プロローグ
24歳、初投稿です。
はい、よーいスタート。
「起きるのじゃ。」
誰の声だろう・・・?誰かの声によって目が覚めた。
目が覚めると辺りは一面の白の世界、目の前には変わった服装の白髪の老人が立って居た。
「あ、おはようございます。すぐ仕事に戻りますね。」
相手が誰かも分かっていないのに、もはや反射に近い感覚で答えていた。
だが、動こうにも身体は一切言うことを聞かない。というか身体どこ行ったんだろ?
目の前の老人はため息を一つ吐いて、呆れたように疑問の答えを教えてくれた。
「お主は死んだんじゃよ、ここは・・・輪廻転生の場所というところかのぅ。」
役職上主任という立場もあってか、半年ほどほぼ社泊が続いてたのも祟り過労で倒れてそのまま亡くなったと教えてもらった、丈夫な身体ぐらいしか取り柄がなかっただけに悪いことしたかな。
「あー、そうだったんですね。それだと両親と会社に迷惑掛けることになるなぁ。」
「両親はともかく、自分が死ぬ原因なブラックな会社の肩持ちすぎじゃろ、どれだけお人よしなんじゃお主っ!」
「は、はぁ・・・?」
「そもそも、あの会社最高にブラック企業じゃったし、仕事の出来るお主居らんと間違いなく倒産しとったぞ。そもそもお主がなんで主任止まりなんじゃよおかしいじゃろ。お主が人望があったから部下たちが頑張って仕事しとったし、お主が居なくなったら間違いなくみんな揃って辞めるような程超ブラックじゃぞ!上の奴らは裏では遊んでばかりのろくでなしどもじゃったわっ!!」
一気にまくし立てたのか、ぜーはーぜーはーと老人は呼吸を整えていた。
「えっと、なんかすみません・・・でもたまーに、ご飯とか奢ってもらったりしてそこまで悪い人でもなかった気もしますけど・・・?」
「自分の仕事押し付けとるんじゃからそのぐらいじゃ割に合わんわ!!!・・・・・・予想以上に疲れるなこれ、ともかく話を戻そう。」
「ところでお爺さんは・・・いえ神様でしょうか?なんとお呼びすればよろしかったのでしょうか?」
「・・・・・・爺ちゃんと呼ぶがよい。」
「え、いや・・・あ、はい、分かりました・・・お爺ちゃん。」
反論しようとしたが有無を言わせぬ無言の圧力があったので大人しく従った。
そして、お爺ちゃんと言った時の反応が、滅茶苦茶満面の笑顔だったので深くは気にしない事にした。
「お主はこの度、異世界に記憶を引き継いで転生することになる。」
「その、神様事情に詳しくないんですが、普通は現世へ輪廻転生するものじゃないんですか?」
「その認識はあっとるし概ね正解じゃ、じゃが善行値ポイントがカンストしておってな例外的な措置じゃ。」
「えっと・・・?」
「今から説明するから、大人しく最後まで聞くのじゃぞ。」
要約するとこうだ、曰く「先祖代々お主の一族は善人すぎた。」「先祖の望んだ善行値ポイントの使用の殆どが孫への譲渡だった。」その為両親の善行値ポイントも同様にほとんどカンストの上、自分に子供も居ないので譲渡先もないとのこと。
隔して異世界転生は確定らしく、その後はお爺ちゃんと他愛のない話をしたり。異世界ちゅーとりあるなるものを教わったりしたのだった。・・・・・半年ほど。
始めのうちは「転生手続きまで三日ぐらいで準備終わるかのぅ」などと言ってたのだけれどなんやかんやあって、伸ばしに伸ばされ人間的な体感時間で約半年ほど経過していた。
「神様的にはまだ日数的に一週間ぐらいなんじゃ!・・・あっ。」
そんなこと、お爺ちゃんは言っていたが不思議と居心地が良かったのもあってあまり気にならなかった、それと体感時間一月目にも同じ事言ってましたよ!お爺ちゃん!!絶対七か月でしょ!あとやっぱり神様だったんじゃないですかーヤダー。
そんなこんなで体感時間さらに一月が過ぎたころに、ようやく異世界に発つ運びとなった。
体感七か月とはいえ自分とお爺ちゃんの関係は大分フランクな感じにはなったと思う。まるで、実際の祖父と孫であるかのように・・・。
目の前に不自然なほど神々しい巨大な扉。後ろにはお爺ちゃん、自分の身体はないので幽霊に近い状態だが念じれば扉が勝手に開くらしい。
「大丈夫かのぅ、この扉を潜れば異世界じゃが、もし行きたくないんじゃったら一生此処に居てもいいんじゃぞ?」
「ダメです!!仕事いっぱい溜まってるってこの間来た別の神様言ってたじゃないですか!!」
「あわ、わわわわ、真面目に仕事するから嫌わんでくれぇぇぇぇ!」
異世界に旅発つ理由はぶっちゃけこれである。ある日、美人な女性の神様?が「あのー、半年前から度々伝えてあったんですがお仕事だいぶ溜まっていますので、そろそろ助けて貰えませんかー?」とやってきたのである。
それを聞いた僕は、大いに怒り。まさか神様相手に丸一日説教する事になるとは思っていなかった。
今更ながらこんな事して大丈夫なのだろうか?
それが無ければ居心地が良かったのもあり、体感半年ぐらい追加で居たかもしれない、仕事は真摯にやらないと駄目ですよ!お爺ちゃん!!
やたら狼狽するお爺ちゃんに少し申し訳ないなと思いつつも、このやり取りが微笑ましいなんて神様に対して思ってしまった。
「ふふっ、嫌いにはなりませんけど真面目に仕事しなきゃ駄目ですよ。」
そう言って念じながら扉の開いた。中はなんというかただ真っ暗だった。最近ずっと白い部屋に居たせいか逆に目に痛い。・・・目もないけど。
「それじゃ行ってきますね、お爺ちゃん!」
後ろを振り返りつつ中へ入ると、バタリと扉が閉まり、そこに扉も元々存在しなかったかのように跡形もなく消えてなくなったのであった。
お別れは案外あっさりしたものであったと同時に意識が闇へと消えていった・・・。
取り残された空間で、笑みを浮かべた神様が独り言ちた。
「行ってらっしゃい・・・わたしの可愛い孫よ・・・。」
そして溜まった仕事へと向け猛スピードで取り掛かるのであった。
お爺ちゃん=ご先祖様
こんなタイトルのエロ小説読みたいなーって思って書きました。
ぶっちゃけ代わりに誰か書いてくれませんかね?(チラッ
自粛期間中はそこそこの頻度で書けたらいいなーって思ってます。
素人故拙い部分も多いのでご指摘していただけたら修正はしていきたいなー。