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倶有の代 -the world-  作者: 風間 秋
◇極東に漂う狂気
9/9

自由と銷魂の楽園――西之島「水楼(Suirou)」


 二十一世紀末の大噴火により総面積を五百平方キロメートルまで拡大した西之島は、二十二世紀初頭には既に南方の海洋開発最大の拠点として、未だ続く火山活動に恐れも知らず、資本家の声に後押しされる形で半ば強引に開発は進められた。

 そして今日、水楼と称される西之島は空前の発展を遂げ、日本を象徴する科学貿易都市としてその名を世界に知らしめている。全ては十年前に起きた歌声事件、続く政府の下した裁可が齎した繁栄であった。


 西之島水楼は特別研究地区を有する本島と、その名の由来となった広大な海洋都市群から成っている。個々の海洋都市は全て浮島(フロート)となっていて、またそれ自体が複数の自立航行可能な基礎ブロック(シェル)の集合によって構成されている。最も平時は海洋都市は連絡橋で本島と接続され、固定杭(アンカー)を用いて海底と接地し、一定の位置から動く事はない。

 これら西之島に接続された海洋都市群の総称を「淡島(Awashima)」と言う。


 現在淡島はその六割を吾破病罹患者の自由活動地区として解放。本島も総面積にして三割に上る研究地区の全域が吾破特地法の示す範囲に指定され、罹患者のみならず世界中の人が企業が、この地より生まれ来る莫大な富と可能性を逃すまいと押し寄せていた。



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