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学園珍事 ファミリア!  作者: ニコ
一学期
31/66

第28話:みんなDEお泊り!【中編】

あー、テステス。

……視界良好、音声良し、準備完了!

あー、皆様、いつもご愛読ありがとうございます。

作者のコニ・タン、気安くコニとお呼びください。

はい、ところでなぜワタクシが作品内ここに居るのかと言いますと……


「わーい! おっふっろ! おっふっろ!」


「あぁ、桜樹さん、そんなに走ると危ないですよ」


「ふぅ、女性陣はまだまだ元気だな……」


「だれてるのは君だけだよ、一聖。そんなに疲れるかなぁ?」


ま、みんなが小鳥遊別邸備え付けの大浴場に入る訳ですね。

で、まぁ、三人称にしても良かったんですが…………ねぇ?(ニヤリ)

ここはもうワタクシが懇切丁寧に余す所なく解説致しましょうカト!


「さ、お風呂に入りましょか、皆さん」


「…………誰だよ、テメェ?」


あ、早速一聖に疑惑の目を向けられた。


「やですねぇ、創造主ですよ、生みの親ですよ」


「…………?」


さらに首を傾げられる、まぁまともな反応だろう。

しかしそんな事で怯む作者ではない、こちらには作戦がある。


「皆さん知らないんですか? 一年三組の者ですよぉ」


胸元のポケットから生徒手帳を出して、全員に見せつけるように掲げた。

ヒヒ、作者権限(実際には校長にアヤシイお店の割引券ワイロを渡した)を持ってすればこの程度は造作も無いわぁ!


「いやはや、勉強会なるものがあると聞きましてちょいとばかし親交を深めようと。少し遅くなりましたが、合流させて頂きますよ」


「頂きますなのサ」


…………アレ? 僕の言葉に誰か続かなかった?

横を見る、とてつもなく長い銀髪が見えた。

…………居候か。


「お、おい!? どうしてお前がここに――!」


「こんな時間まで帰ってこない二人が悪いのサ。私一人で寂しく缶詰なんてゴメン被るよ」


一聖の慌てようを他所に、居候は涼しい顔をする。

ちなみにその後ろでは馬子坂が「帰ってこない? ……同棲?」などと睨んでいるのだが、一聖的にはアウトオブ眼中だったりする。

と、そんな様子を見ていると、耳にささやきが届いた。


(そちらも何か事情がありそうだから、ここは口裏を合わせるサ)


居候だ。


(合わせるっていいましてもねぇ……具体的には何を?)


(二人ともここに居て大丈夫な言い訳を考えたのサ)


自信満々な居候の様子に、僕は頷いた。

そして、居候は全員に向かって語りながらヨヨヨと崩れ落ちる。


「ううぅ……実を言うとそこの人とはこの間街に出た時知り合ったのサ。街に不慣れな私に親切を装って近づき、挙句の果てには家まで突き止められる始末……どうか! 今日だけでも泊めてほしいサ! さらに言うとこれも見張っておいて!」


待てえええぇぇぇ!! ちょっと今この場に居る全員がズサって床が抉れるレベルの速度で引いたぞ!?

なんなんだこの嫌過ぎる方法は!?

全員分のジト目が突き刺さる、自キャラの晒し者にされるとはこれ如何に?


「あ、あはは、あははは! やですねぇ、皆さん。そ、そんな事あるはず無いじゃないですか!!」


「で、ですよね……いくらなんでも証拠も無く疑うというのは……」


弁解は嬉しいがジリジリ後ずさりしながらというのは創造主としておとうさん悲しいぞ!


「だ、だよなー……少しぐらいは様子を見てやってもいいんじゃねぇの?」


「あ、あぁ。いくら9割方確実とは言っても、本人としては気分が悪いだろうしな」


「むぅ……し、仕方ないよ、ね……?」


「ですー」


…………誰か、僕の半径1m以内に居てください……。

い、いや! めげるな! 僕は男性読者様のおよそ2割強(当社比)が望んでいるだろう少しエロめな展開にしなければならないんだ!


「ま、まぁ……皆さん、お風呂に入りませんか? 僕が変質者でも男風呂と女風呂に分かれてる状態じゃ何にも出来ませんよ」



                 ***



かぽーん。

うん、なんで風呂場の効果音が『かぽーん』なのかは知らないが、一言で説明できるのは良い事だ。


「ふはー、良い湯ー」


僕は現在、文一、一聖、煉斗、響玖、怜哉……このメンバーと風呂に入ってます。

いやー、やっぱり広いね。僕の家アパートぐらいあるんじゃ?


