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第七話 成長


 あれから五年が経ち、俺たちは平和に暮らしていた。

 俺もすっかり歩けるようになり、言葉もまともに発することが出来るようになった。


 そんな俺は、最近日課にしている事が一つある。

 それは...「魔法」の練習だ。


 せっかく異世界に来たのに魔法を打たないなんて勿体無い。

 そのため俺は、一日一匹、家の周辺のゴブリンを狩っているのだ。


 そして今日も日課のために外へ出る。

 『行ってきまーす!』


 この日課を毎日しているお陰で俺はもう13LVになった。

 想像力も知能も上がって、ある程度魔法に慣れてきた。

 

 と、そんな事は置いといて、ゴブリンがいた。

 『よーし、今日も一発やりますか!』


 頭の中で打ちたい種類の魔法を浮かび上げて、手を前に出す。そして脳内で魔法を叫ぶ!

 (シャドウボール!)


 ブシュン!ブシュン!

 手のひらから無数の闇の球が出る。


 「ブギ!?」

 

 ゴブリンが驚くと共に、俺の耳にはある音が聞こえてくる。


 経験値6↑ LV14まであと42の経験値


 そう、もう倒したのだ。

 毎日毎日色んな種類の魔法を打っているが、ゴブリン相手だと闇の魔法が一番倒しやすいのだ。


 火だとゴブリンは皮が暑いからすぐ倒せない、水は一切効かない。

 だが闇は一瞬にして瞬殺できる。


 ゴブリンを倒した事だし、家に帰るとしよう。

 『ただいま。』

 「おかえりロイド!もうご飯できてるわよ!」


 そうだ、すっかり忘れていたが、俺はご飯も食べれるようになった。


 『いただきます!』


 『うん!美味しい!』

 「本当?ありがとう!」


 やっぱり母という事もあってか、ミレアのご飯は他の料理とは比にならない位に美味しい。

 ただ、前の母の味とは少し違う。


 前の母の事を思い出す度に、俺は一、二滴涙を流してしまう。


 「どうしたの?怪我でもしたの!?」

 『大丈夫、ただ目にゴミが入っただけだから。』

 「ならいいけど...」


でも前の母がまだ死んでいない可能性があると考えると少し心が楽になる。

 (母さん、生きててくれよ。)


 そうして俺はご飯を食べ終える。

 『ご馳走様でした。』


 ご飯を食べ終えてからはスケジュールがない。いつもは読書をするのだが、もうこの家にある本は昨日で全て読んでしまった。


 じゃあこれからどうしようか...そうだ

 (外に出て冒険でもしてみようか。)


 そうと決まれば早速家を出よう。

 『母さん、ちょっと外に出てくる。』

 「また行くの?気をつけてね。」


 ガチャ。

 もう歩けるようになったことだし、さて、どこに行こうか。


 徒歩で行けるところとなると選択肢が絞られてくる。

 一つ目は「山」、二つ目は「川」、三つ目は「森」だ。


 森は危なくて絶対に行けない。

 二、三年前に父さんが森には恐ろしいモンスターがそこら辺にいると言っていたからだ。


 となると山か川だ。

 うーん、どちらにしようか迷うが...時間はある事だし、ここはいっそ、どっちにも行ってみようか。


 そうして俺は先に川へと向かう。

 川への距離は大体1kmくらいだ。


 走ればすぐ着くだろう。


 時間はあるとは言え、二つの場所に行くとなると走らないと間に合わない。

 何と不思議なことに、こっちの世界では俺の運動神経は優れている。


 前は体育祭で邪魔者扱いをされる程に遅かったが、今はその1.5倍くらいに感じる。


 それから五分後、川に着いた。

 そこにある光景は最高だった。


 透き通った水、自由に泳ぐ魚たち、こんな綺麗な自然は初めて見た。


 だが何かがおかしい、モンスターの声が聞こえるのだ。

 俺は視線を後ろに向ける。


 そこには、2mくらいの魚とドラゴンを合成したような見た目のモンスターがいた。


 『やべぇ、勝てるわけねぇ。』


      ー続くー

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