賛歌
讃歌
ちいさな声が歌う
よく生きた よく生きた
年月が雪だるまのように大きくなっていくと
ちょうど良い重さになって
坂を転がり落ち始める
スピードが増すのは
気のせいなのか
どんどん気持ちよく
転がり落ちていく
妨害物など乗り越えて跳ね飛ばして
ちいさな声は
合唱となって
歌声は高らかに
天井を突き破り
天へと駆け上がる
言葉に羽が生え
ふわりと降りてきて
魂をかきあげて
抱きしめる
よく生きた よく生きた
えらかった えらかった
良かった 良かった
あなたが あなたで
これ以上何も望むことはない
生き抜いたこと
ただそれだけで
とてつもないすごいことなのだ
この世でただ一つの命は
どのぐらいの長さがあるのか
私は知っている
永遠という無限の長さ
とても貴重で
金にも金剛石にも
変えられない
宇宙でただ一つの存在
声高らかに
歌おう
辛いことも
怒りも
悲しみも喜びも
胸の中に蓄積された全てのために
歌おう
宇宙に一人だけのあなたのために
宇宙に一人だけの私のために
しっかり胸を開き
天まで届け
私たちの賛歌