「いやぁ、良い湯だな、変質者」


「あ、ちょっとシャンプー取ってくれるかな、変質者?」


「あ、変質者、タオルは湯船に入れるなよ」


なんか僕の名前が変質者で通ってんデスケド……。

ま、まぁ本名を聞かれないのは良い事だな! 僕、作者だもんな! 一応この世界では偉いもんな!


「っつかふみ、お前って毎日こんな風呂入ってんのかよ?」


「ん〜、慣れると普通に感じるけど?」


あ、向こうの方で一聖と文一が話してる。


「つーかなぁ……ふみたん、筋肉ねぇよなぁ」


湯船の中で、一聖が文一の腹をつつく。


「うひゃ!? 仕方ないだろ、お前みたいな外回りでもケンカ上等でもないし!」


「俺はケンカ嫌いだぞ? 一方的に痛めつけるのはもっと嫌いだが……。で、ふみ、お前は言い訳に外回りじゃないと言ったが、こっちはどうだ?」


次は煉斗の腹をつつく、彼は嫌そうに眉をひそめた。


「うんうん、結構身体ができてるな」


「触らないでよ、野郎に触られても嬉しくなんともねェんだよ」


あ、途中で裏入った。

で、そのまま全員が一点に集まって歓談。ちなみに僕だけは一歩引いた視点でその様子を見ている。


「そういやさ、居候って結局どうなったの?」


「あー、あのまましばらくウチに住む事決定だ。ま、金はそんなに心配無いしな」


「あれ? 北川の家ってそんなに裕福なのか?」


煉斗と一聖の会話に、響玖が割り込む。


「ウチは両親がそこそこ重役で働いてる上、聖の給料が破格だかんなー。俺の給料も慎ましく独り暮らしする分には問題ないほどの額だし」


答えた一聖の後を文一が引き継ぐ。


「お嬢様は太っ腹だよね。僕は住み込みだからその分引かれてるはずなのに、結構な蓄えがあるし」


さらに怜哉。


「まぁ、それでも俺が一番の高給取りだろうな。なにせそこそこ重要な部署の課長だ」


響玖は仕事をしてないしな、と締めくくった。


「あれ? 赤坂は無職?」


「人聞きの悪い言い方だな、他県なら高校生は働かないのが普通だろが。親が薬局やっててな、たまに店番するぐらいだ」


ふーん、と誰かが言って、そこで言葉が一時途切れる。

と、みんながゆったりとつかろうとした所で――


『キャアアアアアアアアアァァァァァ!』


悲鳴、ではなく歓声が聞こえた。

女風呂だからちょっと今の所は描写できないな。

よし、台詞の前に名前をつけよう。これが作者権限という力。




結華(以下結)『やっぱり、魅伊香ちゃん大っきー!』


魅伊香(以下魅)『あああぁぁぁ! やめ、やめろ! 手を動かすな! ちょ、やめっ! あぁ!』


結『んふふー、全員分測るためだよ?』


灯夜(以下灯)『まず、自分のを測ったほうがいいと思うが……』


結『これぐらいが煉斗君の好みだから良いんです! 次はそんな事言う灯夜ちゃんだ!』


灯『うおっ!? 放せ結華あああぁぁぁ!』


結『なんだ、灯夜ちゃんも人に言えるほど育ってないじゃない。下着の趣味も変わらないしねぇ、この純白派(レース付き)!』


灯『くっ、なんかストライプ模様のを穿いてる方が珍しいと思うんだが!』


結『縞パンは正義って偉い人が言ってた!』


茜『結華ー、それ偉い人じゃなくてエロい人だよー』


映恵(以下映)『だべさー』




男として、聞き耳を立てるのは生理現象だと思う。

ホラ、一聖は当然、煉斗も響玖も聞き耳立ててる。

唯一、怜哉だけが面白そうに笑って壁に背を預けていた。


「……なぁ、これは覗く流れじゃね?」


一聖がそう切り出した。

僕は手を上げて賛成の意を示した。

も、もも、もちろん読者様へのサービスカットのためデッスーヨ!?


