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学園珍事 ファミリア!  作者: ニコ
一学期
32/66

第29話:みんなDEお泊り!【後編】

質と更新速度、今回は後者を選びました。

という訳でパロネタと会話で済ましまくっているのはご愛嬌ということでどうか一つ……。

ぐぅるるるるるるぅぅぅぅ〜……。


「お嬢様、女の子なんだからもっと可愛くお腹を鳴らしてくださいよ」


「なんだ天詩、お前はそういう偏見を持つ奴か。そんな女性への幻想はどこかの右手に殺してもらえ」


「お嬢様……また勝手に僕の部屋に入りましたね……」


僕の部屋にはライトノベルがたくさんある、煉斗が飽きた本を売りつけてくるのだ。

しかしまぁ、あれでよかった。ド○ロちゃんとか女性に見られたくないのもあるし。


あ、どうも皆様、文一です。

あの後、風呂から出ると何故か変質者(仮)が消えており、代わりに『また会うかもしれませんね、では』という書き置きがあった。

なんだか狐につままれた感じの僕たちだが、それでも彼の事を考えていたのは10分ぐらいだ。

今はそれぞれの形でくつろいだり勉強をしたりしている。


『だからな、これにAを代入して後で戻せば簡単だろがよ』


『あ、Aってナニ? どこから出てきたのデスカ、謎の人物A!』


『はいはい。Aはこの(y+2)の代わりの記号だっての』


『ああああぁぁぁぁ!! 赤坂、お前は同類だと思ってたのにいいいいぃぃぃ!!!』


『あのな……どうして俺が文一に呼ばれたと思ってるんだよ?』


隣の部屋では響玖ひびくが一聖に勉強を教えている。

ちなみに響玖は学年10位に入るほどの学力なのだが、正直今でも信じられない。


『なははー! 弱い弱い弱すぎる! 私に勝とうなど五年早いわァ!』


『うん、確かに結華さん、強いね』


『次は私がやります!』


『わー、頑張れローラちゃん』


上では桜樹、リーリア姉妹、茜が格闘ゲームをやってるはずだ。

茜をあいつらと置いておくのは心配だけど……まぁ、なんとかなるだろ。


ぐぎゅるるるるるるるるぅ!


「……お嬢様、ちょっと晩御飯作ってきます」


なんというか居た堪れなくなってきた……この音聞いてると……。

確かカレールーが結構残ってたよな、と思いながら立ち上がろうとするとお嬢様が片手で制してきた。


「まぁ待て。折角これだけ集まっているのだからな、今日は女だけで作ろう」


「……嫌な予感がするんですが」


「気のせいだ」


「お嬢様、料理できましたっけ?」


「安心しろ、熱を使うのは得意だ」


あ、大丈夫か。

とすると、僕は久々に他人の手料理を無償で食べられるのか……一谷ちゃんは絶対ただにしてくれないし、小見さんはお嬢様にしか作らないし。

あぁ……母が消えて以来の手料理だ。嬉しいな……


「……まぁ、熱なんて電磁波当てればいい訳だし……」


それって電子レンジでしょー!? という僕のツッコミ虚しく、お嬢様は部屋から走り去った。



                  ***



「さて、という訳で厨房に全員集結したわけだが……」


周りを見回す。

不安そうな顔をしているのは北川、メギトス、湖織、能天気に包丁を振り回しているのが居候と結華、茜、不満そうなのがローラで呆れ顔なのが馬子坂だ。


「俺たちで労ってやろうじゃないか、日頃世話になっているしな」


「私は全然世話になってねーよコノヤロウ、と一応悪態をついておきます」


む、言うなこの最年少が。


「まぁ確認しておく、この中で料理がまともにできる者は?」


手を上げたのは北川と馬子坂、……馬子坂は意外だな。


「では、まったく触れた事の無い者」


自分も手を上げ、結華と居候と茜が連なって手を上げる……って能天気組は全員駄目か!


