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1話 一晩寝たら女体化していた件

 5月11日は俺にとって一生忘れられない日になった。昨日は和告白事件が発生しその夜ウキウキ気分で過ごして親に変な目で見られていたことはおいておくとして、その余韻に浸っている最中の出来事だった。空は白み始め、平和な朝を迎えようとしている。


 そんななか俺は、


 「にゃにゃんと!お、女になっとる!」


 とそのゆったりとした朝をぶち壊すような大声をあげてしまった。何故なら俺がまさかのTSイベントに遭遇してしまったのだから。


        *  *  *


5月11日

 この日俺は何かよく分からない異変に気付き朝5時というめちゃめちゃ早い時間に起きてしまった。昨日のドキドキの余韻がまだしているとはいえこれは気持ちが悪い、だから俺はこの異変を確認するために起き上がろうとしたら、


 「ーぅぎょへ!!Σ(×_×;)!」


 首が絞まってます!絶賛首絞まってます!Σ(×_×;)!ついにアサシンの標的にされていたのか、殺されてたまるか!


 という茶番はおいといて、首に手をやる。おかしい。てっきり麻縄かコードだと思ったのだが違う。これは…髪だ!ではいったい誰の?


 (まさかこれは夢か?)


 そんな疑問を抱えつつ俺は時間を確認した。5時15分、うん、これは現実だ。


 とにかく首に髪が巻き付いているのは気持ち悪いので髪をほどくと異変がそれだけではないことにも気づく。それはその髪が俺のだということ、そしてそれを確かめるために立ったら目線が低いことだった。何となく何が起きているかは察しがついたが確信には至ってないので鏡のある洗面所へ確認しに行く。このときに親に見つからないように移動する。そして鏡の前に着いて自分の容姿を見たら_


 「にゃにゃんと!お、女になっとる!」


 大声で叫んでも無理はないと思う。何故なら鏡に写っていたのは昨日までいたいつも通りの俺とは全然違う見た目中学生くらいの、身長145㎝弱のロングヘアーの女の子だった。


 親にどう説明するかという選択肢はそのときに思い付かなかった。そのくらい俺は動揺していた。とにかく、着替えて…着替えどうしよう?俺は一人っ子なので女物の洋服はない。親のを使ったら後でなに言われるだろう…仕方ない、自分のを着るしかないのかぁ。うわぁ、だぼだほだぁ~


 そのあと、俺は親に気づかないように外に逃げたのだった。


            ※

 

 その後2時間ハンバーガーショップで何も策が思い付かないがために少し不機嫌に見える美少女がいた。誰にも気づかれない方法がないかと考えてみたもののなにもでなかったのだ。仕方ない、誰かを頼るしかないのかぁ、学校も月曜日になったらあるんだし。まずは、若葉か。


 向日葵若葉(ひまわりわかば)。和告白事件で公開告白になった原因人物である。


 とにかく俺は若葉に電話を掛けてみた。


 『電話若葉編』


 「あ、もしもし。悪いk」


 「会原君、今何時だと思ってるの?こんな時間に電話なんてかけてこないでよ」


 ガチャ…ツーツーツー…ピッ………グスン(T^T)


 気をとり直して、次は木村に電話してみよう。木村は俺の高校の友達である。


 『電話木村編』


 あ、あいつの連絡先知らねーわ。


 んじゃあ、岡島にかけてみよう。岡島正志(おかじまただし)、頼りになるが少し暑苦しい体育会系男子である。


 『電話岡島編』


 「お、どうした亮?朝っぱらから何かあったのか?」


 「そうなんだが、まずは、早くこっちに来てくれるとありがたい。事情はそこで説明する。あと、確か、お前に妹いただろ、そいつが使わなくなった服を持ってきてくれるとなおありがたい。場所は高校近くのハンバーガーショップだ」


 「???お前だr」


 ガチャ…今のは聞かなかったことにしよう、あとはあいつが来るのを待つだけ。よし、希望が見えてきたぜ!


