第4話 入団に向けて
第4話 入団に向けて
---ビト---
「あなた達、アキヒロに騙されてるわよ。」
白いローブを纏った女が笑いながらそう言った。
「あ、あのアキヒロって誰ですか?」
「あぁあなた達、アキヒロと知り合いって訳じゃないのね。」
「だからアキヒロって誰だよ!」
「あなた達案外鈍いわね、鍛冶屋に居たやたらやる気のないオッサンの事よ。」
「あの、もしかしてアキヒロさんって有名人なんですか?」
「いや、私はあいつとは因縁でね。」
「あ、そうだ。あなた達ウチで働かない?」
「それはメイドをしろと言う事でしょうか?」
センの警戒レベルが上がった。
「いやいや、そうじゃ無くて、私こう見えても
ここで1番偉いのよ」
「え?」
「ファ?」
俺達が呆然としていると女が手を叩いた。
「さぁさぁここで何をして、自分に何が必要なのか、もっかいアキヒロに問いただしてきな。
ちなみに私の名前はリンネ、よろしくぅ~」
その言葉を聞いてから走った。
「さぁ~面白くなってきた~!」
・・・鍛冶屋・・・
---アキヒロ---
「おい!リンネさんから聞いたぞ!よくも騙したな!」
さっきの獣少年が戻ってきた。
「あん?お前また来たのかって、今、リンネって言ったか!?」
---ビト---
明らかに動揺している・・・
「へ、これ以上しらばっくれるならリンネさんに言いつけるぞ!」
さぁどう出る?
「はぁ~しゃーねーなー、おい!一体あいつはお前らに何しろっつった。」
「おーい、お兄ちゃん一人で走ってくなんて酷いよ~」
「わっアキヒロさんが無茶苦茶焦ってる!」
「あ、あの兄が何かしでかしましたでしょうか?」
「い、いやお前らにもう一回聞いとくが、本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当にリンネに聞いたのか!?」
「はい、ウチで働かないか?って聞かれて、
その為にここで何をして、自分に何が必要なのか、問いただしてこいって言われました。」
「そうか、そういう事か~」
このオッサンは顔に手を当て嘆いた。
(続く)
次回、アキヒロの力が明かされる!