52:見つめるもの ≪ゲイザー≫
25/02/21 誤字脱字の訂正、ならびに表現の一部見直しを行いました。
幸いにして忘却の王の影響を受けることもなく、ほんの30分ほどでバジリスクの死骸までたどり着いた。
悪臭と魔獣が放つ独特の瘴気。強くはないが毒性があるようだ。これじゃ死骸を漁りに来るものもいない。
「やはり一番でかい奴は、召喚されたものじゃな。これを召喚した奴が近くに居るのかもしれん」
Gさんは、これが地上にそもそも生息する種類のバジリスクではなく、おそらく奈落から呼び出された種のバジリスクだという。
我々の住む世界は物質界などと言われることがある。魔法使いたちの専門用語のようなものだ。
世界は何層にも重なるような構造になっていて、その一部に我々の住む世界があって、下の階層には魔人だの悪魔だのが済む世界があるという。天上界は我々の上にある世界の一つということになっているらしい。
実際に僕が使う奇跡による召喚は、天上界の生き物を一時的に呼び出して手伝ってもらうもので、悪神に仕える聖職者ならば、地獄や奈落から呼び出すこともできるのだろう。にしても、かなり強力だと思うが。
「これを呼び出すような奴は、かなり強力な邪教徒の司祭とか、魔法使いと思って良いんですよね?」
「恐らくは。まあ、召喚能力がそのくらいの、他のモノということもあるがな」
「悪魔の類か?」
僕の問いに答えたGさんにレイアが別の可能性を尋ねる。
「まあ、悪魔の類もこの手のモノを召喚する奴もおるのは事実じゃな。なんにせよ、巣穴は調べた方が良いじゃろう。単純に巣穴ではない可能性も否定できんからな」
地面に口を開け、地中へと延びていく穴を見ながら、Gさんは言った。
「お宝の一つもあるかもしれないしね。調べてみようか」
ロアンが軽く言う。彼女らしいが、僕はそこまで気軽に入りたいとは正直思わないけど。
「まあ、放置するわけにもいきませんからね。とりあえず入ってみましょうか」
僕たちは洞窟探索の隊列で中に入った。
しばらくは緩やかな下りが続き、乾いた土の少し崩れやすい穴が続いたが、数分で固い岩にくり抜かれた自然洞窟のような造りに変わる。
「単純にバジリスクの巣ではなさそうだね」
先頭のロアンが呟く。僕たちは彼女を先頭に慎重に歩を進めていく。
ロアンの後ろに僕とレイア。コマリとGさんが並び、殿はザックが務める。
慎重に進むこと5分。ロアンが何かに気付いて、周囲を細かく調べている。
「ここに隠し扉があるよ、開閉装置も見つけた。罠はないね」
声を落としてロアンが知らせてくる。
先に確認すべきか、帰りにするべきか悩むところだ。
万一先に進んで後ろから不意打ち、なんて事は防ぎたいが、触らなければ何も起こらない可能性もある。
僕は自分の勘に従うことにした。
「ここは帰りに確認しましょう。この先をもう少し調べる方が良いと思います」
異論はなく、そのまま前進し続ける。
洞窟は大きいわけではないが、横幅3メートル高さも同じかもう少しあるか、と言う感じで、自然洞窟のようではあるが、所々に道幅を広げるかのように崩れた岩が転がっていたりする。加工した、と言うよりは何かが無理やり通った、そんな感じだ。
隠し扉の前から約30メートル進むと、洞窟は行き止まりとなった。
突き当りの壁面には扉のない門のような彫刻。
ロアンが慎重に調べると、魔法装置を起動させるためのパネルがある事に気が付く。
それをGさんが確認。
「これは、ゲートじゃな。不活性状態ではあるが、脇の操作盤で起動できそうじゃな」
「ゲート、どこに繋がっているんでしょう?」
Gさんは髭を撫でながら少し考え、答えた。
「多分じゃが、ろくでもないところに繋がっていると考えるのが妥当じゃろう。起動させずにぶち壊すのが正解だと思うが」