 「よっしゃ!頑張るぞ!」


 「お客様、店内ではお静かに願います」


            ※

 

 一時間後、岡島はハンバーガーショップにやって来た。さて、どう説明するか。普通に説明しても現実じゃあり得ないしなぁ。


 「おーい、亮ー」


 「あ、ごめん~朝っぱらから駆けつけさせて」


 「おーい!亮ー!居るんなら返事しろー!」


 「お客様、店内ではお静かに願います」


 おい、嘘だろ(;_;)他人扱いだと…だが、ここで引き下がるわけにはいかない!


 「ここだ、岡島!」


 「うっす!お嬢ちゃん(^-^)亮はどこにいるか知ってるか?」


 ここまでくると逆にストレートダメージ喰らってるんですけど。


 「俺だっての、俺!」


 「なんだ?オレオレ詐欺か?お嬢ちゃん、それはやっちゃいけねーぜ」


 ちがーう!(`□´)確かにオレオレ詐欺はいけないことだがそれとこれとは意味合いが…クソッ、話が通じん。


 「俺は会原亮平だっちゅーの!」


 「お客様、店内ではお静かに願いますと何回言えばわかるのですか?」


 と、二十歳ぐらいのアルバイト店員が注意してきた。俺達は店員に謝り俺は岡島を席につかせた。


 「で、お嬢ちゃんが亮だと言うのか?信じられねーな」


 だろうな、と、俺も同情したが、まずは俺が会原亮平だということを理解させなければ。


 「じゃあ、証拠を出せというのか、そうだなー、あっ、岡島は新入生テストの順位がワースト五位とか!?」


 「何故それを知っている?まさかあいつばらしやがったな、許さんぞ!」


 「ばらしてもねーしクラスの大半がそれ知ってるからな」


 「まじか」


 「あと、岡島は野球部所属背番号5番守備位置はファースト、違うか?」


 「!」


 「あと、お前の好物は骨抜きホット唐揚げだろっ!」


 「くっ、本当に亮なのか…」


 【朗報】岡島の好物を言うと会原亮平だと信じてくれるらしい。


 「そうだよ、俺は会原亮平、何故かは知らないけど女子の姿をしているけどな」


 そんなことがあるんだなと、岡島は言う。確かに何故女の子になったのかは俺も知りたい。何故?


 「なんか、納得できねーけど、亮なんだな。だったらこれを渡す理由もわかるけどな」


 と、大きな紙袋を俺に渡してきた。何が入っているかは言わなくてもわかる。中には女子が着そうな洋服なりなんなりが入っていた。


 「いいのか?こんなにもらって?」


 量にすると上だけで5着ぐらい入っている。下もそれぐらいだ。こんなにもらってしまうのは良いのだろうか?


 「気にすんな!これらは全て処分予定のやつだったからな。もちろん許可はとってあるぜ」


 と、俺の内心を読んだのかそんなように岡島は言った。


 「サンキューな。本当に助かる。さて、どこで着替えようか」


 「ショッピングモールもう開いてるだろ。そこのトイレでも着替えたら」


 えっ、こいつなんて言ったか?トイレだと…まぁ、男女兼用トイレでも使えば大丈夫か。


 「じゃあ着替えにいきますか」


 その後ショッピングモールで岡島にもらった服に着替える。そのときに自分の身体に戸惑いを感じた。さっきは動揺しすぎて気づいていなかったのだが、俺の胸にはおっぱいがついていた。あわや自分の身体に興奮するところだった。誰でもいいから自分の理性を保てたことに誉めてほしい。ちなみにもらった服はサイズぴったりだった。


 「さて、これからどうするか」


 まず、これからの方針をたてなければならない。まず、親への説明だが、これはまだ猶予がある。何故なら親の仕事の関係上出張する日であり12日まで帰ってこない。あとはクラスメートや先生にどう説明するか。これもまた13日までは猶予がある。だがまとめて考えないと、すぐに時間切れ(タイムアップ)しそうである。だがそれよりも前に、今をどうするかの方がもっと大切である。


 「なあ、岡島。誰か女子のなかで頼れるやつ知らないか?」


 何故女子かというと女子のことを男子よりも理解しているからだ。元より俺は男子だったので女子の事情はあまり知らないのだ。


 「若葉なんてどうだ?いっちょ電話かけてみるわ」


 若葉はさっきの電話でご立腹だからな~、いけるかな?


