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語り継がれる詩《ウタ》  作者: アルエルア=アルファール
第二章 刻まれる詩
34/63

降臨


――轟音。

地の轟きと大気の震えが最高潮に達する。


魔方陣の放つ青い波光が、

招いた存在に呼応するように白色(はくしょく)を強め、一際強く輝く。



光の影の中。

アルアだけが招かれた人物を見据え、その姿形を捉える。



――白金の長髪靡かせる男性。


白肌に纏う白の戦装束は、どの地でも見たことが無い意匠を施され……。

だが、激しい戦闘を経たと思われる程に裂け、砕かれ、

その有様は帰還したばかりの兵士の様相を呈していた。


縦に割れた金の瞳孔を依代である刀へと向け、

あろう事か刀身を直に握り込む。


しかし、滴るはずの鮮血は無く。

代わりと言わんばかりに剣気を迸らせる。



光を強めた魔方陣が役目を終えて霧散する。


明かりを無くし、視界を奪われた皆が動揺する中。

漆黒の闇に包まれ、静寂が支配する世界に。



声が響く。



「夜、か……」



静かで小さい呟きだったにも関わらず、

上空から響く声をこの場に居る全員が聞き取り……。


奥底に秘めたる激情の規模を感じて。


この場で一人だけ、オルネアだけが戦慄していた。



――――キンッ。



かつて――。


灰島でアルアの髪が切られたときのような。


軽く、軽く。


澄み渡るような音がして……。



――夜が断たれる。



割れゆくサンクレーネの月。


頭上で行われる世界の書き換えに。

灯るはずの無い月光に照らされながら、誰も彼もが呆然とするのみ。


月光が照らすアーヴァンの上空。


皆が見上げる其処に。

触れる事さえ叶わない刀を携えて。



――(つるぎ)の果てが、黒色(こくしょく)を見下ろしていた。


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