第5話:エキセントリック幼女降臨!
休みの日だからって午前中書いてたら一日で仕上がっちゃいました。
…………携帯小説的な文章って、書きやすい……。
『え〜……諸君には〜……最低限の慎みと〜……礼儀を持って〜……』
どうも、文一です。僕たちは現在、体育館で入学式をやっています。
つか中等部からの繰り上がりだから大して感慨もないんだけどね。
『え〜……だからして〜……我ら教師も〜……』
さっきから壇上で話しているのは教頭だ、なんかいかにも教頭って感じでハゲの横もっさりヘアー。
教頭が話してるって事は校長に何かあったのかな? 僕は知らないなぁ〜あはははは〜。
「なぁなぁふみたん! 今年から共学ってどういうことだろうな?」
「せっかく人が封じ込めた記憶を掘り起こそうとするな」
隣に居る一聖が話しかけてくる(現在、クラス分けが曖昧なので体育館の列順は混沌としていたりする)。
「やっぱり同じ番号の組が合併すんのかな? まぁ、うちの学校は少人数学級だからこれで人数が丁度よくなるわけか」
「楽しそうだな、イッセ」
「そりゃおめぇ、仕事があるから仕方なく選んだ男子校……花が無いと覚悟していたらこんな嬉しいサプライズだぜ!?」
ちなみに一聖はうちのお屋敷の庭師をやっていたりする、バイトだが。
「喜んでる所悪いんだが……北川妹と一緒になる可能性もあるんだぞ?」
「あ゛」
やっちまった!って顔してる。
「ああぁぁ……聖が居たら好き勝手できねぇじゃねぇか……アイツ……ああぁぁ……」
「まぁ、まだ一緒になると決まったわけじゃないんだけどな」
頭を抱えて膝を折ってなんか敗者の姿勢な一聖。
『え〜……はい、これで挨拶を〜……終わらせて、いただきます』
そして教頭の話はやっと終わった。
***
そしてクラス分けが発表され、分け方は一聖の予測どおり、同じ番号の組の合併だった。
「…………ひじり……」
女子が男子棟に集まっている、女子棟はどうなるのかと思わないわけではないがそれはそれで僕のあずかり知らぬ事だ。
「あら、一聖と同じクラス?」
だからまぁ、僕は僕で廊下側の前のほうの席に鎮座している。
「ああぁぁぁ……マジで聖と一緒かよ……。ふみたんが不吉な事言うから……」
そこで僕はゆったりと居眠りを……
「その言い草はひどいです。……あ、服がズボンから出てる」
「だああぁぁ! ウゼェなもぉ! 出してんだよ! あぁ触んな触れんな自分で直すからああぁぁぁ!」
寝れるかっちゅーねん。
「おい……他所でやってくれ北川兄妹」
「ごめんなさい……一聖がだらしない格好してるからつい……」
「あぁもう別に直さなくても良いって言っただろうが! 勝手に触るな!」
ちなみにこの二人、双子だったりする。
二卵性だから顔はそこまで似ているわけではないし、どこをどう間違えたらこんな細かい性格とこんな大雑把な性格が一緒に出てくるんだ、とか思う。
「あ、一聖……襟が曲がってる……」
「だぁもう! お前はふみたんにでも世話やいときゃいいんだよ!」
「ふみくんはしっかりしてるから大丈夫です」
僕のあだ名は女子の方で派生しているらしい。
てかどうして一聖は僕のほうに回そうとしたんだ?
「……お前らなぁ、ドアのそばで暴れられたら迷惑なんだが……」
あ、この声は……
「お嬢様も同じクラスですか。よろしくお願いします」
「あぁ、そうだな。……しかし、結構と知り合いばかり集まったなぁ」
「でもでも! 煉斗君が居ない!」
あ、桜樹も居た。ちょっと小さめだから北川妹が近くに居ると目立たないなぁ。
「ねぇふみくん! 煉斗君はどこのクラス!?」
「てかふみくん結構定着してるのか……煉斗は同じクラスだよ、多分サボりだけど」
煉斗と桜樹と付き合ってたりする、仲間内で唯一のカップルだ。
桜樹は……まぁあんな趣味だが、本人曰く「三次元はBLもNLもOK!」だそうだ、というかフリガナ無いと一般の方は理解できないセリフだな。
「そっかぁ……良かったぁ……煉斗君だけ違うクラスだったらどうしようかと……」
桜樹がふぅ、と息を吐く。
まぁこんな感じに騒いでいると、チャイムが鳴り出した。
全員着席し、教師の登場を待つ姿勢だ。みんな礼儀良いな。
ガラガラ、とドアが開く。
「誰か」が入ってくる。
ガラガラ、とドアを閉める。
全員、絶句する。
これは…………中学生の頃から先輩の噂で聞いていたが……この先生は……。
安全上の理由からジェットコースターのご利用をお断りされた神話を持つ御歳25歳、しかし本よりもさらに小さいその体躯。
安全上の理由から銭湯へのご入場をお断りされた逸話を持つ顔面半分を覆う黒い刺青。
ギラギラと威嚇するように光る目はヤクザのようだが、
「おい、てめぇら」
と今発せられた声は小学生低学年的not声変わりヴォイス。
アニメとかでヤクザな先生や子供な先生はもう飽き飽きというほど居る。
だが、二つが入り混じった教師とは如何なものだろうか……!
