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エルフの里は焼かれがち  作者: 北川やしろ
1. エルフと私
28/58

1-28. 終焉

 赤々と燃え上がるかつての居住地を見ながら私は内部で繰り広げられているであろう地獄絵図に思わず目を伏せた。


 「本当にやっちゃうなんてね…。どうしてあんな残酷なことが出来るんだろう。同じ種族なのに…」

 隣にいるアイリスはその光景にポツリと呟くとそれ以上は言葉を失っていた。


 各里の幹部による説得により、翌日には全員が炎竜の棲み家と呼ばれる森へと移動した。

久しぶりの外の景色に多くのエルフがウキウキと興奮を隠せない様子だった。


 全員の移動が完了しておよそ一ヶ月後、予定通り偽情報を流すことにした。

 実行したのはノースフォレストのエルフ達だ。


 そしてその情報に人間達は想定通り食いついた。

 まず動いたのはやはり商業ギルドだった。

 金ズルの消滅など彼らが見過ごすはずがない。

 政府に向けて早急に作戦を実施することを強く要望した。

 それを受けて政府も作戦の実施を決めた。

 首都から指揮官と特殊部隊数名が派遣された。

 そして約一ヶ月に亘って洞窟周辺の調査が行われた。


 そこで部隊は洞穴の中にエルフが出入りしていることを確認し、ついに作戦が実行された。

 しかし実はその出入りしているエルフは偽物だった。


 入り口周辺が見張られているということはわかっていた。

 そこでジニーなど『転写』のスキルが使える者が人形を操り、まるで今もエルフが内部で生活しているというふうに装ったのだ。



 商業ギルド壊滅作戦は何とも残酷なものだった。

 まずエルフ達が隠れ住んでいる穴の中に商業ギルドの集団を先に送り込む。

 そして全員が洞窟内に入ったところで、内部に油を流し込み火をつける。

 その後逃げのがしを防ぐためと証拠を隠すために洞窟の穴を完全に塞いでしまうというものだった。


 しかしそう簡単に政府の考えた作戦にヤツらが乗ってくれるとは限らない。

 そこで政府は早い者勝ちで捕らえたエルフは捕らえた者が好きにしてよいという決まりを作った。

 早くエルフを捕まえれば捕まえるほど金になる。

 金に目が眩んだ商業ギルドは喜んでその条件を飲んだ。

 裏で自分達を抹殺しようとする作戦が行われているとも知らずに…。


 金に目が眩み正常な判断が出来なかった。

 それに尽きるだろう。

 エルフにも、政府にも騙されたとは何とも気の毒だが、彼らは多くの犯罪行為を行っていたと思うと自業自得だと思ってしまう。


 もくもくと洞窟から上がる煙が急に止まる。

 人間達がなにやら入り口付近で作業しているのが見える。

 当初の計画通りに作戦はすべて順調に進んでいるようだ。

 となると、これで作戦は終了となる。

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