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第九話 森の恐怖


 さあ着いた。

 夜の森、その響きだけで鳥肌が立つ。

 別に怖がりっていう訳でもないが、夜の森なんて誰でも怖いだろう。


 でも今は恐怖心よりも好奇心が勝ってしまう。


 ゴブリンを倒してLVをあげたり、あのモンスターも倒して自信も着いた。


 敵が出てきても戦えばいいだけだ。


 俺は覚悟を決め、唾を飲み込む。

 行こう。


 怖がりながら俺は森に入る。

 周りは暗く、いつモンスターが出てきてもおかしくない。

 まるでホラゲーの様だ。


 このまま森を歩いているだけでは面白くない。モンスターが出るのなら早く出てきてほしいところだ。


 なんて事を言っていると...「ぐぉぉ、」

 

 で、出た。

 俺の前にはホラゲーでお馴染みのゾンビが立っていた。

 『おいおい、モンスターが出ることは覚悟してたが、ゾンビはしらねぇよ。』


 予想外だ、でも多分このゾンビは、ホラゲーに出てくるような感染系のゾンビではなく、ファンタジー系に出てくる、モンスターとしてのゾンビだ。


 よし、戦う準備は出来た!来い!

 「ぐぉぉ!ぉぉ!」


 急に襲いかかってきたけど、予想以上に攻撃が遅いな。まあゾンビだし、死にかけだからか。


 じゃあ次は俺の番だ、喰らえ!

 (アンデッドバーン!)


 グチャァァァ、バタ。


 ゾンビは溶け、地面に倒れた。


 アンデッドバーンはアンデッド系に強い俺が作り出した独自魔法。意外に効くもんだな。


 ゾンビとなるともっと強いと思っていたが、正直雑魚だった。


 「ぐぉぉ、」


 ん?またゾンビ?

 いや違う、復活したのだ。そうだ、すっかり忘れていた。

 こいつはゾンビだ、生き返らないはずがない。


 じゃあもう一回!(アンデッドバーン!)

 グチャァ、バタ。


 「ぐぉぉ、」

 駄目だ、このままじゃキリがない。

 そうだ、攻撃をして溶けている間に逃げてみよう。


 (アンデッドバーン!)

 よし!逃げよう!

 俺は森の奥の方に走った。


 そうして逃げること1分、ゾンビの姿が見えなくなったということは、逃げ切れたのだ。

 レベルアップの音が来てないということは相変わらず死んではいないか。


 「ぐぉぉぉぉ!ぐぉぉぉぉ!」


 遠くからさっきのゾンビの声が聞こえる。

 だがさっきとは少し違う鳴き方だ。


 何だ?徐々に変な音が...

 ジャリジャリ、ジャリジャリ、


 地面から音が、って、手!?


 地面から手が生えてきていた。

 それも数本ではない。数万本だ。

 あのゾンビ、まさか仲間を呼んだのか?

 

 これはまずい、逃げないとゾンビの大群に襲われることになる。


 俺は森を引き返し、草原へ向かった。


 時間が経つにつれて、手、体、頭、どんどんゾンビの体が明らかになってくる。


 こいつらが出てくる前にこの森を抜けなければ、確実に俺は死ぬ。


 そう考えると走る速度が勝手に早くなる。


 森のどこにいってもゾンビの体がある。

 多分森全域がゾンビの活動範囲なんだろう。


 それはそうと、走っても走っても森の出口は一向に見える気配がない。

 だがそれに比べてゾンビが完全に出てくる気配はどんどん増す。


 もう足の三分の一あたりまで出てきている。


 あと5、4、3、2、1、0。

 ついにゾンビが出てきてしまった。


 俺の前にはゾンビ、後ろにもゾンビ、横にもゾンビがいる。開始早々囲われてしまった。


 『ワープ!ワープ!』

 どれだけワープしても、森が広すぎて俺の想像力じゃ抜け出せない。


 まだ五年しか生きていないのに、こんなところで死ぬのか、俺。


 俺は何か起こることを願いながら体を丸める。


 (何か、何か起こってくれ!)


 「アンデッドファイナル!」

 「ぐぉぉぉ、」ぐちゃぁぁ、


 俺の周りのゾンビは全員溶けていた。

 つまり誰かが助けに来たということだ。

 助かった、なんとか助かった。


 「帰るぞ。」

 そこにいたのは父だった。

 どうやら俺を心配して助けに来たようだ。


 やっぱりどんな世界でも父は強大な存在だ。


       ーーー続くーーー

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