「今から出欠とるで。居る奴はちゃんと返事せぇや」
しかも関西弁だ……!
これ……えぇ……何これ……噂には聞いてたけど……実在するとは……。
「……えぇと、これで全員やな。ったく、煉斗は休みかい」
しかも煉斗と個人的な付き合いがあるっぽい……。
「しゃあ! じゃあ今から自己紹介していけやぁ! あ、とりあえず私からやな」
快活に笑い、教卓の前に出て(後ろに居ると首だけしか見えないからだと思う)胸を張る見た目幼女。
「姓は神無月! 名は朔! 好きな食い物は酒! 嫌いなんは魚! 好みのタイプは金持ってて顔が良い奴! 一年間ヨロシクやガキ共!」
かくして、神無月 朔先生は一年一組に降臨した。
「ってちょっと待ったああああアァァァァァァ!」
あ、もう一つ幼女的ヴォイスが廊下から聞こえた。
「ん? あぁ、忘れとったわ。すまんすまん。……えぇと、まだ一回も授業やってないうちから言うんもおかしなもんやけど、転校生や」
あ、そうかそうか。本が居るんだった。
とてとて、と制服に身を包んだ魔道書が歩いてくる。
ていうか神無月先生と本が揃うと「ここって本当に高校か?」って気分になるな。
「どうも皆さん! よろしくお願いしますだよ!」
教室が一度、しんとなる。
だが、次の瞬間――
「ねぇねぇ! 名前なんて言うの!?」「どこに住んでるの!?」「趣味は?」「今日のパンツの色は!?」「好きな食べ物は?」「携帯持ってる? アドレス教えて!」「本当に高校生? 飛び級?」
とか色々と質問が飛び交うってか4番目何言ってんだ。
「名前はまだ内緒、住んでる所は主の部屋で……趣味は観察。
好きな食べ物は「ぱん」で、携帯電話……っていうのは知らないかな。
それで別に飛び級じゃなくて、……パンツの色は……えっと……」
答えんな。特に最後の答えんな。
「「「「「ぱーんっつ! ぱーんっつ!」」」」」
黙れ、男子黙れ。ってか一聖参加すんな。
「色は……えっと……「いや答えんなよ」
あ、思わず止めちゃった。
とりあえず男子からは「空気読めよ〜」とか言われているがとりあえず無視。
「ったく空気読めよふみたん。俺の質問だけ止めやがって」
「お前かよ!」
とりあえず一聖にヘッドロック。
しかし……
「は〜い! 質問タイムしゅうりょ〜! 次は自分の自己紹介せぇや!」
「えっと…………い、色……は……」
「「「「「ぱーんっつ! ぱーんっつ!」」」」」
「ねぇねぇ聖ちゃん、自己紹介って何を言えばいいかな?」
「そうですねぇ……好きなものと嫌いなものでいいんじゃないでしょうか?」
「結華の場合、すごいことになりそうだがな」
「ぎゃああああああああぁぁぁぁぁぁ! ふみたっ! やめ! ちょ、これは! いたああああぁぁぁぁぁ!」
教室は、混沌としていた。
***
「はい、お姉さま、……確かに反応がありました」
『貴女一人で大丈夫なのね?』
「はい、魔道書一冊ぐらい私だけで十分です」
『そう……でも、よく気をつけてね』
「はい、もちろん分かっています」
『魔道書は無傷で。もし契約してる人間がいるなら……現場の判断に任せるわ』
「了解しました。ローラが、必ず遂行して見せます!」
神無月(以下神)「おっしゃ! 後書きやー!」
やっぱりテンション高いね。
神「当たり前! 私はいつでもテンション高いわ!」
さて、次はようやく真面目な話をしてみます。っていうか一話短編形式も書いてみたいんだけど中々進みませんねぇ。
神「キャラ欲張りすぎや、小出しせぇや」
いやいや、黒椿峰とか煉斗とか出してないだけマシでしょーが。
神「十分多いわ。読者さんが面倒くさいやろ」
……まぁ、気を取り直して次回の説明です。
次の話はもうちょっと描写とかが多い文章にしてみようと思うので、やっぱり更新は遅れるというか受験後になる可能性も高いです。
神「まぁそんな訳で! 次回をお楽しみに〜!」