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一晩寝たら奇想天外なことが起きていていつの間にか青春していた件  作者: モグポク
第七章 一晩寝たら奇想天外なことが起きていていつの間にか青春していた件
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一晩寝たら透明少女になってて生活が不便過ぎる件 その1

9月2日

 今日はなんの日だろうか、そう、始業式だ。夏休みが終わり憂鬱な気分で学校に行かなければならないでお馴染みの始業式だ。壮大の大冒険の末行き着いた今日ではあるが、それはまた後のお楽しみである。

 早速だけど今日起きたことをまず整理しよう。今ここには、俺、会原亮平(あいはらりょうへい)と会原まこ、そしてなんとここで新キャラ、幽霊で俺の家に居候中の会原なのは。そして、

 「うう、会原くんってさ、幼女と生活している変人さんなんだね」

 「そこはあえて触れるな」

 横にいる透明人間がいる。そう、透明人間がいる時点で今回の物語は確定した。どうして俺を含む周りの奴らはこう身体不規則症候群に巻き込まれるんだ?


            ※


 遡ること朝、俺は久し振りの学校に胸踊らせていた。そして、

 「あっつい!今日何度だよ!」

 と、夏の暑さに文句を言っていた。この謎については後々語ることになるのだが、それくらい暑い!

 「今日最高気温27℃だけど。以下略。詳しくは再始動を見て」

 「なのは。お前は幽霊だから涼しくできるだろ。さあ、ペタペタと」

 「変態。奈落に落ちろ。あと再始動とは話が違うと苦情が来る」

 「なのは。これはこれ、それはそれだ。短編での出来事と連載版とでは少々話が変わるときだってあることを肝に命じておけ」

 「ちょっと、お兄ちゃん!なに変なことなのはに教えてるのよ!」

 おっと、ここでまこの登場だ!

 「お兄ちゃんは早く学校に行く!いってらっしゃい」

 強制的に秋に入ったのにも関わらずクッソあつい外に出されると、

 ガチャリ

 と鍵を閉められた。俺は渋々自転車に跨がると、学校の方へ自転車を漕ぎ始めた。


 学校に着くと、いつも通りの登校風景を見て、これからまた色々大変なことに巻き込まれるんだろうなという小さな不安と、本当に久し振りの友人との再会という大きな希望に包まれていた。今から四ヶ月前、俺は女子高生と化し、両親の死や生理、恋人である野中和(のなかなごみ)がとてつもない変態であることが判明したりと、色々な苦痛を乗り越え、三ヶ月前には元に戻った。それから少したったとある職業体験にて、まここと鶴巻都(つるまきみやこ)を発見し、幼稚園の事件が判明したりとかなり面倒な事に巻き込まれたりした。二ヶ月前には木藤咲という女の子と身体が入れ替わったり存在が消えそうになったり、海で遊んだのも記憶に新しい。幼女になったのは一ヶ月前くらいだっけ?俺的にはもっと前の出来事に感じる。そして、時が経ち、今に至り、旧友との再会を目前としている。さあ、教室に入ろう、

 「あだ!」「きゃっ!」

 いきなりテンション高めにいったから誰かとぶつかってしまったようだ。

 「悪ぃ、悪ぃ、っあれ、誰もいない」

 ぶつかってしまったところには誰もいない。少なくとも周りには人がいるが、ピンポイントでぶつかったところには誰もいなかった。

 「亮平くん、何やってるの?」

 頭上から声が聞こえる。聞き慣れた声。元気大さじ十杯と恋心小さじ二十杯でかき混ぜられたような声である。勿論、適当に例えた。

 「人とぶつかってこけている」

 見上げると一人の少女がいた。ショートヘアーの小柄な女の子、向日葵若葉(ひまわりわかば)である。若葉は俺を変な目で見ると、

 「誰もいないけど。ここは日本よ。異世界のように潜伏(ハイド)魔法なんてないのよ」

 何でこんなこといっているかは後でわかる。それより、

 「若葉。これ端から見たらどう見える?」

 「変なやつに見える」

 俺はゆっくり立つと、周りを見渡す。俺を見てクスクスと笑っている人が何人かいる。恥ずかしすぎるだろ!

 「確かにそれは間違いなさそうだな。さっさと教室に向かった方が良さそうだ」

 「そうだね」

 俺と若葉は並んで歩く。教室までは数十メートル。会話もなく教室に着いた。

 俺の席は窓側の最前列。入学式からこの席である。勿論今までに二回ほど席替えになったが、一回は窓側の最後列。二回目はまた戻ってしまった。しかし、悪く思わない。何故なら、

 「おはよ、亮くん!」

 横を見るとショートヘアーの小柄な少女、そして、俺の彼女でもある野中和が隣の席だからだ。

 「おはよ、和。今日は寝癖立ってるなぁ」

 「じ、時間なかったの!全く、恥ずかしい」

 始業まであと数分有るんだけど。その間に直せばいいのに。意思が伝わったのか、和は廊下に出た。おそらくトイレにでも行ったのだろう。

 「おやおや~。なかなかにいい関係ではありませんか。まあ、私たちには敵いませんがね」

 「何の用だ。えっと、誰だっけ?」

 急に俺の机の横に小さく現れた、小柄な少女。てか、このクラス小柄な少女多すぎんか。しかもこの少女は130㎝位だぞ。

 「うわぁ、私を知りませんか。ども!我名は斎藤朋子(さいとうともこ)であるぞ。以後お見知りおきを!」

 斎藤朋子。そういえばそんなクラスメートもいたな。確か、すっごい物静かそうな人だったような。

 「ともちんとお呼びすれば世界の果てからやって来ますぞ!」

 こんな変人だったっけ?それに、呼んでも絶対に来ないだろ!

