表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学園珍事 ファミリア!  作者: ニコ
一学期
10/66

第9話:あぁ素晴らしき学び舎よ【後編】

今回はハイテンション風味でお届けします。

一時間目が終了し、僕たち一年一組は教室でグダ〜ってしてます。


「おい天詩、二時間目は何だ?」


お嬢様の席は僕の隣だったりするので気軽に話しかけてくる。


「二時間目は……世界史ですね」


「そうか」


「えぇ」


あぁ……のんびりだなぁ。

あ、そろそろ授業が始まるかなぁ、でももうちょっとぐったりしていたい気分♪


「あぁ……平和だなぁ〜」




「平和じゃねええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!」




窓ガラスが一つ残らず震え、もしかしたら教卓とかも動いたかもしれない。

そんな大声量で叫んだのは、ただいま死地せいぶつしつから帰還した親友いっせいです。


「よ、イッセ。ご機嫌いかが?」


「最悪だよ! ヌルヌルテカテカだよ!」


うわぁ、なんか学生服とか体中とかなんか正体不明の液体で光ってる。

わ! 今ボトッて垂れた! うわ! 机に付く!


「ちょ、イッセ、離れろ! お前離れろ!」


「よくも見捨てやがったなあああああああぁぁぁぁぁ!!」


「だから離れろおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!」


身を乗り出すな、やめろ、やめてくれ、僕にそんなヌルヌルした趣味は無いだからやめてってあああああああああぁぁぁぁぁぁ……!



                  ***



「えっと……次はこの教室か」


「だね! 世界史の先生はどんな人かな?」


「もう大変な事は嫌なのですが……」


…………………………………………。


「およ? 部屋が開いてないねぇ」


「また後で先生が来るんじゃないですか?」


「うんうん、じゃ、のんびり待とー!」


…………………………………………。


「うん? どうした天詩……と、男子の北川」


「およ? 二人ともすっごく落ち込んでる顔だよ?」


「あらあら、どうしたんですか?」


…………………………………………。


「「どうしてそんなに距離空けるんですかああああああぁぁぁぁぁぁ!!?」」


なんか……すっげぇ距離空いてるんですけど!? 

半径三メートル以内に誰も居ないんですけど!?


「あぁ、そのことか」


「まぁ……それはねぇ」


「はい……」


「「「ヌルヌルしてるから」」」


異口同音にそう言ってきた、やっぱりかコンチクショー!

現在、一聖だけでなく僕までヌルヌル粘液チックな何かで覆われている。

ていうかキモチワルイ、早く着替えたい。


「あああぁぁぁ! お嬢様、僕ちょっと着替えに帰ってもいいですか!?」


「駄目だ、着替えるならばここで着替えろ」


ここって廊下ここかよ!

あああぁぁぁ、皆さん見ないで! そんな興味深そうに見ないで! お願い!


「馬鹿かふみたん、そんなことしなくてもなぁ……まだ着替える場所があるだろ!」


一聖が手をかけたのは授業をする予定の教室。おぉ、頭いいぜ一聖。

そして一聖は扉に手をかけ一気に開け放――


「ハレホレウ・マ・ウー」


……………………。


「…………え?」


「ウブォ?」


…………なんで、




なんで教室にマサイ的な人が居るんですかああああああああぁぁぁぁ!!?




なんだこの野生児ルックは!? すごい薄着で黒人っぽくてご丁寧に槍まで持ってるぞ!?


「オー、オマエラ、セイトカ?」


喋ったあああぁぁぁ!? カタコトだけど日本語喋ったああぁぁぁ!?


「あ、あの……ど、どな……た?」


一聖が話しかけた。


「オウ、ワタシ、正井まさいイウネ。コレカラ、イチネン、ヨロシク」


思いっきり偽名だろぉがあああああぁぁぁぁぁ!!

しかもなんで正井!? マサイとかけてんのか、コンチクショー!

……とか思ってても声に出せないヘタレな文一君なんですけどね。


「ム……? オマエ、ソレハ……」


あ、正井が一聖に話しかけた。ヌルヌルに反応したんだろうな。


「あ、そうそう。なんか無茶苦茶になってるから、着替えさえてくれよ」


お前順応力高いな。

まぁ……着替えさせてもらえるならそれで……


「コキョウノイイツタエ……アルヒ、ネンエキヲマトッタオトコガアラワレルト、ソノモノハユウシャダト……」


長文は聞き取りづらいな……え〜っと、……はい!? 一聖勇者!?


