などで凌いだ。職業病だから仕方ない。手は一番使う部位なのだし……。(以下次号)


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