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自殺志願者の高校生の死生活  作者: 山賊さん
2/2

少女の記憶

私には幼馴染がいた。

名前は関原隼人、小さい頃からず~っと一緒だった。


それもそのはず、私の母親が彼の母親と関係があったからだった。

それも、かなり仲が良かったらしい。


そのため、私と彼はずっと一緒だったって訳だった。

小学生のころまでは一緒に遊んだり、雑談をして笑い合ったりして、いわゆるに親友のような立ち位置だった。


まぁ、時々彼が他の女の子と話しているところなどを見て、少し嫉妬していたこともあったが、その嫉妬という名の感情が、後に恋愛感情に発展するとは知らなかったため、無邪気に彼と遊んでいた。


中学校ではすんでいた場所が近かったため、同じ中学校に進学できた。

正直に言ってしまえば、この時期から彼に対する感情が、友情から恋心に変わっていたのだろう。


内心では、彼と同じ中学校に行けなかったらどうしよう、などという焦りの感情もあった。

中学校からは、彼と遊ぶだけではなく、振り向かせるためにいろいろなアプローチをしていた。


今思い出すだけで、死にたくなるほど恥ずかしいものだったけど、悔いはなかった。

まぁ、それは見事に彼の鈍感パワーによって無意味となってしまったが。


その彼の鈍感なところも好きだった。

彼は誰にでも優しくて、頭もよくて、モテモテだった。


私は誰かに彼を取られるのが怖かった。

それ故に、積極的なボディータッチや彼の隣にずっと張り付いていた。


今に思えば、その頃は本当に彼のことしか頭になかったんだと思う。

まぁ、今もそうなんだけど。


私は結構独占欲の強い女だと思う点が何個もある。

いわゆるにヤンデレ?のような部類に入っているのだろうか?


そもそもヤンデレとメンヘラの違いってなんなんだろう?

メンヘラは自己承認欲求が強くて、他人からいっぱい褒めてほしいくせに、平然と裏切るらしい。


私は彼以外にはなんにも興味がわかないし、彼から一方的に褒められたいという欲もない。

どっちかと言えば、褒め合いたいということだろうか?


お互いに好きなところを褒め合って、恥ずかしがって...

あ~、何妄想してんだろ、私...


あれ?中学生の時の私って結構やばかったんじゃないかな?...

客観的に見たら、もう恋人だったんじゃないかな?...


まぁ、今はもうそんな関係には微塵も見えなくなってしまったけど...

.....何やってんだろ私..


中学生の頃に、彼からもらった唯一の物。

ハートのネックレス。


箱の中に丁寧にしまってある状態。

そんな結婚指輪のように扱っているアクセサリーをずっと見ながらも、過去の記憶を思い出す。


あれは確か、中学3年生のころだっただろうか?

いつもどうりに、バレバレのアプローチをしながらも、彼と放課後に遊ぶ予定を提案する。


彼はバスケ部に所属しているため、休みを把握していなきゃいけない。

まぁ、そんなものは別の部員から予定表をもらえばいいんだけどね。


緊張しすぎて、何日もかけて組み立ててきたデートプランを全てど忘れしてしまって、なんにもできなかったのが今でも、記憶にコべりついている。


でも、そんな私を彼はやさしく受け止めてくれた。

「穂香は何がしたいの?」


「う~ん...買い物かな?」

そういうと、彼は私の手をやさしく包み込むようにして、恋人つなぎをしてくれた。


「ふぇ?...」

脳内が急な、いや急すぎる出来事に対応できなくて、混乱する。


視界が回っている。

まるでジェットコースターに乗った後のような感覚に陥る。


だが、彼はそんな私の状態を気にも留めずに歩き出す。

「どうしての?顔真っ赤だよ?」


混乱しながらも、自分の顔に手を触れる。

うん、めっちゃ熱い。


沸騰したやかんよりも熱い気がする。

「それじゃ、どこから行こうかな?」


考え込む彼、横顔も最高!

あぁ..テンションが上がっていくばかりで、全身の血管が破裂しそう。


さすがに、自分の命が持たないと思った私は、

「ちょ!ちょっと休憩しよ!」


「え?まだ何もしてないよ?」

ネコのように首をかしげる彼。


それによって、私の心拍数は爆発的に上がっていく。

----

はい、正直に言ってしまえば、ベンチで長時間休憩してしまって、時間を無駄にしてしまいました。

本当に何やってんだろ...私...


こんな状況なんて!?一体何回も妄想してきたじゃない!?なに死にそうになっちゃってんのよ!?

少し落ち着いてきたころに、彼が視界の隅に映る。


「結構時間すぎちゃったね?..てか本当に大丈夫?」

こんな無駄な時間に付き合わせたくせに、私の心配までしてくれる。


「ごめんね?...もう時間なくなってきたし、帰ろうか...」

今回のデートは失敗。


今のところ、彼と一緒に遊びに行ける日はない。

久しぶりに失敗してしまった。


大きなため息をつく。

大好きな彼の前なのに。


「ちょっと待って」

そう彼は言うと、腕に持っていたバッグから箱を取りだした。


「はい、これ」

中身には、ハート形のネックレスがあった。


「ふぇえぇ?へ?」

はい、もう完全に狂ってしまいしました。


「前から渡そうと思ってたんだけど、時間がなくてさ、まぁよかったらつけてくれると嬉しいかな」

座っている私に満面の笑みで笑いかける。


そうすると、彼はその箱を私の太ももの上に置いてから、

「それじゃ、また遊ぼうね?」


始めて、彼から何かを誘われた気がした。


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― 新着の感想 ―
[一言] 面白そうではあるのですがこの更新間隔は完結しなさそうですね… こんな序盤で止まるって事はプロットとかも作ってないのかな?短編にして1話でまとまるようやった方が良かったかもですね。
[一言] ちょっとうるっときました続きみたいです! 応援してます!
[一言] 凄く続きが読みたいです。わがままですが、早く見たいです笑
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