Gさんがそう言うのだから、そうなんだと思う。
ここにいたバジリスクが奈落から来たのなら、このゲートは当然そこに繋がっていると考えるべきだ。
ロアン、そこで動かしてみたくてうずうずするのはやめてほしい。
「壊しましょう。どうすれば壊せます?」
「どうやってでも壊れるじゃろう。門自体が魔法装置のようだから、そうじゃな、左右の操作盤ごとゲートの枠を壊せば修理もできんのじゃないか?」
僕はザックにお願いして斧で叩き壊してもらうことにする。
いざ、ザック、斧が大切なのはわかるけど、多分それくらいではその斧は壊れないから。
ザックが大きく振りかぶって、石で作られた門柱ごと操作盤を叩き壊す。
2回、3回と斧を叩きつけると、門柱の部分の岩が砕けて、門としての形が崩れた。
反対側の門柱部分も同じように壊す。
「これで修理するにしても簡単にはいかんじゃろう。さて、戻るか」
先ほどの隠し扉まで戻ってくる。
「いい?開けるよ?」
ロアンの問いかけに僕は頷く。
開閉装置を作動させると、ずず、と僅かに外側、壁の中に向かって一部がズレ動く。
「あとは人力って事かな。ザック、押してみて?」
ロアンがザックを呼んでぐっと押し込む。少し奥にスライド後、左側にわずかに動いて隙間が出来た。ロアンはそこでザックを一度止めて、隙間からランタンで照らしながら中を覗き込む。
「結構広いよ。ここを中心に左右に15メートルくらいかな。奥はかなり先まであるみたい。暗いからどれくらいあるかは分からないね。
ぱっと見だと、床の感じから人工的に作られた空間っぽいけど」
「調べるのに開けてみなきゃわからんな、ザック、左方向にスライドさせてみてくれ」
ロアンの言を受けてレイアがザックに指示を出す。
ザックは隙間から手を入れて、ゆっくりと扉をスライドさせた。
ほとんど音を出さずに扉がスライドする。
ロアンが慎重に手前を照らしながら中に入る。僕とレイアがそれに続く。
2歩、3歩と進んだところで前方から光の帯が走った。
緑に輝く光線はロアンに向かいロアンは素早い身のこなしでそれを躱す。
白い光がレイアを直撃したが、彼女には何の異常もなかった。
暗い空間の中ですら見える、闇を取り巻くように脈動する赤い光が僕の脇をすり抜ける。
「通路まで全速で撤退!」
僕は叫ぶ。
皆入り口から外に飛び出してドアの両側に散る。
「敵は強力なスペルキャスター。攻撃を受けた数から3体以上は確実ですね。とりあえずコマリは祝福を、Gさんは加速をお願いします」
そう言ってから僕は祈祷の奇跡を願う。同時にコマリによる祝福と、Gさんの加速が体を包む。
僕はポーチから錬金術師の炎の小瓶を取り出し、扉の向こう側にいるロアンに投げて渡してから、
「向かって左手の壁に投げて。正面に身を晒さないように気を付けて」
そう言ってから僕は部屋の右手に向けて小瓶を投げつける。ほぼ同時にロアンも部屋に瓶を投げ入れた。
両側面に火の手が上がる。
ロアンが中をのぞき反射的に頭を引く。
緑色の光線がそこを通過。通路の壁に当たって壁の岩が一瞬にして霧散する。
「分解光線か、洒落にならん呪文じゃな」
「空中の少し高い位置から飛んできた。何がいるのか分からないけど、人間じゃないよ。数は多分1」
「さっきは3人が同時に攻撃を受けたぞ?見間違いでは?」
ロアンにレイアが異を唱える。
僕は自分の目で確認すべく、そっと中を覗き込む。
炎に照らされた先に、浮かぶ丸い物体。上部に生える蛇のようなモノ。実物を見るのは初めてだが、恐らく、
その時、蛇のようなモノの先端と、目が合った。
僕は慌てて陰に隠れる。
「間違いないと思います。観察者です。距離20メートルと言う所でしょうか。こちらの様子を伺っていますね」
