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語り継がれる詩《ウタ》  作者: アルエルア=アルファール
第一章 紡がれる詩
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極東の灰島


色さえ燃え尽きてしまったかのような灰色の景色。

土台となる大地と、降り続ける灰の雪だけが存在する焦土。


――東の果て、極東の灰島。


海に囲まれた列島だと聞かされて、如何に海越を……と考えていたが。



「【ミーセット・ミーア】、【ウォルド・フィエス】……」



光の線が海を越え、吊り下げ式の荷車が線を走り……。

半刻も過ぎぬうちに上陸できてしまった。



「発想の出力が独創的だ。エルフは皆このように魔法を扱うのか?」



「これですか?

あ~……、確かに人と比べると考え方というか理の結び方が違いますね。


人は魔法をひとつの理として定義しがちですけど、

エルフは複数の理でひとつの魔法を定義します。


要は組み合わせの発想が柔らかいんですよ。

潜在魔力量の多さからそのようになったとも云えますけど」



空への警戒を最大限に、依代探索へと移行する。


探索と云っても見渡す限り灰の山だ。

反りを持つ片刃と、形こそ特徴的な刀だが……。

ここから探し出すとなれば困難を極めるだろう。



「刀が降ったと聞いたんだろう?どの辺りか検討はついているのか?」



「いやぁ~。降ったということしか聞いて無くてですね」



「どんな奴から聞いたんだか……」



「辺境村クルリのハマナというお爺さんから聞きました。

……かなり酔っ払ってましたけど」



「信憑性の欠片も無いな」



「私だって初めはそう思いましたよ~。

だ・か・ら、信憑性を高めるためにとある魔女を訪ねたんです。


訪ねたというか……ハマナさんと一緒にお酒飲んで酔っ払ってたんですけどね……」



『――極東には、炎に覆われ灰の降る島があるんだぜぇ~!』


『――その炎、最近になって、消えたわよぉ~。

 始源の刀が、降った日に、ね』



「あんな辺境の噂話が、依頼となってリトヴァーク王の口から飛び出すんですもん。

びっくりしちゃいまし…………あっ!!


高位の魔女ってルファシアさんだったんだ!」



「おい、勝手に話を進めていくな」



「ごめんなさい、いろいろ繋がっちゃって……。


要するにです。

炎に覆われていたこの島は、始源の刀が降った日に炎が消えた……」



「そしてその場所は結局分からない、と」



「えっへへー!」



鋭く小突きたくもなるが……、余力は取っておいた方がいいだろう。


降り続け、積もり続ける灰。

視界全てが灰色に包まれるこの島で、

神経をすり減らしながらたった一振りの刀を見つけ出さなくてはならない。



「私が見て回るので、オルネアさんには警戒だけお願いできれば……」



「そうもいかないだろ。


……人界の守護者ってのをオレだって求めてる。

オレひとりじゃ、手の届く範囲にいる人しか救えない。


だからこそ、一刻も早く見つけだしてやらないとな」



――依代に刀。

アルアの云う事をそのまま信じるのであれば、

呼び出される存在はドラゴンに対抗できる可能性が非常に高い。


大いなる者を裂き、その命を終わらせてやれるのは、刃のみ。


逸る期待に研ぎ澄まされた五感が、僅かに響く鈍色を捉える。

その気配は、列島の中央から発せられていた。



「――向こうだ」



「ちょ、ちょっとオルネアさ~ん!速いですって~!」



エルフを小脇に抱え、灰の山を疾走した。


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