 『電話若葉編その2』


 「もしもし、今日暇?空いてたらちょっと手伝ってくれねぇかな?君にしかできないことだ」


 「うん!空いてるからすぐにでも駆けつけるよ!」


 ガチャ…


 Why?何で俺はダメでこいつはOKなんだよ。それはつまり、


 【悲報】俺は若葉に嫌わせている説が濃厚です(T_T)


 「というわけだからさ、若葉も加わる…って、なんちゅー顔してるんだよ」


 「俺は一度断られてるんだけど」


 「結果オーライ!じゃあ若葉来るまで暇だからランニングでもしようぜ」


 「……………」


 というわけで若葉が来るまでの約二時間ぶっ続けで走らされた。………疲れた。


             ※

 

 「ヤッホー!岡z!その女の子誰?」


 若葉と合流してくったくたに疲れている俺であったものの、少しは会話ができるまで回復した。ていうかこれまた面倒な説明をしなければならない気がしてきた。


 「オー!若葉。この女の子は我らが相棒、亮平だ!」


 「えっと、岡島君なに言ってるの?会原君は男じゃん」


 首をかしげる若葉。予想的中。てゆーか先に俺のことを伝えるなや。心の準備というものを知らないのかよ。


 「だがな、これでも亮は亮なんだよなー。俺も疑ってたんだけどさ俺の秘密全部知ってるだよ」


 「怪しいなぁ。会原君がばらしたんじゃないの?」


 「ばらしてねーよ。そういうことなら、向日葵若葉、お前ラブレターのことをみんなに言いふらしてんじゃねーよ」


 「別にいいじゃん。感動を皆と分かち合えて」


 「俺は俺でプレッシャーで潰れそうになったわ」


 まあでも結果は良いものだったが。


 「まあ、会原君っていうのは間違い無さそうね」


 どうやら俺が会原亮平であることを信じてくれたようだ。だがそれと同時に若葉がニヤリと笑う。何故だろう?猛烈に嫌な予感がしてきた。


 「いやー、ちっこくて可愛い亮ちゃんには可愛い服をプレゼントしないとね!あと、いろんなものを揃えなくっちゃね(^-^)」


 「亮ちゃんはやめろー!あと、服なら岡島に貰ったのがあるけど」


 「妹さんのでしょ。それ小学生のお下がりだよ」


 「……………」


 しかも処分予定のな。


 「じゃあ時間も勿体無いし、レッツゴー!」


 というわけで我々が行ったのは服集めだ。これに関しては岡島には悪いが、若葉がやる気なのでしかたがない。そのあとには下着や生理用品やらを買った。やはり女子のことには女子が一番わかっていると俺は感じた。そうして俺の懐が寂しく感じる頃には夕方になっていた。


 「他にもまだ買うものはあるんだからね、亮ちゃん!」


 若葉はまだあの事を根にもってるのだろうか?まあ、別にいっか。


 「今日は俺のためにわざわざありがとな。このお礼はいつかかえすからな」


 「OK、でも亮ちゃんは言葉遣いには気をつけたほうがいいよ」


            ※

 

 というわけでとにかく重い荷物を手に入れた俺はなんとか家にたどり着くことが出来た。家には誰もおらず寂しい感じがする。根拠はないが何故か猛烈に嫌な予感が俺を襲う。その瞬間電話が鳴った。親からだろうか?いや、違う。違う電話番号だ。おそるおそる俺は電話をとる。


 「もしもし、会原です」


 「お宅の息子さんでしょうか?」


 誰だろうか?少なくとも俺の知る人ではない。だがその声は重く沈んでいた。


 「はい、そうですけど」


 「とても申し上げにくいことなのですが、実は_」


 数秒後俺の手から受話器が落ちた。

次回予告

 はいはーい!モグポクでーす!次回予告を設置したよ!小説に次回予告の必要性があるのか正直不安があるよ!次回予告を面白くしている小説があれば教えてください!

次回 「絶望と復活」

 それでは~ではまた(@^^)/~~~

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