「嫌な相手じゃな。ああ見えて奴は知性が高い。こちらの嫌がる事を的確にしてくるからな。最善は密集隊形で戦う事じゃ。範囲攻撃の類は無いはず」
「では、最初に僕が中に飛び込みます。それに続いて、レイアとロアン。レイアは一気に距離を詰めてください。できるだけ相手の正面に位置するように立ち回るのがベストです。ロアンはその距離から弓で奴を狙ってください。
Gさんは僕の背後から魔法で攻撃を。魔法が使えない状況ならその場で待機してくださいね。ザックとコマリはそこを動かないで」
観察者は正面に魔法効果を無効化する範囲を持っていると聞く。その本体の中央にある主眼がそれをコントロールしているらしい。今はそれが閉じられている。こちらも向こうも魔法が使える事を意味している。ザックとコマリを待機させるのは敵の魔法に対する抵抗能力が低いと思われるからである。
奴の魔法攻撃は、いずれも致命傷になりうる。二人に攻撃が及んだ場合、取り返しがつかない可能性が高いからだ。
もちろん、他の4人が絶対に大丈夫という保証はない。
「いいですか、行きますよ」
僕はそう言って先陣を切って中に踏み込む。待っているゲイザーはそれを見てから余裕で先手を取ってきた。
先ほどと同じ3本の光線、緑、白、黒赤の光が真っすぐに僕に伸びてくる。
緑は視界の隅で歪みながらかすめ、白も横に逸れるが、黒赤の光線は僕の腹部を貫いた。
「ぐっぁあっ!」
意図せずして口からこぼれる音と血。
腹部を貫く光線が、一瞬時間をとめて、世界の色がすべて反転したような錯覚を起こさせる。続いて心臓を鷲掴みにされてそのまま引き抜かれるような激しい痛み。膝が沈みかけたが何とか踏みとどまる。だが、かなりのダメージを受けたことは間違いない。
加護が無ければ即死していたかもしれない。死神の指先の呪文か、本当に洒落にならない。
僕はそのまま奇跡の行使の態勢に入る。
レイアとロアンが飛び出し、Gさんが僕の後ろで呪文の行使体制に入った。
ロアンの放つ矢が空に浮く球体に命中し、レイアが猛然と距離を詰める。
奴もゆっくりと前進してきたかと思うと、球体の中央にある巨大な目が開かれた。
その目と視線が合い、思わず身震いする。
僕の体が僅かに沈み、地面に足裏が接地たのを感じるのと同時に、行使直前だった奇跡の力が不意に消えた。
「対魔法領域か」
Gさんが口にする。
ゲイザーの主眼、本体にある大きな目は視界内に魔法の行使を妨害する効果があるという。
先ほどまで感じていた、加速や祝福の効果は消えただけでなく、そこに在るはずの魔力の息吹のようなものも全く感じられない。
「だけど、この状態なら向こうも魔法効果は使えないはず」
僕は前進する判断をした。奇跡の力が使えないなら、殴り飛ばすしかないからだ。
接近しながら腰のポーチから回復薬を取り出そうとするが、取り出せない。これも魔法効果が阻害されている。
「くそっ」
僕は毒づきながら前進を続け、ダガーを投げる。リターニングは機能しなくても、当たれば痛いだろう。
最初の光線でごっそり体力を削られているのは不安要素ではあるが、こいつを片付けない事には回復すらままならない。
そのまま接近を続ける。
ロアンの2射目の矢がゲイザーに突き刺さり、レイアの両手刀が一撃、二撃と届く。奴はレイアを回り込むように前進を続け、僕の手も届く距離まで接近してきた。
僕はロッドを握る手に力を込めて目の前の球体を殴りつける。手ごたえはある。奴は反射的に目を閉じる…違う、意図的に目を閉じて対魔法領域の効果を切ったのだ。
蛇のようにのたうちながらそこにある小さな目から放たれる光線が僕に直撃する。
白の光線を浴び、僕は渾身の力を込めて耐える。おそらく石化だが、効果を発しはしなかった。