「うふふ〜、桜樹家いえではやらせてもらえないからね、じゃんじゃんいくよ!」


「大丈夫サ、私にかかれば料理ぐらい……」


「知識はあるけど、やった事は無いかな」


不安だ、限りなく不安だ。

……まぁ、俺も人に言えた義理じゃないのだが。


「まぁ、頑張ろう。……私だって、アイツに恩を売っておくのは悪い事じゃない」


一通り沈黙した後、メギトスが口を開いた。

しかし、内容に疑問が。


「アイツとは誰だ?」


「天詩 文一。まぁ、ちょっとした因縁があってね」


凶悪そうな目を遠くに向けるメギトス。

一同、騒然。


「な、なんで? なんでそんなに色々と……」(聖)


「へぇ、中学生がなんでいるのかと思ったら、そういう事」(魅伊香)


「灯夜ちゃん、聖ちゃん、湖織ちゃんに続き第四の犠牲者がー! 何人堕とす気だ、アンチクショウッ!」(結華)


言った当の本人、メギトスは「え? え!?」とか口走りながら硬直している。


「……あ、なんか勘違いがあるようなので言っておきますと、別に湖織は文一に惚れてる訳じゃないですよー」


「おぉっと、ここで爆弾発言だーっ!」


結華がフォークをマイクのように握り(小指立ては当然のごとく)、椿に詰め寄る。

……何なんだろうこの慌しさは。状況を説明するだけで手一杯だ。


「実を言うと、文一は元彼氏モトカレなのですよー」


「これはスゴイ爆弾発言だー!!!」


結華がフォークマイクを高らかに掲げ、興奮した面持ちで叫ぶ。

……うん? 俺は知ってるぞ、この事。


「まぁ、5歳ぐらいの時ですけどねー」


「それはいいのかー!?」


結華が実況者風な語りを崩さず、椿にフォークを向けた。


「え、えぇ。文一は親友ですしー、そっちの方があってると思うんですがー」


「ほほぅ、では、14話参照の件はどうなんですかねぇ?」


何話参照とか言っちゃったよ!!


「あー、アレはですねー、文一を灯夜から盗ませないという意味のつもりだったんですが……え? あ、『そういう事』に反応した灯夜と聖はもしかして――」


とりあえず投げた。小鳥遊流護身武術を舐めるなよ。


「む、灯夜、ひどいですー」


しかし椿は何事も無かったかのようにストンと着地。

チクショウ、無駄にスペック高いなコイツ……。


「ほうほう、では湖織さんは文一氏に興味がないという見解でよろしいですか?」


「そういうわけじゃないんですけどねー。というより巫女だからですー、基本的に純血保たないといけないのですー」


とりあえず、結華に報道者スタイルをやめてほしい。


「さぁさぁ! ではこれから皆様の恋愛事情コイバナを聞いていきましょう!」


やめるわけが無いっぽかった、というかヒートアップした。


「ではまずローラさんから!」


「む、私と姉様は男の人と出会う、という事自体が少ないので、そういう事は一度も……」


「なるほど、枯れた青春ですね」


「地獄に落ちろこのクソアマが、とちょっと呪いの言葉を吐いてみます」


わずか十数秒でインタビューを終えた結華は、そのままクルクル回転しながら北川の下へ。


「あ、あの……桜樹さん?」


「チガウ! 謎のインタビュアー、プロフェッサーYだ!」


何故にプロフェッサー?


「あ、ではYさん……」


「プロフェッサーYなの!」


「……プロフェッサーYさん、私にそういう話は期待しないほうが……」


「はい、ふみくんのどこに惚れましたか!?」


ストレートだな、オイ!