 「確か、俺の後ろの席だったよな?」

 「はい、そうですね。しかしですね、昼休みになった途端私を追い出すとか酷すぎません?」

 俺の周りで飯食ってるんだから仕方ねーだろ。

 「悪ぃ。悪ぃ。気ィつけるよ」

 「それか私を中に入れてくれるのでしたら、」

 「却下」

 新キャラにいきなり身体不規則症候群の世界に巻き込まれるわけにはいかない。

 「そう言わないでくださいよ。私だってみんなと仲良くなりたいんですよ」

 「だとしてもだ」

 「もしかして、私が身体不規則症候群に巻き込まれることが怖いんですか?」

 こいつ!

 「ほらほら。そんな怖い顔せずに聞いてくださいよ。私はね、一度かかってます。証拠は、そうですね。まこ、でしたっけ?その幼女と、なのはっていう幼女と、亮のお友達に聞いてくれ」

 あー、そういうこと。もうすでに身体不規則症候群にかかってましたパターンね。

 「それに亮とは少しばかしコンビを組んでるではないですか」

 コンビ?それって、まさか!

 「私の別名は、ともともですよ」

 これも後でわかる。

 「うー。色々と関わっていたのか」

 「ええ、そうですよ。少なくとも(まもる)の代役って感じでしたけどね。守も大変そうでしたし。あの件では(まじめ)の大活躍で解決しましたが、私たちの味方は私、向日葵、和ちゃん、亮が助けた幼女くらいでしょうか」

 今のところ守に何があったのかは今だ不明である。それにしても、飯山(いいやま)の名前は(はじめ)であるが、まじめって呼んでるのか。面白いな。

 「あと、私を忘れるな」

 ん?横からまた誰か乱入してきたぞ。しかも、俺をゴミを見るような目で見てやがる。

 「どうも、幼女生活をエンジョイしている会原亮平さん」

 こいつはなにか誤解をしている。てか、あんた誰?

 「草ww、幼女生活をエンジョイって、www」

 ともちん、お前は黙っとけ。

 「たぶんお前は誤解している。訳あってこうなっているだけだ」

 「訳あって?あるわけないでしょ。あんな天使…じゃなかった、あの二人と会原を一緒にさせるのは危険だ」

 聞き逃すか!天使って今言ったよね?ロリコンじゃん。

 「大丈夫ですよ。宮本さん。まこは不明ですが、なのはちゃんは普通の人には見えない、言わば幽霊みたいなものですから」

 ともちんはどうも俺たちのことに詳しすぎないか?

 「だとしても、羨ま…おかしいじゃないか!」

 ロリコン。お前は少し黙っとけや。

 「少なくともここで言い争っても宮本さんがロリコンであることを自白するような言動しかしないので、後々本人に不満を露にしてください」

 「解りました。ここは一旦引かせていただきます。ではまた後で、会原」

 こいつと今度話すときは、まことなのはに同席してもらおう。

 宮本が席に戻ったところでチャイムがなる。朋子も席に戻り、

 「では、新メンバーかつ重要キャラっぽい私ですが、よろしく」

 「自分で新メンバーかつ重要キャラっぽい、とか言うな」

 よろしく、と俺は付け足した。

 すぐに担任がやって来て、挨拶→HRの順で進んでいく。そして、

 「最後に、二学期から新しくクラスメートになる人を紹介する」

 転入生。高校生活では珍しい出来事なのか周りがどよめく。しかし、始業式自体初なのでなんとも言えんが。

 後ろらへんの席から一人の少女が立つ。元々は誰もいなかった席。おそらくこの人が転入生だろう。

 前まで来ると、

 「鏡水月花(かがみみずげっか)です。よろしくお願いします」

 と、淡々と自己紹介をすませて元の席に戻った。

 戻る時に俺をガン見していたのは気のせいと思うことにしよう。というか、この物語の担任の出番は転入生が来たときしか出てないと思うのだが。俺の名前を偽り転入生に見せかけようとした時以来だ。

 「よし、始業式始まるから体育館に移動しよか」

 みんなが席を立ち、わいわい話ながら体育館に向かう。さて、俺も向かいますか。

 俺は数歩歩いて廊下に出ようとした。しかし途中で、

 「わぷ!」

 という声と人と当たる感触で歩くのをやめる。勿論俺の目の前には誰もいない。そして俺はこう言った。

 「さっきはすまん。けど、透明人間がまさかいるとはなあ」

 ビックリするような声が聞こえる。

 「亮。どうしました?」

 「ともちん。ここに透明人間がいると思うからちょっとこの空間を抱き締めて」

 「意味不ですね。まあ、やってみます」

 朋子が抱き締める動作をした。そして、朋子の動きが止まる。そして驚いたような声を出して、

 「双方の胸が当たって苦しい」

 「うわぁ、ようやく私を見つけてくれる人がいた!」

 と、同時に二人の声が、朋子と謎の声がそう言った。今回は透明人間編か。

次回予告

 ども!モグポクです!というわけで皆様聞いてくださいよ!新作を投稿しましたよ!タイトルはズバリ『異世界ゆるゆる生活(ライフ!)』です!先週の土曜日に出したばかりなので良かったら是非読んでみてください。あ、あと、『青春という小さな種、恋という大きな花』の感想を貰いました!ありがとうございます!次回予告!

次回 「一晩寝たら透明少女になってて生活が不便過ぎる件 その2」

 続きは次回!?それでは~ではまた(@^^)/~~~

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