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エルフの里は焼かれがち  作者: 北川やしろ
2. ラグナシティ編
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2-21. ラグナシティ大災害

 ドカーーーーン!!!


 建物が大きく揺れるほどの地響きと爆音がすると、ゆっくりと時計塔が根元から崩れ落ちた。


 人々はその光景をただ呆然と見ていた。

 時計塔だったモノが地面に瓦礫の山に変わると、爆風が人々を襲った。


 爆音によって市場のテントや周囲の一部の木造の建物が崩れ落ち、爆風がそれらのものを吹き飛ばした。

 人々は腕などで顔や頭を覆うが、飛来物などで多くの人が怪我をしていた。



 「おい!大丈夫か!?」

 「大変!建物に挟まれてる!誰かこっちに来て!」

 「誰か医者はいないか!?出血が激しい!」

 「キャァァァァァァァァァ!!!!!!」

 「ウチの子がいない!?どこなの!?」

 「おい!それはウチの商品だ!勝手に持ってくな!泥棒!!」



 けが人を心配する者、治療をする者、ただ闇雲に叫び声を上げるだけの者、この気に乗じて盗みをする者、子供や家族を探す者。

 再び市場はパニックとなった。


 すると近くの建物の屋根によじ登った男が大声で叫んだ。


 「教会裏の発電所が爆発したぞ!大量の燃料に引火した!火がこっちに向かって来ている!早くここから逃げろ!!!」

 モクモクとした黒い煙と赤い火柱がが時計塔のあった場所から立ち上っているのが見えた。


 その光景にその場の全員が凍りついた。


 「キャァァァァァァァァァ!!!!!!」

 「押すな!やめろ!」

 「た、助けてくれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」


 一斉に人々が同じ方向に向かって駆け出した。


 狭い市場を先を争うように押し合う。

 当然事故は起こった。


 一人が転倒すると、その人に躓きさらに転倒する。

 転倒した人には構わず、踏みつけたり蹴りつけたりと、誰も他人のことまで気を回せる者はいなかった。

 誰かを犠牲にしてでも生き残ろうとした。

 そこに広がっていたのは地獄絵図だった。



 私は時計塔が崩れ落ちるのを見るとすぐ、近くの石造りの建物の2階にある窓枠の鉄格子にジャンプしてしがみついた。

 足元では人間達が悲鳴を上げながら押し合いをしていた。


 体を引き上げ、屋根の上に立つと周囲を見渡した。


 赤々とラグナシティの町は燃え上がっていた。

 今度は生暖かい強風が吹きつけた。


 その強風によって火はより一層勢いを増した。

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