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エルフの里は焼かれがち  作者: 北川やしろ
2. ラグナシティ編
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2-2. 大罪

 「ここが私達の場所みたいだね」

 私と同じく作戦を終えて里に合流したアイリスは割り振られたテントを指差した。


 洞窟にあったテントはその大半を置いたままにしてきた。

 それは作戦上、まだエルフ達が住んでいると突入してきた人間達に思わせるためだ。

 そのため今河川敷に建っているテントはそのほとんどが新たに作ったものだった。


 真新しいテントに入るとアイリスは内部を隈なく観察した。

 「ちょっと狭いね」

 まず出た感想はそれだった。


 「材料が少ないって聞いてたけど、それでかな?」

 アイリスは自らが知り得た情報を元に推測する。

 「ねぇリーナ、聞いてる?」

 「えっ、あっ何?聞いてる聞いてる」

 つい別のことを考えていて返事をするのを忘れていた。

 慌ててアイリスに謝った。


 「本当に?」

 「本当本当。材料が少なかったって話でしょ」

 一応話は聞いていた。だからきっとセーフのはずだ。

 「どうしたの?さっきから上の空な感じだけど?」

 私の異変にアイリスは心配そうな顔をした。


 「いや、ここに来たときにミーシャさんに怒られちゃってさ」

 「怒られた?何かしたの?」

 「それがよくわからないんだ。急に怒り出しちゃって」

 「急に?何もしてないんだよね?」


 「うん、木を伐採して家建てればいいんじゃない?って言っただけなんだけど」


 その言葉を聞いた途端、アイリスは私の両肩を強く掴んだ。


 「そう言ったの?」

 「えっ。うん、言ったけど?」

 「それはミーシャさん怒って当然だよ…」

 アイリスは眉間にシワをよせて険しい表情をした。

 彼女がこんな表情をするのは珍しい。


 「えっ、そんなマズかった?」

 「相当だよ、それ」

 「嘘?何で?」

 どうやら何かとんでもないことをしでかしていたらしい。


 「エルフにとって木は神様みたいに神聖なもの。倒木や枝打ちした物ならまだしも、生きてる木を伐採するなんてとんでもないことなんだからね」


 アイリスは少し怒りの表情を浮かべていた。


 「そう言えば、エルフの心がないのか、みたいなこと言われた」

 「それだよ、それ。ミーシャさんはとりわけエルフの伝統とか格式とか大事にするエルフだから」

 今になって思い返せば、エルフは森の民と呼ばれるくらい自然を大切にしてる種族だったはずだ。

 何かの作品で大切にしすぎて手入れをしなかった結果、逆に森が荒廃して被害を受けたなんて話もあったなと思い出す。


 「これはやっちゃったなぁ…」

 思わず頭を抱えた。

 何故あの時気付かなかったのだろう。


 「ちゃんと謝ればわかってくれると思うから」

 アイリスは私を慰めた。

 明日ちゃんと謝りに行こう。

 そう決めた。

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