出立の準備、はあるある
ルッタ王国について、王宮で資料を漁っていたら、自分好みの褐色エルフと出会った件について。
耳が長く鋭く尖ってる。なるほど。エルフですか。
褐色肌だからいわゆる「ダークエルフ」ってやつかな?
てかマージで好みなんですけど。
美ショタ?というよりは、美青年って感じ。まだ成長途中。
身長がよくわからないけど、たぶん160cmぐらいかな?
筋肉はあるけど全体的に細身ではかなげな感じ。
紫の瞳がベリーキュート。黒い髪が中性的な感じにしてる。
警戒していたけど、ボロボロの剣と本を地面に落として手を挙げた。
私は悪いハルピュイアじゃないよぉ~。
敵意はないという意味を込めてエルフ君にすり寄る。
へへへ…いいにおいがするぜ。
「一緒に来る?」だってさ。
断る理由がどこにもないよね?美形エルフに撫でられながら言われたら是非もなし!
喜んでついていくぜ!!
この美形エルフ君の名前は何だろう?コッソリ鑑定してみよ。
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【ルネア】
〈種族〉
ダークエルフ
〈年齢・性別〉
14歳・男
〈スキル〉
アイテムボックス
〈適正〉
魔法使い
剣士
弓使い
〈適正魔法〉
四種属性
闇魔法
光魔法
無属性魔法
古代魔法
〈情報〉
チェザニル帝国の奴隷。奴隷印が心臓部にある。
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結構スペック高くね…?
なんでボロボロ何だろ、と思ったら奴隷か…納得。こんな高スペックがなぜ奴隷に?
…奴隷か。マジで存在するのか。本当にファンタジーの世界なんだなここ。
私は「ルネア」と行動を共にすることにした。
「世界を見る」以外に目的はないし、誰かと一緒なら楽しくなりそうだ。
・・・・・
ルネアの住処(と思しき場所)で休むようだ。
ルネアのおなかが鳴った。美形が飢えてる姿はNGです。
ホーン・ラビをアイテムボックスから取り出して押し付けた。
ルネアは手際よく解体して串焼きにし始めた。
うーんいい匂い。
森にいたころは生肉ばっかりだったから、加工がされた肉は初めてだ。
マジうまい。塩や胡椒が欲しくなる。
前世は病院食ばっかりで薄味だったから、味の濃いものを食べたい。
塩と胡椒は見つかるだろうからそのうちだね。
ルネアは一心不乱に貪ってる。おいしいよねわかる。
まだ在庫は大量にあるし、なくなったら狩りをすればいい。
満足そうな顔で粗末な寝床で眠るルネアの顔を眺める。
ほんと美形。イケメンよりも美形が好みだからたまんない。
栄養不足気味で変に筋肉がつて不格好だけど、成長したら間違いなく傾国の美青年になるだろうな。
そのためにも、ルネアの食育計画、開始だ。
肉を食わせて美形に育てる。
肉体を育てるには動物性の栄養が必須だからね!!
・・・・・
ルネアと行動を共にしてしばらく。
「ハルピュイアはおバカ」とか「害鳥」とかさんざん言われているのを知っている私はルネアに「自分は有能です」アピールをしまくった。
そのおかげかしっかり信頼してくれたようだ。
羽毛に顔を埋めたりしてきている。
ついでに名前ももらった「ノレイア」だ。何でも有名なおとぎ話に出てくる幸福の女神の名前なんだそうだ。
自分の種族の割にはたいそうな名前をもらった。
でも気持ちを込めてつけてくれたのだ。嫌な気持ちはしない。
何だかんだで私たちは王宮やその周囲で探索と使えそうな道具を集めていた。
ルネア曰く別の国に行くための準備、だそうだ。
いつまでもこんなゴーストタウンにいるわけにもいかないよね。
ルネアの計画は草原街道を西に進んで南の国に向かうそうだ。その後は国に到着してからから考えるつもりだそうだ。
草原街道とは、自分が帝国を超えてた後一休みした草原のこと。
帝国とルッタ王国に挟まれるように存在している街道だ。この街道は大森林を迂回するように南の国々、ひいては西の国に続いているそうだ。
これは地図でも確認したから間違いない。
出立の準備は着実に進められていた。
ルネアは本を読んで魔法の練習、死体や残骸からものを頂戴して装具をそろえる。
私はルネアと一緒に本を読んでこの世界の情報を得たり、時間を見つけては狩りにいそしむ。
ボロボロな服しかに着けていなかったルネアは、家の残骸に合った服を頂戴して動きやすくこぎれいな服に、私はアイテムボックスにたくさんの獲物と地図。
出立の準備はもう整った。
用語解説
・スキル
習得した技能のこと。魔法、剣術問わず様々なものを一定の技量まで極めると得ることができる。
・適正
才能のこと。もしくは技術が上達しやすい種類のこと。適正にない職業やスキルを習得することは可能だが、成長は遅い。向き不向きみたいなもの。
・草原街道
シェイオ大森林の東側、チェザニル帝国とルッタ王国の間に挟まれるようにして広がる広大な草原の街道のこと。この街道はシェイオ大森林の南側に通じており、南、ひいては西側の国へ向かうための重要なものとなっている。シェイオ大森林を迂回するように整備されているため、東西を繋ぐ重要な街道の一つ。