「コキョウ、「アサクサ」ノイイツタエネ」


無駄に日本人ぶるなこのやろおおおおぉぉぉ!


「イッセツニヨレバ、ヤマトタケルノミコトノウマレカワリ……」


無駄に日本の歴史知ってるな、こいつ!?


「キョウハマツリダヨ!」


あ、一聖が連れ去られ……あー……あーあ……さよなら一聖。


「さよならじゃねええええぇぇぇぇ! たすけろおおおおぉぉぉぉ!」


一聖……読心術使っちゃ、メ♪



二時間目は自習になった。



               ***



「天詩〜」


「なんですか〜」


「4時間目は神無月先生の数学だよな〜」


「ですね〜」


あぁ……まったり……。

ちなみに僕は3時間目もサボって服着替えてきました。

……馬鹿みたいに疲れたけどな。


「いや〜、しかし……」




「平和じゃねぇつってんだろおおぉがあああああああぁぁぁぁぁ!!!」




次は声の振動で本当にガラスが割れた。

まぁ、皆さんご想像の通り、死地マサイから帰ってきた心友いっせいです。


「よ、イッセ」


「よ、じゃねぇんだよ! 助けろ助けろ普通助けるよなあれは!?」


「…………あー、すまん」


ちなみに謝る気分になったのは、現在の一聖の格好を見たからだ。


腰蓑こしみの一丁。


「ぷっ、い、いや……本当に、ごめ、ご、……くふ、ごめん、イ……ッセ」


「何笑ってんだコノヤロウ!」


「ぶはあっははははははは、ちょ、やめろ! その格好で凄むな! ぶぅあっはははははは! 皆さん、馬鹿が居ます! ここに馬鹿が居ます! あはははひゃはははは! どなたか! お客様の中に精神科医はあはひゃはははははは!!」


あー、もう駄目。面白すぎる。


「何笑ってんだあああぁぁぁ!」


「あははははっはっはははは!! 駄目駄目来るな! 死ぬ、しぬううぅぅぅひゃはははは!」


「うるさいわ!!」


あ。


「あぁもう何アホな事やってんのや、授業始めるで?」


先生が来た、なんかもう小さすぎて気づかなかったよ。


「先生! ごめんだけどその前に服くれ!」


「ぶあひゃうあはひゃひゃはやあひゃうあはうあ!!」


「黙れお前ら!!」


あ、先生がなんか投げた……あー、でも笑ってるしなんかよく見えない。


スコーンスコーン。


あー、チョークだ……先生も古いことするなぁ。


「あっひゃはははっはははははは!!」


でも笑いがとまんねぇ! あー、こんなにウけたの久しぶりだぁひゃはははは。


「うるさいちゅーてるやろが!」


あー、先生がまたチョーク投げた。

でもそんなもんで止まるとでも思うのか! このマサイ力が! ってあひゃははははは!!


ズドーンズドーン。


…………へ? 今……なんか、音が違ったような……


「あちゃー、重力かけんの早すぎたか」


先生がなんだか謎な事言ってる!?

いやいや、て言うか先生もまともな人間じゃないんですか!? 変な人なのですか?

変な人……変人……変な人間……今の一聖ってぶああひゃはははははは!!


「いつまでわらっとんのやドアホウが!!」


あー! チョーク来る! 避けなきゃってぶやはひゃははは! 笑ってる状態で避けられるわけないだろ! あひゃははははははは! 


「グハァ!!」


頭痛い……くらくらする……あー、……駄目だ、視界がブラックアウトしていく……。


「あちゃー、ちょっとやりすぎたか……今日の記憶ぐらい飛ぶかも知れへんなぁ」


最後に、先生のそんな声が聞こえた。



天詩 文一、本日早退。





一聖(以下一)「作者ってさ、よく文体変わるよな」

 まぁ、それがウリのひとつということで……。

一「そんなんでいいのかよ……」

結華(以下結)「さらに言うと、伏線っぽいの結構あるよね」

 伏線張るのは大好きです、回収しきれない伏線もあるぐらいのが大好きです。

結「おもいきり駄目人間だね……」


 さてさて、次回は名前だけ出てきてたキャラの内、一人が登場予定ですー。

結「名前だけってことは……煉斗君!?」

 さぁ、どうでしょ〜。

一「あと居るのは、湖織ちゃんと一谷って子と、……そんぐらいか、登場の伏線ならふみたんの妹もありだけど」

 妹はもう少し引っ張るよ?


 では、次回をお楽しみにしてください。お願いします!

結「腰の低い予告だね……」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