一晩寝たら存在を消されそうになった件 その9
7月10日
入れ替わり事件が起きてから約一週間がたったのでしょうか?私、会原まこはそんなことを考えながら起きました。
えっ?誰かって?そんな人のために自己紹介すると、会原まこ、5才です。本名は鶴巻都なのですが、身体不規則症候群により生まれ変わったような感じなので、今の名前の方が気に入っています。
そして今も私は身体不規則症候群にかけられています。そう、それだけの人間のようで人間じゃない、そんな存在なのです。
そして私はいつもよりも早く起きました。何故ならお兄ちゃん、会原亮平を見張らなければならないのです。そうお兄ちゃんのくすぐりによって脅されました。
正確には入れ替わり中なので、会原亮平の母、木藤咲を見張らなければならないというべきでしょう。お兄ちゃん曰く、見張りをしているだけでいいらしいです。そして、今日は普通に授業があるはずです。なのに何故そんなことをいっているかというと、「守らないといけないからだよ」と言われました。真剣に言われました。あ、あと、
「まこ、特に仏壇の近くには近づかせるなよ。心身崩壊したら終わりらしいから」
といっていたのを思いだし、その対策のためにも早く起きたというのもあります。確かに、あの荒れようは酷かった。。
そんなことを思っていると、お兄ちゃん(以下咲さん)が降りてきました。ていうかよく部屋から出てきましたね。しかし、一体昨日をどう過ごしたらそうなるのかと問いたいぐらい暗いです。まるで黒のオーラを全身に帯びています。それくらい彼女はボロボロです。
(こりゃ、なにもしなくても心身崩壊するぞ、これ)
と思ったのですが、一応挨拶しておきましょう。
「お、おはよう。お兄ちゃん」
「……………」
無言が返ってきました。
(こりゃ駄目だ。お兄ちゃん。私は本当に見張りぐらいしかできないかもしれん)
若干降参気味な私は、料理を作るのでした。さて、今日は卵を二つを使った目玉焼きを作っていきますよ。
※
「ま、まじか」
今日は木藤咲として生活していくのだが、既にもう顔がぐじゃぐじゃだった。目は赤く腫れ、髪はボサボサでとても女の子とは思えない姿だった。一体何があったのか、大体想像がつく。恐らくは自分の死がいつ来るかを知ってしまい自分は誰と結婚し誰が生まれそして事故で死ぬというということを知り自分は残された時間があまりないことを知り一日中泣いていたのだろう。このままだといつまで彼女の身体はもつだろうか?あまり時間がないことをこれで思い知らされる。
リビングに行くと、木藤の母親(後に俺の祖母になる)が、
「咲、あなた大丈夫?」
と聞いてきた。そりゃそうだろう。いきなり自分の娘が学校もいかずに一日中泣いていたら心配するに決まっている。
「うん、大丈夫だよ」
と返したが、返したのは俺であって木藤ではない。木藤だったらどう返すだろうか?いや、返せないだろう。今の木藤はもう魂が抜けかかった状態にある。そんな状態で会話ができるとは思えない。木藤の状態はまこに聞くとしよう。
「でも、昨日ずっと部屋から出てないし学校も休んだし」
「本当に大丈夫だよ、お母さん」
「ならいいのだけど」
木藤の母親はそんな感じで家事を進めていく。タイムリミットはもう残されていないことをしみじみと感じた。
次回予告
ども、モグポクです!いきなりですがなにか変わったことにお気づきでしょうか?そう、題名が変わりました!「一晩寝たら奇想天外なことが起きていていつの間にか青春していた件」に変わりました!これからはこのタイトルでいきますのでよろしくお願いします。あと3000PV達成しました!読者の皆様に感謝!次回予告!
次回「一晩寝たら存在を消されそうになった件 その10」
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