「………………………………駄目だ、結華が悲しむのは良くない」


「その沈黙は何かなぁ、煉斗くぅん?」


ニヤニヤとすり寄る一聖。


「あー、駄目だろ、いくらなんでも」


それを止めたのは響玖だった。


「な、なんだよ赤坂! もしかしてお前、男同士のパラダイス派か!?」


「響玖君は女性の裸に対し一般的思春期男子と同じ程度の興味はあります、はいだから誤解するな。ただ劣情より友情を大事にするいい人なのだ」


「ハッ! テメェはいつも一緒に居る空井からいとか卯月うづきとかに興味は無いのか?」


「いや。冗談で映恵を押し倒した事なら何度か」


状況によっては洒落にならんからやるな。


「でもさ、これってあれだよな」


文一が口を開く。


「一通り覗いた後見つかってお仕置きという、王道パターンになりそうな気がヒシヒシと」


「しかも、あいつ等が相手だと洒落にならんしな」


怜哉の言葉を最後に、一同沈黙。

うん、確かに全員戦闘能力あるしね、何も無い奴なんていないしね。

クソ! 誰がこんなキャラ設定にしたんだ!

数秒間沈黙が続き、そして静寂が破られる。


「さ、さぁみんな、この後はまた勉強なんだしゆっくりしようぜ!」


一聖に言葉に一同頷く。




結『そういやさ、聖ちゃんって背はあるけど……胸、私と変わらないよね?』


聖『はぁ。そうですけど……何か?』


映『気にせんちゅうのが一番腹立つがや』


結『おやおやぁ、ということは映恵ちゃん気にしてるぅ? うんうん、大丈夫だよ、平均だよ?』


灯『騒ぐな、結華。もう体は洗ったのか?』


結『洗ったよ、そんな子供みたいな心配しなくても――っと、ターゲット発見!』


ローラ(以下ロ)『きゃあぁ!?』


メギトス(以下メ)『うわぁ!?』


魅『初対面の奴にまで……容赦ないな……』


結『う〜ん、お二人ともちょいと小さいかな? 義妹ちゃんを基準にするとねぇ』


灯『基準点がまず間違ってるぞ。真紀は発育が良すぎだ』




「イッセエエエエェェェ!! やめろ、思いとどまれ! 取り返しのつかないことになるぞ!」


一聖は間にあるしきりに向かって、高く高く跳躍する準備をしていた。


「離せふみ! 俺は……俺は、神になる!」


もはや自分でも何言ってるか分かってないんだろうなぁ、彼。


「お〜ち〜つ〜け〜!」


全員で引っ張って一聖を止める。

エロパワーってすげぇな。3人がかりで押さえてるのに……。


「やめろ、このままじゃお前は蹴り上げられ(by結華)、投げられ(by灯夜)、燃やされ(byローラ)、砕かれ(by魅伊香)、妹に軽蔑(by聖)されるぞ!」


一聖は黙って蒼白になった、途中に「燃やす」とかあったのも気が付かないぐらいに。


「……平和が一番だな」


よし、一聖説得完了!




ロ『それにしても……貴女の髪、長すぎないですか?』


メ『うん、手入れが大変そうだ』


居候(以下居)『そうでもないのサ。ここの人たちより丈夫な髪質してるのサ』


灯『……? どこか、特殊な部族の人なのか、お前は?』


結『ねぇねぇ! そんな事より、面白い事考えたよ! ちょっと上がって、居候ちゃん!』


居『なんなのサ?』


結『こうやってこうやって……ここに巻いて、巻きつけて、と……よし、どことなくエロティック!』


聖『髪で隠しているのですか……きわどいですね……』


結『むふ、こうして見ると居候ちゃんも結構あるねぇ』


居『あはは、私はナイスバディーなのサ!』




一聖は、止める間もなく女風呂にル○ンダイブしていった。





            そして彼は星と成った……。



                  ***



ここは外、中ではみんなが着替えている事だろう。


「ふぅ、やっぱ冷えるな」


誰も居ないのだが、一応声に出してみる。

あのあと僕は屋敷から脱出した、これ以上干渉するのもなんだしね。

まぁ、置手紙してきたから大丈夫だろ、うんうん。


「では、次回! ラブコメ定番イベントその2『女性が寄って食事の用意』、そんな雰囲気を目指して! 皆様、是非ともご鑑賞ください」


ふぅ、僕もさっさと家に帰らなきゃな。


「いつもいつも更新遅れてすいま、ヘクシュン! うお、やっぱり湯上りにこれはきつっ……!」


翌日、作者は風邪を引いた。

実際、風邪気味だったりします(笑)

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