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想いの声  作者: 友川創希
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第46話   お題【僕side】  

 まさかここまで壮大なパーティーを企画してくれているなんて少しも思わなかった。来る時はこんなこと1ミリも予想してなかったから、クラッカーの音がした時はかなりびっくりした。でも、この何十億人が生きてる世界にいるたった1人の僕に対して祝ってくれることはすごく心が喜んでいる。


 もちろんまだお母さんが、お父さんが帰ってこないこと、三織のお母さんとお父さんもまだなことなど心残りはある。でも、その隙間を埋めるかのように皆は楽しい時間を僕に与えてくれている。


 なんて幸せなんだろう。うん、僕は。


 人生が終わりだと思っていたあの時の僕に言いたい。人生は続いていたよと。


「んー」


 あのゲームのお題は次は月の番だ。


「恋愛系ね。好きな人ができてから何ヶ月、もしくは何年付き合って告白する? 元々親しかったとかは各自で設定して」


 おー、ガチの恋愛のお題が来た。何ヶ月で、もしくは何年で告白するか? まあ、僕はそういう経験がないから実感はあまりわかないけど、どれぐらいでしたいか。たしかに長すぎても短すぎてもあれだもんな。


「んー悩むな」


「やー難問」


 さっきの2人のお題よりも皆、悩んでる感じだった。


「じゃあ、オープン」


「ほい」


「……え、ホント? 皆、3ヶ月?」


 なぜだかわからないけど、皆が3ヶ月と答えた。これはキセキ? それとも偶然?


「でも、3ヶ月短くない?」


「そう思ったけど、なんかそう書いちゃった」


「私も」


 蒼佳の「短くない?」の言葉に頼希と三織が反応する。よくわからないけど3ヶ月。魔法みたいだった。……。


「まあ、全員勝ちってことで!」


 月がよくわからない展開を丸く収めた。次は三織の番。


「では。んー。じゃあちょっと知識的な問題になるけど……。日本にはいくつ駅があるでしょう!」


 日本にある駅の総数? 検討もつかない。んー。1つの都道府県に100個ずつあるとしたら……4700個。200個ずつあると考えると……9600個。でも、東京とか駅の数が桁違いだし。5000は超えそう。皆もどうやって計算してるのかは不明だが、手を使ってなにか計算していた。


「じゃあ、オープン!」


 自分の答えを見せ合う。


「えっと、蒼佳ちゃんが6000個、月ちゃんが12000個、頼希が30000個、世が13000個、で私は9000個。答えはだいたい9000個だけど今回は月ちゃん!」


「へー、そうなんだ」


 頼希が興味深そうに言う。頼希はかなり盛りすぎてたな。でも、9000個日本に駅があるのか。これが多いのか多くないのかはよくわからない。それはそうと、今回は月が勝利を手にした。


 最後は僕の番か。なんかいいお題、ないかな。結構いい線の問題。


「じゃあ、世、お願いね」


「わかった」


 んー、お題ね。いい感じのが思いつかないな。もう5回目、だし。


「じゃあ、3つのうち独り占めしたいものをアンケートとって羽田空港っていう割合は?」


 これはもう勘。考えるような問題で、考えない問題。


「1つ目が羽田空港、2つ目が東京ドーム、3つ目が東京スカイツリー」


 最後にふさわしい(?)問題になったんじゃないだろうか。僕だったらどれを1人じめしたいか。


「羽田空港は飛行機とか憧れるし」


 と月が言い、


「東京ドームは鬼ごっこできそうだし」

 

 と頼希が言い、


「東京スカイツリーは夜のデートとか最高だろうし」


 と蒼佳が言い、

 

「どれもいいよね」


 と三織がまとめるようにそう言った。


 4人の言ったこと聞いてると、どれも魅力的だ。どれも選びたい。これは自分の好みによってもかなり変わる内容だろう。


 僕はこれくらいかなと言う数字を悩みながらも書く。


「じゃあ、もうそろそろオープン!」


 皆が僕の出したお題の答えを見せ合う。


「蒼佳が50パー、月が30パー、頼希が20パー、三織が40パー、で、僕が45パー。ということは……勝者は三織!」


「おー、最後は三織ちゃんか」


「でも、ほんとに1人じめしてみたいね」


 たしかになんか高級ホテルに泊まれるときみたいに憧れる。


 最後は三織の勝利で、この勝負は締めくくられた。


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