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一晩寝たら奇想天外なことが起きていていつの間にか青春していた件  作者: モグポク
第五章 一晩寝たら存在を消されそうになった件
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一晩寝たら存在を消されそうになった件 その8

 「おい、何故そんなことに早く気づかなかったんだよ!」


 「咄嗟にわかる方がおかしいんじゃねーかよ」


 木藤咲の正体は恐らく俺の母親、会原咲(あいはらさき)であろう。その証拠に木藤のクラスには会原亮(あいはらりょう)という男子生徒、そして俺の父親がいた。つまり二人が結婚して俺が産まれた。となると俺は木藤咲の息子であると推理できる。それが理解した木藤咲は未来の展開を知ってしまい昨日学校に来なかった、つまり病んでしまったと推測できる。


 ただ、両親が事故に巻き込まれる日、又はその前日にそのようなことを呟いたり、そういったそぶりは見えなかった。


 つまり木藤咲は事故に遭って死ぬというのを、そういう未来を見ることはなかったのだが、実際に見てしまった。この事で未来、いや、今現在が変わろうとしている。すなわち会原亮とは結婚しない可能性もあるということなのだ。もっと言えば俺も生まれてこなくなるということになる。だから最近存在が薄いなんて言われていたのだ。


 そのことを皆に説明している飯山は声を荒げている。怒っているようしか見えなかった。それと同時に焦っているようにも見えた。


 「ほらほら二人とも喧嘩しないの。言い争っても過ぎたことなんだし仕方ないじゃん」


 と淡々に若葉が仲裁に入った。フンっと言って飯山は引き下がったが、焦りは顔に出ていた。何だかんだでこいつは優しいやつなのだ。


 「確かにここで言い争っていても話が進まないだけなんですけどね。ただ、時間がないのもまた事実なんじゃないかな」


 と沖根と発言した。時間がない。これは大いなる事実である。早く木藤を救わなくちゃ、俺まで消えてしまうことを指す。


 「じゃあ、急いで亮くんを助けなくちゃ」


 と和が皆を鼓舞するような発言をした。和は俺の彼女だ。そして、和は俺の事を、俺との思い出を失いたくない、そう思っているように見えた。実際、俺もそうである。だから、


 「いや、俺だけじゃない、木藤も助けなくちゃ」


 俺は心から今なすべき事を言った。俺だけじゃない。木藤も助けてWINWINである。


 「木藤は恐らくショック状態にある。助けるなら今しかない」


 やはり飯山は焦っている様子だ。沖根同様時間がないと言っている。


 「ねえ、つまりは咲ちゃんを元気づければいいんでしょ。だったら私たちで元気づけましょ!」


 若葉はそう提案した。


 「確かになにもやらずにその場を見逃すというのもあれですしね、やってみる価値はあるんじゃないっすかね」


 と沖根が賛同した。確かに木藤を元気付ける事が出来たら少しでも時間は作れるはずである。


 「わーい(^o^)若葉ちゃんとまもるんがやるんだったら私もやるー!」


 と和はノッた。皆が集まって俺と木藤を救おうとしている。そう思った瞬間、感謝が込み上げた。


 「ありがとう、俺なんかのために」


 和、若葉、沖根は微笑を浮かべた。皆俺を見ていた。


 女性組はとにかく木藤咲を元気づけるということで決まった。あとは男性組だけだ。


 「既定事項として木藤と会原は後に結婚するというストーリーがある。つまりそのきっかけを作るべきだと僕は思う」


 飯山がそう提案する。て言うか提案されなくてもそうしなくちゃいけないことは俺にもわかっていた。しかし、


 「きっかけ?なにするんだよ?」


 「決まっているじゃないか」


 飯山はなぜか一拍入れた。覚悟の雰囲気が漂った。


 「お前が会原亮に告白するんだよ」


 どうやら俺は木藤咲として親父に告白するらしい。


       ※


 「つまり木藤さんの監視をするってことが私の役目で、お兄ちゃんはすべてを解決する仕事ってことね」


 「そういわれると責任重大だな」


 というわけで、俺は今日わかったこと、今後のことをまこに話している。飯山曰く「木藤は何をするかわからないからまこに監視させるのがよいだろう」と言われその事を伝えた。ちなみに、俺達はどこで話しているかというと浴室の浴槽に浸かりながら話している。つまり俺達は入浴中である。大体の日にちで俺達は一緒に風呂に入っている。これだけ見ると親子みたいだが、話していることと照らし合わせると意味のわからない関係にも見える。


 「でも木藤さんを助けなければお兄ちゃんは産まれてこなくなるんでしょ。もっと言えば私も助からなかったんだよ。けど、」


 「会原亮。俺の親父だよなー」


 そう、会原亮は少なくとも木藤咲と結婚しなかった場合、死亡しない可能性すらあり得る。ただ、


 「お兄ちゃんは今が楽しい?」


 「ん?そりゃ楽しいとも」


 「じゃあ、なんとしてでも助けなくちゃね。もっと言えば愛しの和ちゃんのためにも!」


 「う、うるせー!からかうやつにはこれだぞ!」


 と、俺はまこにくすぐりをおみまいした。て言うかまこはくすぐりは効くのだろうか?と思ったところでまこの口に笑みがこぼれた。つまりまこはくすぐりに弱い!と思いくすぐり地獄をおみまいしたら、案の定、


 「ク、クク、アハ!アハハハハ!や、やめてー!アハハハハハハハ(笑)」


 と笑い続けた。フン!面白いとこも見れたしここで勘弁しとくか。俺はここでくすぐりをやめた。


 「とにかくまこは木藤を観察。何かあったら和を頼れ」


 「わ、わかったよー。これ以上変なこと言うとまたくすぐられそうだから、ここはしたがってあげるよ」


 という感じに話がまとまった。

次回予告

 ども、更新頻度が不定期過ぎるモグポクです!いやー申し訳ないです。五月は連載を休止し六月は頑張ろうと6月1日に更新し次の日も更新しようとしていたんです。ただ、今ですねちょっと自分、忙しいのです。なので今後も恐らくは更新頻度は不定期になると思います。一応次の話も書きつつではあるので気長にお待ちください。ご読了ありがとうございました


次回「一晩寝たら存在を消されそうになった件 その9」

久しぶりのそれでは~ではまた(@^^)/~~~

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