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ウオーター  作者: 竹仲法順
13/83

第13話

     13

 日曜の夜は午後十一時まで本を読み、過ごした。そして翌朝午前七時に起き出し、洗面所で洗面する。蛇口を捻ると、通常の水が出た。もう水道から赤黒いものが出ることはないだろう。思う。平常に戻ったなと。

 考えてみれば、水道の水に何か異物が混じって出てくるなどオカルトっぽい話で、別に気に掛けることもない。洗顔フォームで顔を洗い、歯を磨く。そしてコーヒーとヨーグルトで朝食を済ませ、リビングのパソコンを立ち上げた。キーを叩き、データを入力していく。疲れていたが、怠けられない。発注元は待ってくれないのだ。俺のような在宅ワーカーの仕事を。

 キーを叩き続けながらも、疲れを感じ取っていた。確かに夏の暑さは体力を奪う。もちろん、暇はない。合間にコーヒーを飲みながら、休憩を入れることもあるのだが、基本は仕事だ。ずっとやっているので、慣れてはいるのだけれど……。

 それにしても、瑞子はなぜ急に会いに来たのだろう?不思議だった。単に大学時代に同じゼミに在籍していて、それこそ十数年ぶりに顔を見せてきたのだ。別にそう仲がよかったわけじゃないのだが、会ったついでに性交までしてしまった。引っかかる。彼女が俺のマンションに来た理由が何か、が……。

 メールが着たら返信でもしようかなぐらいに思っていて、特に気に掛け続けることもなかった。昔の友達などと言っても希薄なのだ。瑞子は美人なのだが、これから付き合って上手く行くかどうかは分からない。だから、あえて意識の奥底へ仕舞い込んでおく。

 昼食を作る際も水道は正常だった。安心して水を使う。そうめんを茹でて、冷やしてから食べた。夏場は食欲が落ちるのだが、さすがに朝がコーヒーとヨーグルトだけだと、昼間はたくさん食べざるを得ない。何せ持たないのだ。夕食まで。そして食後もまたパソコンに向かう。単調な感じで仕事が続く。もちろん、疲労は溜まる一方だ。

 午後三時前にいったん作っていたデータを保存し、マシーンを離れて、ベッドで休憩を取った。さすがに仕事はきつい。休息も必要だ。適宜に。(以下次号)


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