表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

雨の日の小さな誓い

 我が家の玄関と、玄関から続く廊下の突き当たり。

 2枚のドアを隔てても雨音が聞こえるほど強い雨の日に、決まって思い出すエピソードが2つあります。

 奇しくもほぼ同じ場所、自宅から徒歩数分の、車道より歩道が一段高い生活道路で起きた出来事です。

 どちらも今日のような大雨でした。



 某月某日、お昼前。

 駅へと急ぐ私の視界の先から、一台の車が近づいてきました。

 その車はいきなり速度を上げ、かなりのスピードで私の横を通り過ぎました。

 傘を傾けただけでは足りず、車道の端に溜まっていた水で私の左半身はウエストから下がずぶ濡れに。

 車はそのまま走り去りました。


 今は思い出してもどうということはありませんが、当時は不愉快でした。



 上記とは別の日、夕刻。

 自宅へと歩く私の背後から近づくエンジン音が聞こえました。

 肩越しに振り返って様子を窺い、車道から距離を取るべく歩道の端に寄って水しぶきに備えました。

 車は私のかなり手前から減速し、わざわざ対向車線を通って私を追い抜いていきました。水しぶきがかかったのは反対側の誰もいない歩道。

 予想外の展開に思わず立ち止まり、すぐに元の車線に戻って遠ざかる車を見送りました。


 感謝を込めて最敬礼すれば良かったと今でも思います。




 そして我が身を振り返る。

 今の自分はどちらに近いのか。




 思いやりの出番は車の運転中だけじゃない。

 優しさを貰って嬉しいのはいつでもどこでも同じ。


 身近な人へ、通りすがりの誰かへ、時には自分にも。

 ささやかでも、優しくありたいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