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第十二話 試練 後半


 さて、これからどうしようか。


 普通に魔法を打ったら逃げられる。じゃあ何かそれに対応できるような特殊な魔法を打つしかないか。


 考えろ、考えろ。


 『ガード!』

 カンッカンっ!


 くそ、こんないつ攻撃されるかも分からない戦場で考えるなんて無理だ。


 だからって逃げるのも絶対に嫌だ。ここで断念したら当分外に出れなくなるどころか、試練を諦めたペナルティ何て言われて外出禁止期間を延長されるかもしれない。


 『ガード!』

 カンッカンッ!


 ずっと攻撃を受けているだけでは駄目だ、想像力が上がっていると言えど、こっちにも想像力に底がある。


 「お前、男なのに剣ではなく先程から魔法しか打ってこないな。」


 『男?女?そんなの関係ないだろ。』


 「はは、そうかい、気に入った。」


 ん?剣?そうだ、剣だ。相手は魔法ではなく剣なのだ。

 魔法を打ち消す魔法は駄目でも、剣を打ち消す魔法はいけるかも。


 でもそれがもし禁忌だったら...いや、ここでビビっていては駄目だ。これしか手段がないんだ。


 『ガード!ってあ!』


 俺はつい、打つ方向を間違えてしまった。


 ジャキンッ!ブシャァ!


 俺の腕から大量の血が吹き出る。

 『くそ、痛い、痛い。』


 俺は痛みに伴って本能のままに怒った。

 『お前、殺す。』


 (剣よ、砕けろ!)

 ガガガガガガ、ガンッ!


 その瞬間、騎士の剣の部品が、粉々に四方八方への砕け散った。


 「何だと!汚いぞ少年!」

 汚いも何も、お前が剣なんて使っているのが悪いんだろうが。


 その瞬間、騎士はものすごい速さで森の奥へと逃げていった。


 『逃がさねぇよ!ダークボール!』

 シュンシュン!


 これが当たらなければ逃げられてしまう。頼む、当たってくれ。

 「ぐおおおお、う、動けない。」


 効いてる、効いてる!

 今だ、畳み掛けるんだ!


 『ダークボール!ダークボール!』

 「もう、駄目だ。」


 騎士は闇に飲み込まれ、消え去ってしまった。

 よし、これで試練クリア、、、?


 何でだ?倒したのにLVが上がらない、でも確かに倒したはず...!?


 グサッッッ!!!

 俺の背中に剣が刺さった。


 「誰が魔法を使わないと言った?」


 卑怯だ、さっきまで男が何だとか言っていたやつだとはとても思えないくらいに。


 こいつはあの後、魔法で何処かに逃げ、剣を魔法で作り、俺の背後へとワープしてきたのだ。


 『駄目だ、もう、目の前が......』

     バタっ!


 倒れる前父の心配する姿が見えた。













 「ぶか、丈夫か、大丈夫か!おい!起きろ!起きろ!」


 そこには心配して俺を起こす父がいた。


 『ここは、、家?』


 「ああ、家だ、お前が死んでいなくてよかった。」


 そうか、俺、あいつに刺されて...


 あ、というか、これは、試練失敗だよ、な?

 あれだけ頑張ったのに、成果なしかよ。まったく、割にあってねえ。


 『父さん、俺、試練失敗したの?』


 俺は低いトーンで父に問いかける。


 「いや、成功だよ、大成功だ。」


 どうやらあの後、騎士はダークボールのお陰で弱っていたようで、俺を刺した後、倒れてしまったらしい。


 『成功、成功?やった、ヤッタァァーーー!』


       ーーー続くーーー

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