表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エルフの里は焼かれがち  作者: 北川やしろ
2. ラグナシティ編
47/58

2-18. 穏やかな朝

 布団に入っても中々寝付けなかった。


 このソルガム王国の科学技術力は予想以上のものだった。

 電気の存在をはじめ、戦車に路面電車。

 まさか飛行機やヘリコプター、ドローンもありますとか言いださないことを祈りたい。

 今までの考えを一度全てリセットする必要があるかもしれない。

 

 

 「おはよう」

 アイリスの声で目が覚めた。

 いつの間には眠ってしまっていたようだ。


 「この布団っていいね。藁よりも暖かいしチクチクしないからぐっすりだったよ」

 アイリスは初めての布団を随分気に入ったようだった。

 「エルフの里にも導入してみる?」

 「いいね!それ!」

 今日もアイリスの弾けるような笑顔が見えた。


 「おはようございます。よく眠れましたか?」

 リビングに来た私達にセバスチャンはにこやかな笑顔で声をかけた。

 「おはようございます。おかげさまでよく眠れました。ありがとうございます」

 「それはようございました。朝食の準備が出来ていますので、お召し上がりください」

 テーブルの上にはトーストとサラダ、スープが置いてあった。

 目玉焼きとかもあってよさそうに思ったが、そこはエルフ仕様にしてくれたのかもしれない。

 「ありがとうございます。いただきます」

 私達は感謝を述べると食卓に着いた。


 「おはようございます。お早いですね、お二人とも」

 眠気眼のアリスが私達よりも少し遅れてやって来た。

 「おはようございます。お先に頂いてます」

 「いえいえ。どうぞ召し上がってください」

 まだ眠いのかアリスはどこかフワフワとした口調で言った。


 「今日はどうなされるんですか?」

 朝食後、長い銀髪をセバスチャンに櫛で梳いてもらいながらアリスが訊ねてきた。

 「今日も昨日と同じでいいんじゃない?」

 アイリスは提案した。

 「う~ん、どうしよう…」

 私はその提案に少し考え込んだ。


 昨夜セバスチャンから様々なことを聞いた。

 おそらくよりこの町で得られる情報はすでにないのかもしれない。


 突然外からドンドンという空砲が聞こえた。

 「何!?」

 思わずアイリスがは構えた。


 「新たな教会の完成を祝う祝砲ですよ。確か、今日から運用が開始されるとか」

 「教会?って『神聖教会』のことですか?」

 私はセバスチャンに訊ねた。

 「ええ。名目上は布教活動の一環ということですが、本当の目的はこの町の統治と監視でしょうね」

 「ということは、サハラン族はもうダメなんじゃないですか?」

 「しばらくは大丈夫でしょう。まだこの町には中部のほかの町や南部からの移住者が多いですからね。彼らは北部ほど教会のことを信じていませんから。いきなりサハラン族を取り締まってしまうと返って反乱が起きる可能性がありますから。徐々に圧力を強めてサハラン族の方から出て行くようにするか、改宗を求めるのではないかと思いますよ」

 「なるほど」

 私はセバスチャンの言葉に頷いた。


 「いつの間にセバスチャンと仲良くなられたのですか?」

 アリスが少し不満げな顔で訊ねてきた。

 「そうだよ。さっきからなんだか二人だけで盛り上がっちゃって」

 何故かアイリスも加わった。

 「いえいえ。昨夜少々お話をしましてね。私が一方的に昔話をして、それをリーナ様に聞いていただいたいていただけのことです」

 セバスチャンは冷静に二人を嗜めた。


 「それより、今日は教会の新設を祝うお祭りが市場や町中で行われるそうですよ。人ごみに紛れるなら絶好の機会かと思います」

 「そうなんだ」

 アイリスがチラリとこちらを見た。

 どうやら一緒に回りたいようだ。


 「アリスとセバスチャンさんはどうされるのですか?」

 「私達も市場へ行く予定でした。商いをする場所の下見も兼ねながら、今日はかなりの人出が見込まれますので、万が一アリス様のお姿を見られても気付かれなさそうですので」

 セバスチャンはそう言うとアリスも隣で頷いた。

 「そうですか。では私達は二人で回ることにします」

 そう言うと隣のアイリスの表情がパッと明るくなった。

 まるで散歩に行く前の犬のようだなと思ったことは内緒にしておく。


 「ではお夕食を準備してお待ちしております。お気をつけて」

 セバスチャンはそう言うとにこやかな笑顔を浮かべた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