表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウオーター  作者: 竹仲法順
1/83

第1話

     1

 六月上旬で毎日蒸し暑い。街にある独り暮らしのマンションで、昼間ネットを使って、在宅で出来る仕事をしていた。さすがに外に出る機会はそれほどない。だが、昔から何かと対人関係が苦手だ。人前に出るのは好きじゃない。自分のペースですることが一番いいと思っていた。

 パソコンに向かい、キーを叩く。入力する文字や数字などは間違えないようにしていた。不意にコーヒーを飲みたくなり、椅子から立ち上がって、キッチンへと行く。薬缶に少しだけぬるま湯を作るため、水道を捻る。蛇口から水を注いだ。

 ガス台に掛けて沸かし、カップにインスタントコーヒーの粉末を入れ、上から温めのお湯を少しだけ注ぎ入れる。そして残りを冷たい水で割った。飲むと、適度に苦い。いつもブラックで淹れて飲んでいる。その時もそうだった。

 カップ一杯飲み干し、水道を捻って洗ってから、食器乾燥機に入れる。そしてまた部屋へと戻った。独り暮らしの部屋は静かだ。余計な物音はしない。掛けているクラシック音楽だけが辺りに響く。椅子に座り、背凭れに凭れた後、またパソコンの画面に目を落とす。

 三十代も後半で、学校時代の友人たちはほとんど家庭を持っている。だが、幸せかどうかは分からない。返って気が重いだろう。妻子を持つと、何かと家庭内でも忙しくなるのだし……。俺自身、別に独身でも全く気にしてなかった。スマホのアドレス帳にも使わない番号やアドレスが増える。二年ぐらい使ってないものは順次削除していた。

 夕食を自炊して取り、一通り作業し終えてから、午後十一時過ぎにはベッドに潜り込む。相変わらず静かだ。BGMの音しかしない。眠る前にテレビを見てしまう癖が、良質な睡眠を妨げていた。まあ、治らない悪い癖なのだが……。(以下次号)



































評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