「はぁ。別に大した理由はありませんが……」


「嘘だっ!!」


一瞬、結華の持ってるフォークが鉈に見えた。


「基本的に創作物で理由無き恋愛が認められるのは脇役とか、ストーリー自体がハーレム系の時だけだ! 何か理由が無ければ惚れないけど、理由があれば一瞬で惚れちゃうのがラブコメクオリティ!」


……外事情全開なんですけど。


「はぁ、とはいっても本当にそれほどの理由は……というか、白咲君は既に彼女が居ますし……」


消去法? 消去法なのか!?

北川にとりあえずのインタビューは終えたのか、結華は再び怪しい動きを始める。

次の狙いは馬子坂だった。


「へい! 君はどうして一聖が好きなのかな?」


またまたストレートだな、オイ。


「は、はぁ? な、なななんで私があんな奴……」


これまた分かりやすい反応だな。


「ははは、裏は取れてるんですよ。先日、貴女が一聖氏と接触した際に……」


「も、もういい! 分かった、じゃあ好きだってことにしてやる!!」


……結華は何をしようとしていたんだろう?


「ではではぁ! どうして一聖氏がお好きですかな、お答えくださいっ!」


結華が何かにノリノリだ……。


「は、あ、え〜っと、運動出来るとか優しい所とか……」


「そんな普遍的意見は聞いてないDEATHです! はいはい、とっととお答えくださいませ〜!」


結華がノリノリすぎて最早我を見失ってる……。


「…………誰にも言うなよ」


馬子坂は前置きし、話し始めた。


「私の家は道場なんだけどよ、それがまた古い言いつけで、男に負けたら婚約成立なんだ。初対面の時、軽くいなされて……そっから言いつけの事考えると……妙に、その、気になって……」


どこの90年代風王道ラブコメだ、とツッコミたい。

初対面で軽くいなされるってどんな状況だ、とツッコミたい。


「いやはやいやはや! 良い事をお聞きいたしましたなぁ、フヒヒ」


もう笑い方からしてアブナイ結華。


「では! 皆さんばかりに話をさせるのもなんですので、私の話を――」


「「「「「いらない」」」」」


インタビューを受けた全員と俺の声が重なった。

どうせノロケ話だろう、絶対に聞きたくない。

全員唱和の「いらない」で結華は倒れた、膝から床を崩れ落ちて「グハァ!?」とか言ってた。

さてと、悪は滅びたし今から料理を……。


「うん、こんなものサ」


「上手に出来てるかな?」


結華に心の中でツッコんでたら手伝えなかったアアアアアアアアアアァァァァ!!!






茜&居候の作ったカレー、男性陣の評価は「そこそこ」だそうです。



                ***



後日談。


「ひゃっほー! 今回は平均40に乗ったどーーーー!」


どこかの芸人みたいに一聖が叫んだ。


「うんうん、僕も54点だったよ」


満足そうに煉斗が頷く。

そしてそのまま二人はハイタッチ、僕に感謝の言葉を述べてくる。

…………。


(言えない、……まさかちょっと本気出したら80軽く超えたなんて……言ったら殺される……)


……よし。


「はっはっは、よしてくれよ、僕たち友達じゃないか」


そうして僕は、最上級の笑みを返した。

人生には建前ってものが重要なんだと、改めて実感しましたとさ。





 どうも、イラスト依頼が出来ない小心者のコニ・タンです。

湊「本当、小心者ね」

 ですよねー……ってうおぉ!?

湊「私が居るとマズイかしら?」

 いや、そういうわけじゃないけど……。


 つーか良く見るとこの小説、思ったより上位なんですね。

 コメディで32位だそうです。

湊「奇跡どころか異常ね」

 ……ま、まぁ、だから何って訳でもないんですけど、今回の話は補足もないし、裏設定の語りはやりすぎるとアレだし……ぶっちゃけネタが無かっただけです。

湊「それなら後書きを書かなければいいのに……」

 コメディ回は後書きをつけようと努力する、それが僕!

湊「はいはい」


 では皆様、気が向きましたらまた読んでやってください。

湊「では、ごきげんよう」

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