一晩寝たら未確認少女に出会ってしまった件 その4
「ここで失踪した女の子を覚えているでしょうか?園長先生」
というわけで聞き込みを開始したのだが十年以上この幼稚園に勤めているのは園長のみだった。よって園長に聞くことにしたのだ。
「覚えていますよ、あのときはお泊まり保育の時でした。二日目の時に一人の女の子がいなくなっていました。『鶴巻都』という女の子でとても明るく元気でおっちょこちょいな子でしたよ。それにしてもなぜそのお話を?」
「いえ、少し前にそんな話を聞いたので」
俺はなんとか鶴巻との干渉をごまかして話を切り出す。園長は渋い顔を一瞬見せ、そして、
「そうですか。うーん。そうですね、貴方は今日たくさん子供たちと触れあっていたので、それに免じて特別にお話ししましょう」
と、あの時の事を話しても大丈夫だと判断したようだ。にしても基準が何故そこなのかが気になったが、ひとまずおいておこう。て言うか今絶賛職場体験中であるが。
園長は一息ついてゆっくりゆっくり語り始めた。
「鶴巻都が消えたあと私たちは必死に探しました、が、残念ながら見つけることができませんでした。もちろん誘拐ではないかという話もありましたが、巡回をおこなっていたのでそのせんは薄いということになりました。その頃でしょうか。この幼稚園で奇妙なことが起きました。なにかわかりますか?例えば幼稚園で飼っているうさぎが急死したり、遊具が壊れ幼児に怪我が及んだりと。そしてとある日に急に現れた人が『ここには悪霊がとり憑いている、この札を敷地の済みに張ると良いでしょう』と言っていましたので、私たちもそうしました。それからまもなくそのようなことは起きなくなりました、これが私の知っていることのすべてです」
園長が息をゆっくり吐いて話終えた。そして俺は最後に
「すみませんが、お札を貼ったのはいつ頃ですか?」
と質問した。園長は少し謎めくような顔をして「十月ぐらいでしたね」と答えた。
※
「ということなのだが何か分かったか?飯山」
「というかお前も大体わかるだろ。何が原因かを」
というわけでその夜再び飯山に電話した。
「やっぱり結界が貼られていたということか」
「確かに結界だけれども、お札を剥がしたら多分その女の子は再び暴走するだろ。つまりは多分その子の問題を解決すると同時にお札を無効化する必要があるといくことだ」
「でもどうすれば良いんだ?」
「まあ、その事に関しては後で作戦を練ったり物資調達をやっておくからお前は明日明後日は職場体験に集中することだな。あと__」
※
6月26日、6月27日は職場体験に集中し、若葉と共に次々に仕事をこなしていった。そして運命の6月28日を迎えることとなる。
次回予告
「ども、第三章次回予告担当の向日葵若葉と!」
「野中和です!て言うか、この第三章私の出番ゼロなんだけど!」
「そう怒らない怒らない。第二章とか序章とかは結構出番あったじゃん」
「それはそうだけど、」
「安心しなよ、次回はどうやら最終回らしいから」
「全然安心しないんだけど!」
次回 「一晩寝たら未確認少女に出会ってしまった件 その5」
「次回は出番欲しいな~」




