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【連載中】母に仕組まれたポチャ化の呪いをへし折るため、公爵令嬢が運動としてモンスター退治に明け暮れた結果  作者: よどら文鳥


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8、最下位

 教室内でエフィナは頭を抱えて悩んでいた。


「筆記テスト貴族部門最下位……」


 正解数は五十問中、四問。しかも正解した問いは、六択問題で運任せで選んだのがたまたま当たっただけである。

 六択問題は八問しか存在していなかった。だが四問も正解した。一問でも外していたら総合部門で最下位になっていたのだ。

 運だけで正解では到底容認できない。エフィナはこの事実を受け入れ、早速読んだことのない学問関連の本を読み漁っていた。


「これからは勉強も頑張らないと、本当の追放になってしまう」


 エフィナは復讐のためにハメを外して学園生活を送ると誓ったものの、学習能力までは疎かにしたくなかった。

 成績上位とはいかなくとも、人並みの最低限の知識や常識は身につけたいと思っている。

 配布された教科書を熟読していると、周りの同級生がクスクスと笑い始めた。


「聞いた? 貴族の中で最下位だってよ」

「あの人って公爵令嬢様なんでしょ。上位貴族始まって以来の最低記録更新なんですって」

「体重も最高記録更新してるでしょうし、記録保持者でも目指しているのですわ」


 小声で喋っていてもエフィナには聞こえている。

 特に、ですわ口調の同級生は高身長かつスタイルも抜群かつ声量もあったため、特に目立って聞こえていた。

 だがエフィナは全く動じることもなく教科書に集中し、高速でページをめくっていた。

 なんとしても痩せたいためである。

 そして大きくため息をついた。


(ああ……ダメだ。ダイエットに関係することが書かれていない)


 どうせ覚えるならば自分の目的にふさわしいところから覚えていきたかったのである。

 だが読んでいる教科書は国の歴史に関することであり、ダイエットとは無縁の内容ばかりだ。

 エフィナは次の教科書を開き調べようとするがやはり目的の内容に出会うことがなかった。

 無我夢中に教科書を読んでいるエフィナに興味を持ったのは、ライトである。

 同級生に囲まれている状態だったものの、お構いなくエフィナに近づいて声をかけた。


「一生懸命なのだな」

「ああ……ファーゼント殿下。ごきげんよう……え? ファーゼント殿下!?」


 エフィナは集中しすぎていたため、気がつくのに遅れた。

 まさか話しかけてくると思っていなかった相手だったため、ダイエット調査の手を慌てて止める。

 教室内の生徒たちも、まさかライトがエフィナに声をかけるだなんて思っていなかったからどよめきが起こっていた。


「なにから覚えたいか悩んでいるのか?」

「はい。まずは痩せるために必要なことをもっと知りたくて!」


 周りは大爆笑していたが、ライトだけがなるほどと真剣になっていたのである。

 エフィナの耳元に顔を近づけた。


「へ?」


 銀色の髪と金色の瞳がエフィナの至近距離にまで迫ったのだ。

 男子免疫など全くない上に元々推し。

 そんな男が至近距離にいるだけでもオドオドとしていたのに、このような状況になってしまってはさすがに冷静さを保てないでいた。


「呪いは消えたんだ。これから変わるさ」

「ふぇいっ!?」

「そっちの教科書の第五章だっただろうか。そこに人間の身体に関する情報が入っていたはずだ。読んでみるといい」


 ライトは本の山から一冊の教科書を手に取り、それを直接エフィナに手渡した。

 これだけでもエフィナは喜んでいた。

 その上でダイエット情報を見ることができるかもしれないのだからワクワクは最高潮である。


「ええと……血液に含まれる魔力を高めるための方法。無限に生まれそこでしか生息できないモンスターがいるダンジョンで鍛えるのが効果的」

「もう少し先のページに体力について書かれている。そこに関係することも書いてあったはずだ」

「あ、ありがとうございます。って……なんで本のことまで知ってるんですか!?」

「小さい頃に、こういった本は全て暗記させられたからな……」


 最初はライト=ファーゼントは第二王子だからという理由で、優遇された成績なのではないかと疑う者もいた。

 だが聞き耳をたてていた同級生たちは、ライトの筆記試験が満点の首席であることに納得したのである。


「脂肪を燃焼……タンパク質……ビタミン……ミネラル……」


 エフィナは見慣れない言葉や難しすぎる内容に頭がパンクしていた。

 それを見たライトはエフィナの横に遠慮なく着席する。


「わかりやすく教えようか?」

「は……はい……助かりましゅ」


 ライトは真剣になってエフィナに教えていたのであった。

 エフィナもわからないなりに一生懸命覚えようとしていた。

 その姿勢を見て、ライトは何度か笑みをこぼしていたのである。

 しかし、それをよく思わない同級生も何人かいた。

 特にライトを狙っている女子はエフィナに強い嫉妬を抱くのだった。


 しばらくすると担任教師が教室にやってきた。

 エフィナにぶっ飛ばされて失禁してしまった筋肉教師ことゼムである。


「さて諸君。明日からはいよいよダンジョンという危険な場所で、実践訓練をしてもらう」


 緊張感の走る教室内である。

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