「王子!!毒見をせずに食べてはいけません!!!!」
短いです
フィクションです
私は乙女ゲームの悪役令嬢に転生した。
王子の婚約者の公爵令嬢だ。
毎日王子の尻拭いに忙しい。
この乙女ゲームでは、ヒロインが攻略対象に手作りクッキーをプレゼントして好感度を上げ恋愛成就する。
ヒロインは、逆ハーレムでも作るつもりなのか、公爵子息、騎士団長の息子、宰相の息子、留学しに来た隣国の王子、全てにクッキーをプレゼントしているようだ。
そして、私の婚約者であるこの国の王子にも。
乙女ゲームのヒロインが攻略対象に食べさせる手作りクッキー。
食べたら好感度が上がるなんて、ヤバい薬でも入ってるんじゃないの?
何で毒見をせずに食べるのか?
アホなのか?王子。
アホだった。
ヒロインが差し出したクッキーを、今まさに、そのまま食べようとするアホ王子。
ちょ待てよ王子!
間に合わない!
私は持っていた図鑑を王子に向かって投げた。
ドカッ!!!!!!
王子の手にヒットした。
王子が持っていたクッキーは空を飛んだ。
(その後、ヒロインに侍っていた騎士団長の息子が、ナイスキャッチして美味しくいただきました)
「王子!!毒見をせずに食べてはいけません!!!!」
私は叫んだ。
「「え!?」」
王子とヒロインが驚いた。
私は、王子とヒロインとその他男子生徒に近付いた。
「幼少の頃から教わっていたでしょう!!」
王子に向かって言った。
「それはそうだけど、手作りだよ!」
王子は反論した。
「いつも王子が召し上がる料理も料理長の手作りです!!」
「…そうか…」
何を当たり前の事を…
…頭痛が痛い。誤植じゃないよ。ギャグだよ。
「良いですか王子!貴方は王族として、いつ何時何が起こるか分からないのですよ!そちらの令嬢が、そのお菓子を作る所を見た訳ではないのですから、毒見をしないといけません」
「私が毒を盛ったとでも!?」
ヒロインが叫ぶ。
「媚薬を盛る令嬢は多いのですよ」
王子妃の座を狙う令嬢は多い。何度阻止してきたか。
そんなにアホ王子が良いのか?
むしろもらってほしい。
遠慮なくもらってください。
尻拭いは疲れました。
「はぁ!?酷いわ私を疑うなんて!!」
ヒロインは泣き真似をした。
泣き落としで、周りを味方につける作戦か?
「毒見をされたら困るのですか?」
私は冷静に言った。
「え?」
困るよね。(推定)媚薬入りだもの。
後ろに侍らせている男子生徒は、食べたから侍っているんでしょ?
「何も入れてないのなら、毒見をされても困らないでしょう?」
「うっ…」
「そうだな。毒見して何もなければ、問題無く食べるよ」
王子。お前が最初に気付け。
こうしてヒロインの、王子に媚薬入りクッキーを食べさせる計画は頓挫した。
正気を保ったままなので、王子がヒロインに惚れる事はなかった。
結局、私が婚約者のままだった。尻ぬぐい続行です。
…めでたしめでたし?
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