続いて黄色い光線が僕の体を掠めて、最後に水色の光線が再度僕に当たる。だがこれも効果は発揮しなかった。
同じタイミングでレイアにも緑色の光線が飛びそして外れた模様だ。だが、次の紫の光線はレイアに当たり幾ばくかのダメージを与えた模様。さらに水色の光線がレイアを直撃したが、彼女に影響は見られない。
僕の後方から電撃が飛来する。Gさんの攻撃呪文だ。
青白く輝く電気の帯は僕の体を見事に避けてゲイザーを直撃する。さらに、そこから放射状に延びるいくつかの電撃がさらにゲイザーにダメージを与えた。
さすがに堪えたらしい、奴は大きく体をのたうつように動かす。
「レイア、離れて!」
僕は叫びながら聖印を切り奇跡の行使の準備を行う。
奴が再び目を開ける前に。
レイアが声に反応してバックステップで下がるのを確認した瞬間にその力を行使する。
「業火!」
そこに顕現した強力な炎と光がゲイザーを飲み込む。
激しく焼かれた奴はまだ宙に浮いていたが、注ぎの瞬間、側面から突き立てられた刃がその命を絶った。
僕はレイアに重症の回復の奇跡を願い、自分にも同じく行使する。
「他にダメージを負った人は?」
あたりを見渡すと、皆無傷のようだ。この程度で済んだのは幸いだと思う。
運が悪ければ2、3人は、いや、全滅していた可能性だってある。
皆の無事を確認し一呼吸置いてから、この空間の調査を続ける。まだ、脅威があるかもしれない。
慎重に奥に進んでいくと入り口から120メートルくらい進んで行き止まりとなる。30メートル×120メートルのかなり大きな空間だ。
奥側3メートルは一段、約1メートルほど低くなっていて、その部分は明らかに加工されて段差が設けられているように見える。
「観察者はここに自分の巣を作る作業の途中だったと見える。奴らは垂直方向に自ら迷宮を広げて巣作りをするらしい」
「最近になってここに来た、って事ですよね?」
Gさんに問いを投げかける。
「恐らくは。バジリスクの出現時期と同じくらいではないかと想像はできるな」
「あのゲートを設置してバジリスクを呼び出したのもゲイザーの仕業でしょうか?」
「奴らはああ見えてかなり高い知性を持っておるし、その可能性は十分になるとは思うが」
「思うが?」
「どちらかと言えばあのゲイザーも誰かに連れてこられたのではないか、と思える。ゲイザーがここにやってきて巣を作る理由が全くと言って良いほど思い浮かばん」
なるほど、確かに文字通り何もない所に突然やってきて、巣作りを始める、と言うのは知性の高い怪物のすることではない気がする。
「黒幕が別にいる、として何のために?」
「今は大きくはないが、もう少し大きくなるのを期待していたのではないかな。少なくとも玉座門遺跡に向かうパーティーが3つも引っかかる場所であったわけじゃし」
「玉座門遺跡に行かせたくない奴がいる、と」
レイアが確信を突く。
「そうじゃな、それが一番自然な考えじゃろう。
となれば、そやつは、ゲートを設置し、ゲイザーを使役か交渉する程度には強力なもの、ということになる。
しかも単純に強いだけではない。ここが玉座門遺跡への動線にあることを計算していた、ということじゃからな」
僕たちは揃って思考を巡らせる。これからどうするべきか。
「ここに、お宝あるよ。ただ働きにならずに済みそうだ」
少し離れたところからロアンの声が響く。
Gさんはあっという間に走っていった。
僕たちもロアンの方に歩いていく。
そこには大きめのチェストと、人間とバジリスクの石像があった。どうやらさっきのゲイザーの私物らしい。私物と言っても二つの石像はどちらも生きていたものだろう。
バジリスクの石像は少し小さめで、人間も少し小さいのかと思ったが、よく見ればエルフだ。弓を引き絞って放たんとする直前の姿。
