猛者の頂
『第三十九回Twitter300字SS』参加作品です。
お題は「試す」でした。
鈍色の空は字義通りの金属塊。
細やかな鉄格子、
幾重もの螺旋構造にその目塞がれ遮られた光明に代え照明の彩は妖しき蛍光の。
鉄割って禿鷹直下、
弥増しに屍肉の産声を知る。
見渡せば筋骨隆々大仰な鎧武器を身に虚しく猛者の亡骸地を埋め。
2m超凄絶な体躯の黝に蛇畝る朽木の如き陰惨、
移ろえぬ今際に腑吠え軋む声。
凡人は勝ち続けた、
瞼の黒の腫物、
「強者と見た!」
大剣……殺意光沢に宿し危険な笑み。
無限の戦闘唯一の意地とて拳交わした青白の痩躯、
オッサンの一撃とは露知らず。
地中より伸びる溝牙蛇の口腔より噴射管、
死の宣告のBB弾か空砲か。
全てを逃れて。
眼下の巨体に禿鷹の槍!
妖光我が身抱えて頂へ、
玉座占めるはまさに不意打ちで!
企画ですので趣旨に沿いたいと思います。
お題の「試す」ですが、深読みしなければ使ってないよね?と皆さんからご指摘受ける可能性があるので補足です。
ボクの思考回路は常に『裏』か『表』かの二者択一を前提としています。それは普段の生活においても然り、なのですが、創作においても、ほとんどの世界を切り取ることができ、数多の創造世界を築くことのできる優れた術である、と考えています。
『生』と『死』の二択をくぐり抜ける主人公を、試行錯誤の道中へと重ね合わせてます。
普段ボクが使いがちな情景を舞台として短絡的に採用しました、結果としてボクの理想的な世界観として表されました。
読み方は人それぞれですが、ボクとしてはそのような創作者の気概となって表せた、という感覚を得ています。笑
お読みいただきありがとうございます!