「おし、罠も鍵も解除完了!さあ、観察者のお宝拝見と参りましょう~♪」
ロアンがチェストを開く。
金貨や宝石類、あとは豪華に装飾されたネックレスと大きな目玉の意匠が施されたサークレット。これは観察者らしい意匠と言えるが、ぶっちゃけ悪趣味だ。他に指輪が2点。
とりあえず戦利品なので確保する。少なくともこれで赤字は無さそうだ。
「Gさん、こっちの方も助けてあげないと」
僕はGさんに声をかける。
Gさんは「どれ」と言いながらやってきたが、その石像を見て一瞬固まった。この反応は知っている人なんだと思うが、その後のGさんの挙動が若干おかしい。
「石化を解除するのに、魔力破りしか用意しておらん。少しその石像を移動させてくれんかな。バジリスクの石化まで解けると厄介じゃからの」
ザックに手伝ってもらい、石像を慎重に動かす。
これくらい動かせば大丈夫だろう。
「それでは、始めるか」
大きくため息を一つ吐いてから、Gさんは呪文を唱え始める。
いくつもの複雑な図形と言葉が混じり合うように地面に定着していき、発動の条件が整ったようだ。
「魔力破り」
Gさんが告げると、地面の文様は光を放ち、消え去った。同時に、石化していたエルフは生身の体へと戻る。
石像の時には気が付かなかったが、エルフは女性であった。
軽装とは言え鎧を着ていると、声を聞くまでは、いや、声を聞いても性別が分からない事はよくある事だ。エルフの僕でも間違う事があるレベル。他の種族だと見分けにくいだろう、実際人間は男でも女性だと思い込むことが多い。
「あ、れ?ここは?」
彼女は引いていた弓をゆっくりと戻して、あたりを見渡す。
「ガイア、ガイアじゃないか!」
彼女は驚くほどの速さでGさんに飛びついた。どうやら旧知の仲らしい。
彼女はその細い腕でしっかりとGさんを抱え込んでいる。
「ちょ、ケイトリン落ち着け!苦しいぞ」
Gさんは困惑の表情を浮かべ、苦しそうにしながらも、彼女を引き離そうとしているが、彼女は微動だにしない。
「いやー感動だよ!観察者に石像にされて、このまま『世界で最も美しいエルフの像』として永遠の時を過ごすことになると思っていたけど、まさか君が私を救ってくれるとは!
うんうん、これはまさに運命だね。星が導き天が定めし運命!ガイア、君もそう思わない?」
「分かったから、ケイトリン!とにかく手を離せ!」
ケイトリンさんは少し興奮気味にガイアさんを捕まえたままでいる。
ガイアさんはますます赤い顔をしながらもがいている。
あーさんは過剰なスキンシップが苦手なんだな。
本当に苦しんでいるようには見えなかったので、しばしそのままにしておこう。彼女もじきに落ち着くだろう。
そして、頃合いを見てから話しかける。
「Gさん、そろそろこちらの方をご紹介いただけませんか?」
僕の声に先に反応したのはケイトリンさんの方だった。
「おっと、これはとんだ失礼を致しました。私はケイトリン・グリーンウッド、その名の通り天を突くと言われるレスパレイト山脈の南に広がる…<中略>
…でございます。冒険者風に言えば軽戦士にて探索者、少々魔法も嗜みます故、魔弾の射手等とも呼ばれます。以後お見知りおきを」
そう言って芝居がかった大きな一例をして見せる。
多少は短くまとめて…いるつもりだと思うが、紛れもないエルフの物言いだ。
「とりあえずだね。久しぶりに喋って喉はカラカラだし、おなかも空いている。と言う訳で食事にしないか?」
彼女の提案でひとまず休息をとることになった。これだけ広ければ火を焚いても大丈夫だろうし、確認した限り周囲に脅威は無いので、外で休息するよりも安全だろう。
僕は火を起こしてお茶と、簡単な食事の準備を始めた。




